疑わしい決算書の分析とヒアリングの進め方
(画像=PIXTA)
CASE 2 架空売上の計上による利益の水増し
売上債権回転期間の長期化や売掛金明細の項目を観察する

売上債権による架空売上の計上については、まず予防策から解説しよう。

そもそも粉飾決算に手を染める経営者はどのような心理状態なのか。赤字決算で金融機関からの借入れが難しくなるのを恐れている場合も、利益を圧縮して節税したいと考えている場合も、どちらも経営者は心の底で「金融機関にはバレないだろう…」と思っている。

もし金融機関に粉飾決算が見つかれば、新規融資が受けられなくなるばかりか、既存の借入金を回収される懸念すら出てくる。資金繰りに窮しているとしても、高いリスクを背負ってまで粉飾決算するのは、見つからない自信があるからだ。

金融機関が自社をよく理解していないことを知っているから、そのような自信を持ってし まう。

金融機関の担当者としても、企業の業績が悪くなると自身の業績目標に貢献しづらく営業上のメリットがなくなるため、足が遠のく傾向がある。ひどい場合は1年間面談がなく、試算表も半年以上徴求していないこともある。これでは、企業に粉飾決算をしても気付かれないだろうと思われてしまう。

日頃の面談を通じて経営者をけん制する