ここ数年、週刊誌やマネー雑誌などのキラーコンテンツとして、「億り人」(おくりびと)特集が組まれることが多くなりました。「億り人」(おくりびと)とは、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)、仮想通貨などの金融商品で資産1億円を達成した投資家を指します。

投資家,億り人,なれないワケ
(写真=カブ知恵・藤井英敏さん)

雑誌などに登場する億り人の中には、サラリーマンや主婦、なかには無職の若者もたくさんいます。彼らはどのようにして、1億円もの資産を手に入れたのでしょうか?有名トレーダーとの親交も深い、金融情報会社・カブ知恵の藤井英敏さんに聞きました。

リスクも高いがリターンも大きかったFXや仮想通貨

投資家,億り人,なれないワケ
(写真=筆者より提供)

「まず、億り人の中にもさまざまな投資家がいます。例えば、金融商品に対する知識は乏しくても、時代背景や相場の波に乗って儲けた人たちです。彼らは、いち早く新しい金融商品に目を付け、『バイ&ホールド』(買って、じっくり保有する)で一気に資産を増やしたのです」(藤井さん)

例えば、FXは1998年に外為法の改正によって、個人でも為替取引が行われるようになったことをきっかけに誕生した金融商品です。FXは預け入れた証拠金を担保に為替の取引を行うのですが、当時はこの証拠金に対して最大400倍程度のレバレッジ(てこの原理)を利かせることができたのです。極端な話、30万円の証拠金なら1億2,000万円分の取引ができたというわけです。

その後、金融庁主導でFXのレバレッジ規制が行われ、2010年8月には50倍、2011年8月以降は25倍にまで縮小されました。その後も、投資家保護の観点からレバレッジ規制に関する議論は続けられており、最終的には10倍程度に引き下げる案も検討されているとのことです。

そんなFXで億り人が次々と誕生したのは2009年から2010年にかけてのことでした。当時、豪ドル/円の為替相場は1豪ドル=55円近辺から88円近辺まで急騰していきました。FX投資家の多くは、高金利通貨である豪ドルにレバレッジをかけて大量に買い、さらに「スワップポイント」と呼ばれる金利のようなものを手に入れながら、為替差益も享受していったのです。例えば、1ドル=60円のときに豪ドルを150万豪ドル(9,000万円)買い、80円になったときに売却すれば、為替差益は3,000万円(税引き前)になります。加えて、当時の豪ドル/円のスワップポイントは1万通貨当たり毎日100円程度。150万豪ドルなら1日1万5,000円程度がチャリンチャリンと入ってきました。この相場に乗って、億り人が次々と誕生したのです。

わずか1,000円が285億円になったビットコイン

「仮想通貨の代表的通貨であるビットコインに至っては、2009年10月に1BTC(ビットコイン)=0.07円に対して、2017年12月には1BTC=200万円を突破しました。倍率にして2,857万倍超。極端な話、0.07円で1,000円を投資しておけば、285億7,000万円になっていたのです。制度がスタートしたばかりの金融商品は、FXにしろ仮想通貨にしろ、誰もが危険だとか、怪しいと思っていたはずです。しかし、そこを敢えてリスクを取ってチャレンジした人が億り人になれたのです」(藤井さん)

一方、個別銘柄を選んで投資する株式投資の場合は少し異なります。FXのようにレバレッジは掛けられますが、信用取引を活用しても最大で3.3倍程度。また、仮想通貨のように極端な値上がりもそうそう期待できません。株式市場では、株価が10倍になった銘柄を「テンバガー」と呼んでいますが、そんな銘柄は1年間に1銘柄あるかないか。株式投資のプロでも3,600社以上ある上場銘柄から探し出すのは至難の業です。

「もちろん、株式投資でも億り人は誕生していますが、私自身が本当にスゴイと思えるのは一握りです。ほとんどの投資家は無茶苦茶で非常識な投資手法で資産を増やしており、ひとつ間違えば破産に追い込まれても不思議ではない状態なのです」(藤井さん)

本特集の2回目では、億り人たちが狙う銘柄の特徴をご紹介します。(提供:ANA Financial Journal

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