米国ETFといってもその種類は膨大にあり、資産運用する際の投資戦略やリスク許容度などに応じて選び方も異なってきます。

しかし、そのような投資戦略の違いに関わらず、実際に投資先を絞り込んでいく際の方法や最低限注意すべきポイントがあります。

今回はそんな米国ETFを選ぶ場合に失敗するリスクを少しでも減らせるようなコツをについてまとめて解説していきます。

ETF
(画像=Getty Images)

選び方のポイントその1:種類・投資エリア・セクター・テーマから対象となるETFを絞る

選択肢が世界一豊富な米国ETF選びの第一歩は次にご紹介する「ETFの種類」「投資エリア」「セクター」「テーマ」といった項目から絞っていくことになります。

ETFの種類

ETFといってもベンチマークとなる指標などによってその種類は「株式」「債券」「コモディティ(商品)」「グローバル」「ブル型」「ベア型」「REIT」などがあります。

それぞれの種類ごとにパフォーマンスはもちろんのことボラティリティやリスクも大きく異なりってきます。

例えば、米国株式ETFならダウ平均やS&P500などの株価指数に連動するETFやコモディティなら金や原油などの指数に連動するETFなどが挙げられます。

選ぶポイントとしては自分の投資戦略や目標となるトータルリターンなどに応じて決めていきます。

例えば、自分がリスクを多めにとってでも大きく上昇する可能性のあるETFにして、キャピタルゲイン重視の戦略を立てる人もいます。

また、反対に比較的値動きが緩やかでリスクやボラティリティを極力抑えつつ、着実に分配金がはいってくるものを選びたいといった投資戦略を立てる人もいるでしょう。

どのような投資戦略にするかで自ずと選ぶETFは異なってきます。

投資エリア

米国ETFの運用先には国や地域でも多岐にわたり、成長性やリスクも異なってきます。

大きく分けるとアメリカを含めた「先進国」と「新興国」があり、目標となる利回りやリスク許容度などによって絞り込んでいく必要があります。

一般的に米国市場のETFは世界最大の市場というだけでなく、収益面でも安定した企業も多くて成熟しています。

その一方でインドや東南アジアなど新興国関連のETFの場合、高いGDP成長率や潜在的な市場拡大などが見込まれ、高い利回りが期待できるという特徴があります。

しかし、アメリカなどの先進国に比べると、いざ売却処分する際に問題となる流動性が低かったり、カントリーリスクの大きさなども十分に検討してから選ぶ必要もあります。

セクター

選ぶセクターによっても投資パフォーマンスやリスクなど様々な点で異なってきます。

米国株式の場合、次のような11種類のセクターに分けることができます。

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(画像=The Motley Fool)

この中で例えば、俗にITセクターとも呼ばれる情報技術セクターにはマイクロソフトやアップルなど世界の時価ランキングで上位を占めるものも多く、高いリターンと成長性が期待できます。

常に新たな技術開発やその成果がもたらされる分野であると同時に、米国株式市場全体を牽引しているセクターでもあり、キャピタルゲイン狙いの投資家に特に人気があるセクターです。

