疑わしい決算書の分析とヒアリングの進め方
(画像=PIXTA)
CASE 4 借入金の未計上による利益の拡大
借入利率や粗利率などを検証し簿外・他科目への振替えを探る

金融機関の融資を引き出すために、あるはずの借入金を決算書に計上しない手口には、2つのパターンがある。

1つ目は、単純に計上せずに簿外化する方法。簿外の借入金で増えた資金は、損益計算書では売上として計上されることが多い。売上原価はゼロなので借入金がほぼそのまま利益計上されてしまう。貸借対照表では現預金の増加で処理される。

2つ目は、借入金を流動負債の他の科目に振り替えて処理する方法だ。振替先は仕入債務や前受金などで、これらは例年と比べて多額になる。架空の仕入先の名目で処理され、端数がなく切りのよい数値で計上されている場合が多い。

粗利率や経常収支を算出して異常値を探す