取引先の心情に寄り添い一歩踏み込んだ改善に努めよう
(画像=PIXTA)

全国的に企業の倒産が増えつつある中、金融業界で粉飾決算が問題視されている。業績不振を隠していた取引先が経営に行き詰まり倒産し、そこで初めて金融機関が実態を知るという構図だ。貸倒れが発生すれば、営業店が積み重ねてきた収益は一気に奪われてしまう。取引先の粉飾決算を見抜くことは、金融機関の喫緊の課題なのだ。

在庫の水増しや架空売上の計上など、粉飾決算の手口は様々であるが、見抜くには決算書の分析が基本となる。短期ではなく長期の数字を並べて俯瞰し、過去の数字や業界平均などと比較すると異常に気付きやすい。売上債権や棚卸資産の回転期間、粗利益率などの比率を活用した分析も有効だ。

決算書を通じた分析と併せ、取引先の定性面の状態にも注意を払いたい。

例えば、取引先を訪問して在庫の現物を見る。決算書で多額の在庫が計上されていながら倉庫に商品がなければ、その理由を聞いて確認しよう。粉飾決算を提出したやましさから、ヒアリングをしてもはぐらかして具体的に答えない経営者や、金融機関の訪問を避けたがる経営者もいる。こうした“異変”にも注意を払うようにしたい。

粉飾に走るのは金融機関を恐れるから