年初になると話題になる米国株投資法のひとつが「ダウの犬投資法」です。

シンプルな投資法で個人投資家にも取り組みやすく、NYダウ30指数に何度もアウトパフォームしてきた投資法のひとつです。

2019年度はインデックスが大きく上昇し、S&P500が+31%、NYダウが+25%ほど上昇しました。

一方でダウの犬ポートフォリオは+19%で2019年は主要指数に比べアンダーパフォームしました。

上昇
(画像=Getty Images)

ダウの犬投資法も毎年インデックスに勝てる訳ではありません。

しかし継続することで長いスパンでインデックスを上回ることもあるため、1年単位で投資法をころころと変えるのはおすすめしません

ただ、日本のメディアではダウの犬投資法を紹介する際にスイッチングコストと税金についてあまり触れられていません。

2020年のダウの犬の構成銘柄と始める際の注意点についてご紹介します。

ダウの犬投資法は個人投資家でも取り組みやすい

ダウの犬投資法は年末年始にポートフォリオを入れ替えるため、年初に話題になりやすい投資法のひとつです。やり方は至ってシンプル。

  • STEP1:ダウ工業株30種の中で配当の高い銘柄を上から順に選ぶ。
  • STEP2:上から5〜10銘柄を均等に買ってポートフォリオを組む。
  • STEP3:配当金は再投資する
  • STEP4:年度末に銘柄を見直してリバランスする

単に高配当なだけの銘柄を選ぶと、

  • 株価が下がって見かけ上の配当利回りが高いだけ
  • 業績悪化で配当を維持できそうにもない銘柄

など問題のある銘柄を買ってしまいがちです。

しかしダウ工業株30に選ばれている銘柄は世界を代表するグローバル企業。

ダウ工業株30のフィルタリングが機能し、結果的に優良高配当銘柄でポートフォリオを構成できます。

米国のファンドマネージャー、マイケル・オヒギンズは、このシンプルな投資法で成功しました。

2020年度版のダウの犬構成銘柄は?

2020年度版のダウの犬構成銘柄は、上から順に以下のようになります。

配当利回りは記事執筆時点になります。

  • ダウ・ケミカル(NYSE:DOW)(化学工業メーカー)5.12%
  • エクソンモービル(NYSE:XOM)(エネルギー)4.99%
  • アイビーエム(NYSE:IBM)(コンピュータ関連、IT)4.83%
  • ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)(通信)4.01%
  • シェブロン(NYSE:CVX)(エネルギー)3.95%
  • ファイザー(NYSE:PEE)(医療関連)3.88%
  • スリーエム(NYSE:MMM)(電子、電気通信、工業、オフィス製品など多角経営)3.26%
  • ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(NYSE:WBA)(生活必需品)3.10%
  • シスコシステムズ(NASDAQ:CSCO)(コンピュータネットワーク)2.94%
  • コカ・コーラ(NYSE:KO)(飲料・一般消費財)2.89%

ダウの犬投資法をするなら上から5〜10銘柄を均等に買えば後は特にすることもありません。

忙しい個人投資家にも取り組みやすいシンプルな投資法です。

日本でダウの犬投資法はスイッチングコストに注意

ダウの犬投資法はNYダウ30指数に何度もアウトパフォームしている優れた投資法のひとつです。

一般的なメディアのダウの犬投資法の紹介では最後に「試してみてはいかがでしょうか?」と締めくくられています。

しかし日本に居住している一般的な個人投資家はスイッチングコストに注意が必要です。

米国株の取引手数料も下がってきたし、スイッチングコストはそんなにかからないのでは?と考える人もいるかもしれません。

確かに銘柄を組み換えする際の取引手数料はそこまでかかりません。

問題はキャピタルゲインにかかる約20%の税金です。

ダウの犬投資法のポートフォリオを組み替えるときにキャピタルゲインが発生した場合、約20%の税負担があることを忘れてはいけません。

例えばNYダウ工業株の値動きに連動しているETFならば、自分で銘柄を組みかえる必要はありません。

しかし自分でダウの犬投資法を再現しようとする場合、税金のスイッチングコストが大きいのです。

シンプルに考えてみましょう。

インデックスファンドの含み益が年間に100USDプラスになったとします。

インデックスファンドなら自分で銘柄をリバランスせずとも、自動的にリバランスされます。

しかも自分で利益確定をするわけではないため、リバランスによるキャピタルゲインは発生しません。

しかしダウの犬投資法を自分で再現するとなると含み益が120USDプラスになっても、銘柄を全てキャピタルゲインが出ている状態で組み直さなければいけない場合、税引き後は96USDになります。(かなり話は単純化していますが)

分かりやすく言えばダウの犬投資法をする場合、毎年、税引きされながらインデックスにアウトパフォームできるかどうかが問題になります。

ダウの犬投資法はNISA枠内で行うのがおすすめ

ダウの犬投資法をNISA口座の枠の中で行うなら非課税の恩恵を受けることができます。

NISA枠におさまる程度の運用資金でダウの犬投資法をするなら、NISA口座で取引することをおすすめします。

幸い米国の個別株投資でもマネックス証券、SBI証券、楽天証券、DMM.com証券ならばNISA口座で取引が可能です。

高配当ETFなら割高なスイッチングコストを抑えられる

高配当銘柄のポートフォリオで投資をするならダウの犬以外にも便利なETFがあります。

例えば以下のようなETFが有名です。

  • VYM:バンガード・米国高配当株式ETF
  • SPDR:ポートフォリオS &P500高配当株式ETF
  • DVY :iシェアーズ好配当株式ETF
  • HDV:iシェアーズ高配当株ETF
  • JXI:i シェアーズグローバル公益事業ETF

ちなみに好配当というのは、過去の配当が高いだけでなく、今後の配当が好ましいと予測できる銘柄のことです。

高配当と好配当は紛らわしいので注意してください。

ETFならばダウの犬投資法のように自分でリバランスをする必要もありません。

つまりキャピタルゲインによる課税を毎年する必要がないため個人投資家に有利です。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は記事内で言及されている銘柄を保有しています。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。