また、生活必需品セクターは、食品や日用品といった生活に必須の商品を取り扱っているために好不況の影響を受けにくい業種となります。

そのため、比較的高配当利回りのものが多く、中には連続増配を続けている銘柄もあります。

インカムゲイン狙った投資戦略には向いているセクターといえるでしょう。

テーマ

米国ETFの中には特定のテーマで銘柄選定をしているものがあります。

例えば、AI(人工知能)やクラウドファンディング、フィンテックといった市場で大きな注目を浴びるテーマの銘柄ばかりを集めたETFなどです。

そのようなテーマによって選べるのも米国ETFならではの醍醐味でもあります。

選び方のポイントその2:パフォーマンスが良くてベンチマークとのトラッキングエラーの低いものを選ぶ

ETFを選ぶ場合には少なくとも直近3年の投資パフォーマンスはチェックしておきましょう。

できれば直近5年分を確認し、ファンドの成長力やボラティリティを見ていきます。

もちろん過去のパフォーマンスが優れているからといって、将来のパフォーマンスの良さを保証するものではありません。

しかし、市場全体が上昇傾向にある昨今の米国株式市場において、パフォーマンスがその上昇の波についていけないようなファンドにはどこか問題があると考えられます。

あくまで参考ベースではありますが、選ぶ際の一つの基準にはなります。

また、ETFにはベンチマークとなる指標があり、その指標に連動しながら指標のパフォーマンスからなるべく乖離しないようなファンド運営をどのETFも目指しています。

この指標からの乖離率はトラッキングエラーなどと呼ばれ、トラッキングエラーが低いETFは優れたファンドということでETF選びの重要な基準です。

反対にトラッキングエラーが大きいファンドは狙い通りのパフォーマンスを得ることが難しくなります。

選び方のポイントその3:純資産総額や取引高が大きく、流動性が確保されているものを選ぶ

純資産総額が大きいETFには様々なメリットがあり、選ぶ際の基準の一つとなってきます。

その理由として、そのような資産総額が大きいファンドはスケールメリットを活かして、より広範囲にリスク分散投資をすることが可能になります。

また、総額が大きいということは自ずとファンドの保有者の数も多く、売買も活発になるために取引高も高くなる傾向にあります。

そのようなファンドの場合、いざ売却する際に市場で買い手が見つかり、流動性が高いレベルで確保されやすくなります。

さらに純資産総額の大きさは経費率を下げる効果もあります。

例えば、ファンドに対しておこなわれる会計監査や、会計投資家に配られる運用報告書の発行費用などは純資産総額の大きさに関係なく、どのETFでも発生するコストです。

従って、総資産総額1,000億円のファンドのほうが、同100億円のファンドよりも総資産総額に対して経費の占める割合が低くなってくるのです。

総資産総額が小さいETFを避けたい理由としては他にもあります。

それは投資家からの換金が増えたような場合に、当初の運用方針に沿ったファンドの運用が立ちいかなくなる可能性もあります。

最悪の場合は運用そのものが停止し、満期前に途中償還されるリスクも高くなってきます。

もし、途中償還されると購入した基準額よりも低い基準額で償還され、元本を毀損するリスクも出てきます。

総資産総額が大きいETFはそれなりの運用期間を経たものが多く、運用開始直後のETFは投資経験豊富な方や目利きが効くような方が選ぶ場合を除いて、選択肢から外したほうが途中償還リスクなどを抑えやすくなります。

選び方のポイントその4:経費率の低いものを選ぶ

ETFには大きく分けて「売買コスト」と「保有コスト」の2種類があります。

売買コストとしては売買委託手数料、保有コストとしては「信託報酬」や「保管費用」といったコストがあります。

経費率とは、この2種類のコストがETFの総資産総額に対してどれくらいの割合で発生するのかを表わした数値です。

ETFを選ぶ場合にはこの経費率ができるだけ低いものを選ぶことも大切なポイントです。

特に信託報酬については、保有期間中は毎日発生するコストであり、投資パフォーマンスを低下させる要因にもなります。

米国ETFの経費率は日本国内のETFよりもかなり低いものが多くという特徴があります。

中にはヴァンガードのように業界の平均経費率「0.27%」に対して、同社の全商品の平均経費率が「0.07%」と業界の3分の1以下という会社もあります(2018年12月31日時点でのモーニングスターおよびバンガードによる加重平均値)。

ただし、選びたい種類やセクターによっては業界平均を大きく超え、中には1%を超えるものもあります。

目安としては少なくとも1%以下のものを中心に選ぶという基準をもって選ぶといいでしょう。

選び方のポイントその5:分配金についての投資戦略を決めて対象を絞り込む

ETFには四半期ごとなどのタイミングで分配金が支払われるものが数多くあります。

分配金とは株式でいうところの配当にあたるものです。

分配金については1%~2%程度のものから、多いものになると3%~4%超のものまであります。

ETFを選ぶ際にはこの分配金についての投資戦略や考え方を決めておくことも重要になってきます。

つまり、資産運用にあたって分配金狙いの投資にしたいのか?あるいはなるべく分配金の少ない投資で投資効率を重視する投資戦略にしたいのか?という点です。

分配金については、多ければ多いほど良いと考えられがちですが、投資効率を低下させる要因にもなりますのでよく検討しておく必要になってくるでしょう。

例えば、リタイヤ生活の資金の一部にすることを投資目的にしている方の場合、定期的に支払われる分配金はとても有効な収入源になります。

反対にまだ20代や30代といった若い世代の方で、これから長期運用を通じて高い成長性を狙っていく場合には分配金が少ないか、あるいは支払われずに再投資に回されるETFのほうが投資効率を高める結果となります。

選び方のポイントその6:分散投資を心がける

分散投資の効果や究極の目的は、市場が急落したような場合のリスクをできるだけ抑え(分散リスク効果を確保するということ)、安定した成長を確保することにあります。

ですから個々のETFを選ぶ場合のポイントというよりは、運用する資産全体のバランスを考えながら、上手くリスク分散することが選ぶ際の重要ポイントとして挙げられます。

そのようなリスク分散効果を最大限に得るために、資産クラスや投資エリアなどを一点集中せずにバランス良く、投資先を選んでいくことが大切になってきます。

自分の投資戦略やリスク許容度などに合った選び方でETF選定していこう!

世界のETF市場の約7割を占める米国ETFはその種類も豊富で規模も最大級です。

そのような米国ETFを選んだり、リバランスのために定期的に組み替える作業は醍醐味でもあり、また投資初心者には大変かもしれません。

ここで重要なのは、自分がどのような目的や目標をもち、それらに見合った投資戦略を立てることです。

そして、そのような自分の投資戦略や、どれくらいまでのリスクが取れるかといったリスク許容度などに合った選び方をしていくことが鍵となるでしょう。

今回ご紹介したETFの選び方は最低限の知識であり、ここでお伝えした内容が選び方の全てではありません。

自分で投資経験を積み重ねて、結果について絶えず検証していく中で自分なりに選ぶポイントや選ぶ目が肥えていくでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


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