宝くじを購入すると、「10億円当たったら何を買おう?」などと捕らぬ狸の皮算用をしてしまう人も多いのではないだろうか。家を買う、世界一周の旅に出る、仕事を辞めるなど……億単位のお金が入ることを想像しながらアレコレと妄想するのは楽しいものだ。

現実的な目線で考えてみても長い人生のうちには数千万円の資金が必要になる。例えば、一般的に老後資金に約2,000万円、子ども1人当たりの教育費が約1,000万円、マイホームが約4,000万~5,000万円などといわれるが、10億円ものお金が入れば、これらの資金への不安は吹き飛ぶ。

年末に宝くじを買いワクワク・ドキドキしながら新年を迎えた人も多いと思うが、果たして良い夢を見られただろうか。

宝くじは夢のため?

宝くじ
(画像=PIXTA)

1等・前後賞を合わせて10億円と宝くじの当選金額がどんどん高額化し、当選金額は低めだが当選本数が多めのジャンボミニ宝くじが登場するなど、夢をますます膨らませてくれる最近の宝くじ。2019年末の宝くじは、ジャンボとジャンボミニを合わせて10万円以上の当選本数が10万9031本、1万円以上が161万5031本。こうアピールされれば「自分も当たるかも」と期待してしまうものだ。

一般財団法人日本宝くじ協会では各種くじの購入実態、認知状況および賞金額に関する意識などについて調査している。「第3回調査(平成30年)」によると今までに宝くじを買ったことがある人は88.7%とかなり多い。宝くじを買う理由を多い順に並べると以下のとおりだ。

宝くじを買う理由

・第1位:賞金目当て(72.5%)
・第2位:宝くじには大きな夢があるから(58.7%)
・第3位:当たっても当たらなくても楽しめるから(25.3%)
・第4位:(スクラッチのように)その場ですぐ当たりはずれがわかるから(18.6%)
・第5位:(数字選択式宝くじのように)自分の好きな数字を選ぶことができるから(15.6%)
・第6位:遊びのつもりで(15.3%)

この調査はスクラッチ式や数字選択式のくじも含めた宝くじの購入に関するものとなっている。そのため、当選金額の大小には触れていないが、「少しの出費で多額の利益を得たい」と考える人が多いようだ。一方、今までに宝くじを買ったことがないという人は11.3%であるが、これらの人が宝くじを買わない理由も見ておこう。

宝くじを買わない理由

・第1位:当たると思わない(78.3%)
・第2位:くじ運が弱い(30.8%)
・第3位:行列してまで買う気になれない、あるいは買うのが面倒(20.9%)
・第4位:売り場が分からない、あるいは近くに売り場がない(5.0%)

こうした回答を100人の人がいたと考えて、まとめてみよう。100人中約89人は宝くじを買い、約65人は当たることを狙っている。約11人は宝くじを買わず、そのうち約9人は当たると思わないから買わない。しかし、過半数にあたる約52人は、当たる・当たらないは別として宝くじを通して夢を買っているということになる。

宝くじを買うことの損得は?

たしかに宝くじは「夢」を買うものかもしれないが、当たらなければ買ったくじはただの紙切れになってしまう。1等の当選確率は天文学的に低い確率のため支出と収入(当選金)を比べるとマイナスになる人がほとんどだろう。

例えば、2019年末のジャンボ宝くじは1等の当選本数が23本であるが、発売総数は4億6000万本である。つまり1等に当たる確率は0.000005%となる計算だ。

賞金額が少なくても当選確率はやはり低い。ちなみに4等の10万円は当選本数が4万6000本だから当選確率は0.01%、5等の1万円は92万本だから0.2%と1%に満たない状況だ。じつは宝くじを販売した収益金のうち当選金として当選者に支払われる金額は50%に満たない。なぜなら、当せん金付証票法第5条で「当選金はその発売総額の5割に相当する額を超えてはならない」とあるからだ。

実際に、2018年度の宝くじ収益金の使い道を見ても当選金として支払われたのは46.5%である。

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出典:宝くじ公式サイト

それでも当選する人がいるのだからと、夢を見るのは自由だが、宝くじは「愚か者の税金」などと揶揄する声を聞くこともある。夢に損得はつけられないが、自分が買った宝くじ購入額の内訳を考えてみるといいかもしれない。仮に3,000円分購入した場合の内訳は以下のようになる。

・誰かへの当選金:1,395円分(46.5%)
・公共事業費:1,146円分(38.2%)
・販売手数料:420円分(14%)
・社会貢献広報費:39円分(1.3%)

誰かへの当選金は自分かもしれないし、まったく知らない誰かかもしれない。逆に知らない誰かの分が自分にやってくる可能性ももちろんある。しかし、その割合は先に見たとおり非常に低いのが現状だ。

夢は夢でも現実的な夢を見よう

仮に当選しなくても地方自治や公共事業に役立っていると思えば社会貢献と割り切ることもできる。しかし、前述したように大金が当たることを目的に宝くじを購入している人は多い。銀行預金で利息が期待できない現在の経済状況において、さまざまなライフイベントで必要となる数千万円のお金を準備するのは簡単なことではない。宝くじに夢をかけたくなる気持ちはよく分かる。

ただ、お金を増やすためならやはり現実的に考えるべきだろう。例えば、株式投資や投資信託など資産運用に目を向けてみるのもいいだろう。これらの投資商品は常に値動きするため元本割れのリスクもある。

しかし、仮に自分が期待する利回りが3%だとしたら、あるときは2%、あるときは-0.1%、またあるときは4%というように変動したとしても自分が目標とする地点までのトータルで3%を目指すことができればよく、期待値は宝くじよりは高い。

できるだけリスクを抑えつつ最大限の利益を期待するならバランス型の投資信託を購入するのもオススメだ。

「当たっても当たらなくても楽しめるから」という理由で宝くじを買う人もいるが、同じ夢を買うのであれば、これまで宝くじを買っていたお金の一部を投資信託購入に回してみてはいかがだろう。そうすれば億単位の金額は期待できなくても、お金が堅実に増えていく夢はかなえることもできるのではないだろうか。