中国企業でありながら、日本国内でも知名度が高いAlibaba Group Holding。(NYSE:BABA)

実はNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しているため、米国株として扱われるのです。

「米国企業については詳しい!」という方でも、米国市場に上場している中国企業についてはなかなか知りえない情報があるかもしれません。

そこで本記事では、時価総額ランキング世界4位のAlibaba Group Holdingの銘柄紹介をしていきます。

アリババ
(画像=Getty Images)

基本情報

まずは、Alibaba Group Holding (以下:Alibaba)の基本情報をご紹介します。

  • 本社…中国 浙江省杭州市
  • 創業者…ジャック・マー(馬雲)
  • 現在のCEO…ダニエル・チャン(張勇)
  • 上場市場…NYSE (シンボル:BABA)
  • 時価総額…5,346億ドル(2019年12月1日現在。Yahoo!ファイナンスより)
  • 決算日…3月31日
  • 発行済株式数…26億7,300株(2019年12月1日現在。Bloombergより)

概要

Alibabaはコアコマース事業が売上高の85%以上を占めている、いわゆるコアコマース企業です。

ただし近年ではクラウドコンピューティング事業を中心にヘルスケアや金融分野へと展開を始めており、この点はMicrosoftやAmazon.comとよく似ています。

またAmazon.comは実店舗「Amazon GO」を出店していますが、Alibabaも同様に実店舗「Hema Fresh」を中国で出店しています。

業績については後ほど詳しく紹介しますが、利益率の低下が目立っています。

原因はコアコマース事業以外の事業にあるでしょう。

ニュースで耳にした記憶がある方も多いかと思いますが、2019年11月11日は中国では「独身の日」とされており、Alibabaは「独身の日セール」を開始しました。

なんとこのセールでAlibabaは、過去最高である2,684億元(約4兆1,870億円)の売上高を達成したと話題になりました。

この波に乗り、Alibabaは今後5年間でコアコマース事業の年間アクティブユーザー数10億人、そして取引額10兆元を目指すと意気込んでいます。

また、中国は日本同様少子高齢化が進んでいるので対策が必要になっています。

そこでAlibabaは、ロシア・メキシコ・インドなどへの海外進出を図り、コアコマース事業の海外売上は全体の約10%を占めるまでに成長しました。

今後さらに期待ができそうですね。

業績

では、気になるAlibabaの業績を見ていきましょう。

データはすべて、Alibaba公式ホームページの投資家向け広報を参考にしています。

【銘柄紹介】アリババ・グループ・ホールディングってどんな企業?
(画像=The Motley Fool Japan)
(図1)

図1は、売上高と当期純利益のグラフです。

売上高は年々増加傾向にあることが分かります。

上記でも触れましたが2019年11月11日には過去最高の売上高を達成したということもあるので、2020年度決算でも売上高の増加が期待できるでしょう。

ただし売上高が増加している一方で、当期純利益は同じ水準のままです。

これは、実店舗「Hema Fresh」やクラウドコンピューティング展開におけるコスト増加によるものだと考えられます。

【銘柄紹介】アリババ・グループ・ホールディングってどんな企業?
(画像=The Motley Fool Japan)
(図2)

図2は売上高と売上原価、粗利益率のグラフです。

粗利益率は年々低下しています。

ただし直近の決算での利益率は45.1%なので、数値としては懸念すべきほどでもありません。ご安心ください。

【銘柄紹介】アリババ・グループ・ホールディングってどんな企業?
(画像=The Motley Fool)
(図3)

図3は、セグメント別売上高のグラフです。

コアコマース事業の売上高増加が劇的です。

ほかに力を注いでいるクラウドコンピューティングやデジタルメディアの売上高も増加しているので、コストをかけている分うまく利益を回収できていることが読み取れます。

【銘柄紹介】アリババ・グループ・ホールディングってどんな企業?
(画像=The Motley Fool)
(図4)

図4は、コアコマース事業売上高の内訳です。

1番売上高の割合を占めているコアコマース事業について、深堀していきたいと思います。

コアコマース事業の売上先は中国と海外の2つに大きく分けられ、その割合は9:1ほどです。

上記でも少し触れましたが、少子高齢化進行の懸念から中国国内に限らず海外へも進出しつつあります。

海外進出への目立った動きとして、東南アジアのコアコマース「LAZADA」を2016年に買収したというものがありました。

ただしLAZADAの売上高はコアコマース事業のうちまだ1%程度にしか達していないため、LAZADA含む海外売上に対してはまだまだ力を注いでいく必要がありそうです。

Alibabaは一体どんな事業を展開しているの?

