一般社団法人不動産協会が発表した2019年9月のマンション供給動向調査によると、首都圏・近畿圏・中部圏の3大都市圏のマンション坪単価は大幅な伸びを示しています。データから分かった大都市圏不動産価格がまだ伸びる理由には一体どんなものがあるのでしょうか。ここでは大都市圏マンション事情について解説します。

大都市圏のマンション価格は上昇が継続

都会
(画像=zhu difeng / Shutterstock.com)

2019年9月のマンション供給動向調査の中で3.3平方メートルあたりの単価でみると大都市圏のマンション価格は依然として高い上昇率を示しています。例えば東京を中心とする首都圏が+5.8%、大阪を中心とする近畿圏が+6.9%、名古屋を擁する中部圏が+25.2%といずれも大幅に伸長しました。分譲価格でみても首都圏が+4.5%、近畿圏が+5.5%、中部圏が+20.7%と同じように高い伸びを示しています。

半面首都圏と近畿圏では物件数、分譲戸数ともに前年を下回っていることから需給がタイトになっていることも価格上昇の要因の一つでしょう。

大都市圏不動産市場好調の背景は?

大都市圏不動産市場が伸びている最大の要因はいうまでもなくスケールの大きな「国策的イベント」が続くことによる先高観です。東京五輪や大阪万博、IR(統合型リゾート)、リニア中央新幹線開通と東京、大阪、名古屋それぞれに材料がありIRには横浜も名乗りをあげています。

大きなイベントや大規模なインフラ、再開発計画があると進出する企業も増えるためオフィス需要も旺盛になるでしょう。都心のオフィスビル空室率は下がり、賃料は上昇することになります。好立地のビルには空き物件自体がないため、「やむを得ず周辺のマンションにオフィスを構える」というケースもあるでしょう。それがマンションの坪単価を押し上げるという好循環になっているのです。

さらにJ-REIT(不動産投資信託)を通して不動産市場に資金が流入しているのも好調の要因といえます。J-REITの投資対象の中心が大都市圏の物件のため今後もJ-REIT指数が高値を更新し続ければ不動産市場の大きな支援材料になるでしょう。

日本のマンション価格はまだ割安

日本のマンション価格がまだ割安であることも海外投資家の注目を集めやすいポイントです。日本不動産研究所が発表した「マンション/高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準」のデータによると東京・港区にある高級住宅の価格(2019年4月時点)を100とした場合、香港が212.8で東京の2倍以上でした。

またロンドン197.4、上海125.3、台北115.1、ニューヨーク105.3と、いずれも東京を上回っています。東京の不動産が海外の主要な都市に比べればまだ割安であることが分かるのではないでしょうか。特に大阪は54.7と東京の半分程度の数値にとどまっています。最近大阪の不動産がこれから上昇すると予測する相場見通しが目立つのもうなずけるデータといってよいでしょう。

また森記念財団が発表している「世界の都市総合ランキング2017」によると不動産投資の利回りはイギリス3.21%、フランス2.89%、シンガポール2.83%、ニューヨーク2~3%に対し日本は5.02%でした。世界の主要都市と比較しても日本は大きく上回る水準を示していることが分かります。

利回り重視の海外投資家が今後日本の不動産の高利回りに着目して投資を増やす可能性は高いといえるのではないでしょうか。

収益用マンションを買うなら大都市圏が有利

以上のような背景から収益用マンションに限れば価格はまだ伸びる余地が十分にあるでしょう。人口減少が進むことから一戸建ての相場には不透明感があるもののマンションやオフィスに関してはインバウンド需要も見込め、大都市圏の物件価格は安定した上昇が期待できます。

2019年4月1日から出入国管理・難民認定法改正案が施行されることで介護業界を中心に外国人労働者が増加するのもマンション業界には追い風です。外国人労働者が一戸建てに住むとは考えにくいため、マンションの需要が高まる可能性があるからです。外国人労働者の雇用比率が高い企業が会社周辺にある物件の空室を一括して借り上げるケースも期待できるでしょう。

国内投資家や海外投資家を問わず「収益用マンションを買うなら大都市圏」が共通のキーワードになりそうです。(提供:Incomepress


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