EC(電子商取引)サイトの市場規模は年々拡大し、伸び率は右肩上がりで、企業対個人、企業対企業のいずれも好調です。新規ビジネスとして、市場規模の大きな海外に向けて「越境EC」に取り組もうと考えている企業もあるのではないでしょうか。

ヤマトホールディングス傘下の雅瑪多国際物流有限公司(以下 YIL)は2019年8月、中国でEC事業を行う企業向けに新たな物流サービスを開始しました。小口取引にも対応するというそのシステムと、近年のECビジネスの現状をご紹介します。

中国向けECは今後も伸びる可能性が高いビジネス

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(画像=ANA Financial Journal編集部)

経済産業省が行った「電子商取引に関する市場調査(2018年)」によると、2018年の国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は、前年比8.1%増の334.2兆円に上ったといいます。商取引市場規模に対するEC市場規模の割合を示すEC化率も伸びており、2018年のBtoB-ECのEC化率は30.2%で、前年から0.8ポイント増加しています。

世界に目を向けると、BtoC(企業対個人)、BtoBを合わせた全体でのEC市場規模は313兆円にも達し、このうちの61%をアジア太平洋地域が占めている点は見逃せません。また、アジア太平洋地域の61%の内訳のほとんどが中国であり、その規模はアメリカの約3倍です。

BtoC-ECだけでなく、企業間の取引も活発に行われている中国への進出を考えている企業も多いことでしょう。実際に、越境ECに取り組む日本企業の販売先のトップは中国で、次いでアメリカ、台湾、香港の順に並びます。

中国の物流業界にある課題

このような背景から、中国向けのECビジネスにはまだまだ大きなチャンスがあるといえます。しかし、中国では増え続ける物流に対応する人員不足や、人件費の高騰によるコストアップなどが大きな課題として存在しています。

これまでYILでも、ECの利用が急激に増えるイベント前後には人員を増員して出荷作業にあたっていたといいます。とはいえ、人手が足りないからと作業員を増やしても、すぐさま経験豊富な作業員と同等の作業を行えるわけではありません。

日本国内においても物流を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いていますが、中国でも同様の課題を抱えているのです。中国国家統計局のデータによると、生産年齢人口(15歳~59歳)は2012年以降減少を続けているのが現状です。

倉庫管理システムと自動搬送ロボットで作業を自動化

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(画像=ANA Financial Journal編集部)

中国における人材不足と人件費の高騰、それに作業品質・生産性の安定といった課題に対応すべく、倉庫管理システムと自動搬送ロボットを導入したのが、中国で企業向けのロジティクスや海外生活支援を行うYILです。

倉庫管理システムと自動搬送ロボットの導入によって、商品のピッキング作業、入荷時に商品を保管棚へ運搬して格納する作業が自動化されました。

「クロネコヤマト」のロゴマーク付きのロボットが、商品を保管している倉庫を縦横無尽に動き回り、荷物の搬送をサポートしています。この倉庫管理システムと自動搬送ロボットを導入することで、従来の3倍の生産性が見込めるとのことです。

これまで、ECといえば対個人の取引が主でしたが、近年では対企業の取引も増加しています。また、BtoB-ECでは従来、大量の発注に対して納品を行うのが主流でした。ところがヤマトホールディングスによると、近年では「その時々に必要なものを必要な量だけ送る」ケースも増えてきているといいます。

YILが今回導入したシステムでは、この少量多頻度輸送の際の生産性も向上させるとのことです。YILのような物流ソリューションを提供する企業を活用することで、事業規模が比較的小さな企業でも、中国で新たなビジネスチャンスをつかむことができるかもしれません。

海外進出の第一歩に

グローバル化社会の中で自社の海外進出を目指しているのなら、リスクの小さいEC事業を始めてみてはいかがでしょうか。

越境ECでは言語や決済方法、発送手段などが日本と異なるため、初めは戸惑うことも多いかもしれませんが、中国で展開する対企業向けのプラットフォームや物流ソリューションを活用すれば、早期に安定した運用が見込めそうです。(提供:ANA Financial Journal

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