上記ではセグメント別売上高についてもご紹介しましたが、コアコマース事業やクラウドコンピューティング事業などといわれても、一体どのような事業が展開されているのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、Alibabaがおこなっている事業について整理していきたいと思います。

コアコマース事業

  • タオバオ・Tmall…おそらく、AlibabaのECサイトのなかで1番知られているのがこの2つです。出店者から受け取る手数料を収益源としています。
  • Alibaba.com…法人向けのECサイトです。こちらでは出店者からの手数料だけではなく、ユーザーの会員料も収益源となっています。
  • LAZADA…東南アジア向けのECサイトです。2016年に買収しました。
  • Ali Express…海外向けのECサイトです。販売価格が安いことで有名です。

物流事業

  • Cainiao…eコマースとその利用者を繋ぐ、重要な物流プラットフォームとして機能しています。

決済

  • Alipay…Alibabaの傘下にあるアント・フィナンシャルが運営している決済サービスです。中国を含む40ヵ国で利用されており、ユーザー数は2019年6月時点で12億人を突破しました。

ローカルサービス

  • Ele.me…食品のデリバリーサービスです。
  • amap…地図アプリです。中国国内ではGoogle マップの使用に制限がかけられているので、こちらを利用する方が多いです。
  • Hema Fresh…Alibaba初の実店舗です。

クラウドコンピューティング

  • Alibaba Cloud…国際的にはMicrosoftのAzureやcomのAWSが使われていますが、中国では圧倒的にAlibaba Cloudが選ばれています。というのも、クラウドコンピューティングを利用するときはデータセンターがユーザーのいる場所から近い方が望ましく、Alibaba Cloudはアジア圏に多くのデータセンターを所有しているからです。

デジタルメディア&エンターテインメント

  • Youku…日本でいうYouTubeのような動画共有サイトです。中国ではYouTubeの利用にも制限がかけられているので、国民はYoukuを利用します。

業績に影響を与えやすい要因

Alibabaを投資対象とする場合には、Alibabaの業績や株価に影響を与えやすい要因を知っておくと投資に役立ちます。

その要因は、大きく分けて3つあります。

国内経済

繰り返しになりますが、やはり中国国内では少子高齢化が深刻化していることにより企業の過剰債務が問題になっています。

Alibabaに限らず中国企業の業績悪化が懸念されるので、少子高齢化に対してどのような取り組みを図っているのかが重要でしょう。

海外展開

少子高齢化による中国国内の売上鈍化に対応するため、Alibabaはロシア・インド・メキシコなどへの海外進出を図っています。

とくにインドは国として急成長している真っ最中ですので、インドにおける売上高増加はかなり期待できそうです。

米中対立

Alibabaは時価総額ランキング世界4位の企業であり、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しています。

このことは米国企業のビジネスを脅かすことになりかねませんので、米国政府からなんらかの制限をかけられる可能性があります。

このような政治リスクにも注意が必要でしょう。

まとめ

本記事ではAlibabaについてご説明してきました。

よく名前を聞く機会がある企業ではありますが、ビジネスに関しては知らなかったことも多いのではないでしょうか?

Alibabaは中国でのコアコマース事業をメインとしていますが、少子高齢化の懸念から事業内容や展開地域を絞ることなく広い視野でビジネスをどんどん開拓していきつつあります。

今後に期待できる企業ですので、投資対象として検討する価値がありそうです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事の作者タナカチアキは記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。