投資にはリスクがつきものだ。しかし、そのリスクを低減する方法として「分散投資」という考え方がある。

分散投資には大きく分けて「資産分散」「時間分散」「地域(通貨)分散」という3つの考え方がある。それぞれについて基礎知識から解説していこう。

資産分散:投資する資産を分散するという考え方

分散投資
(画像=PIXTA)

投資・金融商品にはさまざまな手法や種類があり、それぞれリターンやリスクは異なる。理屈の上では、大きく資産を増やしたいのではあればもっともリターンが大きくなる方法を選べば良いことになる。しかし、実際には、各金融商品のリターンは状況によって異なるため、一概に「何に投資すればいいか」を決めることはできない。

「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)がまとめたデータによると、例えば2017年の金融資産別のリターンは「国内株式」が22%、「外国株式」が19%、「外国債券」が5%、「国内債券」が0%となっており、投資先によって大きくリターンが異なることが分かる。

年によっては、ある金融資産のリターンがマイナスとなるケースもあり、1種類の投資先に絞って投資を行っていた場合には、大きく資産が目減りしてしまう可能性もある。こうした事態を防ぐための手段の一つが「資産分散」だ。

2017年のケースでは、前述の4種類の投資先に25%ずつ投資した場合、リターンが11%となっている。これは国内株式の22%に比べれば決して大きくはないものの、国内債券の0%と比べると、リスクが軽減した形となっている。

ちなみに資産分散と類似した考え方に「銘柄分散」というものもある。これは株式投資において1つの株式に集中的に投資するのではなく複数の銘柄に投資をするというもので、これにより結果的にリターンの数字が極端に低くなることを防いでいる。

時間分散:投資する時期を分散するという考え方

資産分散は投資する金融資産を複数にするという性質をもったものだったが、「時間分散」は、ある金融資産を購入する時期を分散することでリスクを軽減しようという考え方だ。

金融商品は、常にその価格が変動している。例えば2020年1月に購入した場合には1口10万円だったものが、2020年12月には20万円になることも考えられる。もし100万円でこの金融商品を購入しようとした場合、2020年1月時点では10口購入することができるが、2020年12月時点では5口しか購入できない。

金融商品を購入しようとした時点で、その後、その金融商品が値上がりするか値下がりするかについては、確定的なことは誰にも分からないのが投資の世界だ。こうした不確実性に備える手法として活用されているのが「時間分散」である。

具体的には、仮に100万円を投資するにしても一度に100万円分の金融商品を購入するのではなく、10万円ずつ時期をずらしてその金融商品を購入するといったやり方だ。これによって購入できるその金融商品の口数が結果的に平準化され、極端に価格が低いときに一括購入してしまうというケースを防ぐことができる。

地域(通貨)分散:投資対象となる国・地域を分散するという考え方

金融商品にはさまざまな種類がある。株式や債券などによる分類のほか、投資対象となる地域によっても違いが生まれてくる。具体的には「国内株式」と「外国株式」、「国内債券」と「海外債券」といった具合だ。外国株式の場合はさらに国や地域によって細分化される。

こうした投資対象となる地域が異なる金融商品を複数所有するという考え方が「地域分散」である。

例えば、国単位で考えてみると各国で経済状況は異なり、経済成長率もそれぞれ固有の数字で推移していく。高成長を持続する国もあれば、政変などによって経済状況が著しく悪化する国もある。そのため、ある1ヵ国を対象とした金融商品のみに投資をすると、思わぬ価格の急降下に見舞われる可能性がある。

しかし、こうしたリスクを回避するために投資対象地域が複数にまたがるように自らのポートフォリオを組み立てれば、ある1ヵ国におけるバブル的な価額の急上昇の恩恵は減るものの、ある1ヵ国における急降下のダメージを減らすことができる。

専門家に運用を任せる「投資信託」には先進国株式や新興国株式を対象としたものなどがあり、これらも複数の国の株式を対象にした分散投資と言える。

また似た考え方として複数の通貨で投資を行う「通貨分散」という考え方もある。当然のことだが、レートの変動は通貨によって異なる。そのため通貨分散を行うことで通貨レートの変動リスクを抑えることができるというわけだ。

改めて自分の投資方針を考えてみては

繰り返しになるが、投資にはリスクがつきものだ。

リターンとリスクの許容度は、個々人の資産状況によって異なるだろう。しかし、安定性と持続可能性を重視するのであればリスクを極力軽減したいもの。今回紹介した「3つの分散」の考え方に基づき、改めて自分の投資方針を考えてみてはいかがだろうか。