ダウやS&P500などの代表的な株価指数を見れば米国株は記録的な上昇を繰り返し、それにつられるように日本株も上昇しています。

しかし、その一方で世界的な景気減速を暗示させるような経済指標も出てきていますし、米中貿易戦争などリスク要因も市場に影響を与えています。

こうなると気になるのが、景気後退局面に強いとされているディフェンシブ銘柄です。

今回はそんなディフェンシブ銘柄のメリットやデメリット、さらにその反対に景気に敏感なシクリカル銘柄についても同様にメリットやデメリットをご紹介していきます。

銘柄
(画像=Getty Images)

ディフェンシブ銘柄の特徴とメリット・デメリット

ディフェンシブ銘柄の特徴

ディフェンシブ銘柄やディフェンシブセクターのディフェンシブ(Defensive)とは、本来「守備的な」「守りに強い」といった意味になります。

つまり、景気の後退局面が訪れても、業績の悪化が少ないために株価の下落も景気敏感セクターとも呼ばれるシクリカル銘柄に比べて緩やかという特徴があります。

ディフェンシブ銘柄の企業がなぜ景気のサイクルに影響されにくいかといえば、食品や医薬品といった生活必需品や電力・ガス、鉄道、通信などの社会インフラを提供している企業の銘柄であるために安定的な需要が絶えず見込めるからです。

ディフェンシブ銘柄に当てはまるのは次のようなセクターになります。

ディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄、それぞれのメリット・デメリットとは?
(画像=The Motley Fool)

これらの各セクターを見ればどれも毎日の生活には無くてはならないものばかりで、景気が悪くなったからと言って買い控えたり、サービスの利用をやめるといったものでないのは一目瞭然でしょう。

例え景気の悪化によって雇用環境が悪くなったり、消費者の収入が減っても医薬品や食料は買われ、電気やガスは利用され続けます。

ディフェンシブ銘柄のメリット

ディフェンシブ銘柄のメリットをまとめると以下のようになります。

下落相場での下げが限定的で緩衝材となるような銘柄
下落相場になっても他のセクターほどの急な下落が起こりにくく、本格的な景気後退の局面や市場のボラティリティが高い状況でも他のセクターに比べれば、安定したパフォーマンスを見せる傾向にあります。

景気サイクルを見ながらポートフォリオのリバランス時などにセクターローテーション戦略のための投資先としても有効な候補になります。

高配当株の割合が高い
ディフェンシブ銘柄の特徴は市場が成熟し、高い成長力があまり見込めない代わりに比較的安定したから高配当を出す銘柄が多いのが特徴です。

配当を高くすることで株主重視の姿勢を見せ、投資家からの支持を集めています。

キャピタルゲインも見込める
高い成長力があまり見込めないといわれるディフェンシブセクターでも、その中ではセクターごとさらに違いがあります。

例えば、米国株のヘルスケアセクターのように高い上昇相場を見せたセクターもあり、キャピタルゲインを十分に狙える銘柄も多数あります。

特に先進国を中心とした世界的な高齢化の波や臨床技術の絶え間ない進歩と医療技術の進歩などにより、米国のヘルスケア産業はこれからも継続的に高い年間成長率を達成すると推定されています。

また、銘柄にもよりますが、景気動向に敏感な景気循環セクターなどを上回るパフォーマンスを見せる傾向もあります。

ディフェンシブ銘柄のデメリットや注意点

景気に左右されにくく、安定した業績が株価の安定にも結び付きやすいディフェンシブ銘柄ですが、完全にリスクフリーとも言いきれません。

特にたばこ産業や飲料、食料品、日用品などの銘柄はほとんど成長が見られないものも多く、他のセクターほど株価に成長力がない銘柄もたくさんあります。

従って、短期間で大きくリターンを伸ばすような投資戦略には向かない銘柄といえそうです。

シクリカル銘柄の特徴とメリット・デメリット

シクリカル銘柄のシクリカル(Cyclical)とは「周期的な」といった意味があり、景気に敏感に反応するセクターであることから、「景気循環セクター」とも呼ばれています。

シクリカル銘柄に相当するのは、以下のようなセクターがあります。

ディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄、それぞれのメリット・デメリットとは?
(画像=The Motley Fool)

このセクターの特徴は自動車セクターに代表されるように比較的高価で必ずしも日常生活で必要とはいえないような商品やサービスも多く提供されている企業が多く見られることです。

そのため景気が悪くなり、消費者の収入が伸び悩んだり、雇用が不安定になると真っ先に買い控えたり、サービスが利用されにくくなることから、景気の良し悪しが企業収益に大きなインパクトを絶えず与えている銘柄が多いのが特徴です。

シクリカル銘柄のメリット

景気循環セクターに属するシクリカル銘柄のメリットはディフェンシブ銘柄とは打って変わり、短期でのキャピタルゲインが見込める点です。

特に景気が回復したり、景気が絶好調な時に雇用情勢が好転して消費者の収入が増えるような状況下では、短期間で一気に株価が上昇し、利益が乗ってくる銘柄も多く見られます。

シクリカル銘柄のデメリットや注意点

メリットとは反対に景気が後退したり、企業業績が悪化すると一気に売られ、大きく下降を描く傾向がある点には注意が必要です。

シクリカル銘柄への投資戦略では、これから景気が大きく上向きそうだといった傾向が雇用や景気関連の指標や財界要人の発言などから読み取れるようなタイミングで仕込むのが良いと考えられます。

まとめ

ディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄について、その特徴やメリット・デメリットについてご紹介してきました。

一般的には景気が後退しそうな局面ではディフェンシブ銘柄を仕込み、景気が大きく回復しそうな兆しが見えた局面ではシクリカル銘柄を仕込むというのが最も有効な投資戦略になります。

いずれの銘柄もいわゆる「バイ・アンド・ホールド」には向かない銘柄であり、買い時をいかに見極めるかが鍵となります。

ただし、そうはいっても一方的にそのタイミングを決めつけて、ディフェンシブ銘柄あるいはシクリカル銘柄一辺倒に買い込むということだけは避けたいところです。

基本的には分散投資を心がけ、タイミングによってポートフォリオの一部として取り込むという戦略が安全と考えられるでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


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