稼げば稼ぐほど年金受給金額が減額される在職老齢年金制度が変わろうとしています。働く意欲のあるシニアが、年金額を気にして仕事をセーブすることなく能力を十分に発揮できるよう整備されます。そのポイントとなる「在職定時改定」について解説します。

在職老齢年金とは?

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(画像=PIXTA)

在職老齢年金とは、70歳未満の人が厚生年金保険に加入しながら働いている場合や、70歳以上の人が厚生年金保険のある会社で働いている場合、収入額が多いと年金が減額される制度です。減額されるのは、厚生年金保険部分のみで国民年金部分は減額されません。

60歳代前半の人の場合、1ヵ月あたりの収入と年金の合計が28万円(2019年度)を超えると、超えた額の2分の1相当額の年金が支給されなくなります。手続きをすると、65歳時に年金額が再計算されます。

65歳以上になっても厚生年金保険の加入者として働き続けた場合には、1ヵ月あたりの収入と年金の合計が47万円(2019年度)を超えると、超えた額の2分の1相当額の年金が支給されなくなります。

「退職時改定」と「在職定時改定」の違いについて

65歳を過ぎても働き続けた場合、70歳もしくは退職するまで年金額を再計算することはありません。この70歳もしくは退職時に再計算することを「退職時改定」といいます。厚生年金保険に加入しながら働いた65歳から70歳までの5年分の増額分を受け取るのは70歳もしくは退職したときとなります。

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(※厚生労働省「第12回社会保障審議会年金部会資料」を元に筆者作成)

現状の制度が変更になると、65歳から70歳まで年金額を1年に1回、再計算することで、働きながら同時に受け取る年金額を増やすことができます。この1年に1回再計算することを「在職定時改定」といいます。1年に1回計算をすることで、早期に年金額が反映されるようになります。

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(※厚生労働省「第12回社会保障審議会年金部会資料」を元に筆者作成)

働く意欲があるシニアが「働き損」にならないためには

働きながら年金を増やすには「基準額(支給停止調整変更額)」も見直す必要があります。仮に70歳から75歳まで厚生年金保険の加入期間を延長した場合、段階的に年金が増えても、収入を減らさなければ年金が減額されてしまうからです。

年金の繰下げ支給について、上限を現行の70歳から75歳まで引き上げた場合も同様です。基準額を引き上げないかぎり、収入を減らすか、「働き損」とも言える年金の減額を覚悟して働き続けるかを選ばなければなりません。人生100年時代の中で、働く意欲のあるシニアを後押しするには、時代に合った制度の見直しも必要になってくるでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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