SNS上でも話題になったが、ジュニアNISA口座で「インバース型ETF」を購入する投資行動には注意点がある。インバース型ETFの商品性に触れた上で具体的にどのような点について気をつけるべきか見ていこう。

レバレッジ型ETFの仕組みとは?

インバース型ETF
(画像=PIXTA)

ベア型(インバース型)・レバレッジ型のETF(上場投資信託)が個人投資家から人気を集めている。ベア型は下落相場を指し、インバースには「反対の・逆の」という意味がある。通常、株式投資は値動きの上昇により利益を得るが、逆に下落した場合にはインバース型の商品で利益を得ることが可能になる。そのため、多くは下落相場でのリスク回避に利用されている。

レバレッジ型は、日経平均など対象指数の2倍の値動きをする商品だ。「テコの原理」を意味するレバレッジを効かせることで、少ない資本でより多くの資本を動かすことが可能になる。

インバース型の代表銘柄である「NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」<1357>は、個別株が多くランクインする中、ETFとして異彩を放っている。どのような魅力があるのだろうか。

インバース型ETFの価格は、対象とする株価指数と逆方向に動く。レバレッジ型の場合、値幅は一定の倍率で変動するように設計されている。

日経平均ダブルインバースはレバレッジ2倍のインバース型であるため、日経225種平均株価が1日に1%上がると、ETF価格は2%程度下がる。逆に日経225種平均株価が1%下がると、ETF価格は2%上がる。日経平均が下がれば日経平均ダブルインバースを保有している投資家は利益を得る仕組みだ。

レバレッジETFが長期保有に向かない理由

レバレッジ型ETFは、1日の値幅に対してレバレッジがかかるため、長期的な変動率は2倍にはならないのだ。この商品性から長期保有に適さないと言える。

具体的な数字を例にしてみよう。基準となる株価指数が最初の月に10%下落し、次の月に10%上がったとすると、株価指数は1ヵ月後に90%、2ヵ月後に99%となる。一方、レバレッジ2倍のインバース型ETFの価格は1ヵ月後に20%上昇して120%、2ヵ月後にはそこから20%下落して96%となる。2ヵ月間で株価指数が1%下落したのに対し、インバース型ETFは4%下落している計算になる。

騰落率が掛け算であるため、マイナスの複利効果が働いてしまっているのだ。このため株価指数がほとんど動かないような場面でも、レバレッジ型ETFの価格はじわじわ下がっていく傾向にある。

実際、2014年から2019年の月間騰落率の平均は、日経平均株価がプラス9.7%なのに対し、日経平均ダブルインバースはマイナス25.6%の下落となっている。マイナス2倍であれば値動きはマイナス20%程度にとどまるはずだと思いたくなるが、実際の商品性はそうではないのだ。

保有コストを見てみよう。日経平均ダブルインバースの信託報酬は2019年8月現在0.8%(税抜き)だ。株価指数に連動するタイプのETFは、0%台前半のものも少なくない。この差は保有期間が長くなるほど、投資家にとって不利に働く可能性が高くなる。

このようなインバース型ETFの商品性を考えると、例えば相場の急落を予想するような局面で短期のリスクヘッジ目的で保有するのが適していると言える。つまり長期投資用の商品ではなく、短期的に株価の値動きに合わせて売り買いをするハイリスク・ハイリターンの商品ということである。

ジュニアNISAの制度概要、向いている金融商品の特徴のおさらい

インバース型ETFの商品性に対し、ジュニアNISAは「長期運用」を前提とした非課税措置だ。対象年齢は19歳まで、原則として親や祖父母が未成年者の代わりに運用する。非課税期間は購入から最長5年間、配当金と売却益への課税が免除される仕組みだ。

専用口座に預けられた資金は、原則として名義人が18歳になるまで払い出すことはできない。正確には払い出し制限があり、災害等のやむを得ない場合を除き、例外を途中で売却すると課税されてしまう。

つまりジュニアNISAの制度趣旨を考えると、長期投資に向く金融商品を選択したほうが利益は得やすいことになる。インバース型ETFのような長期保有に向かない商品を買った場合、資産を減らしてしまう可能性もあることは認識しておく必要がありそうだ。

2020年度税制改正大綱によると、ジュニアNISAは、2023年末で新規口座開設を終了し、2024年からは既存口座の払い出し制限を解除するとした。18歳までの払い出し制限の解除によって、期限までにおいては、使い勝手がよくなる可能性もある。 (提供:確定拠出年金スタートクラブ

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