モトリーフール米国本社、2020年1月26日投稿記事より

中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎が発生し、その感染が世界各地に広がる中、米国内でも今後起こりうる状況に懸念が高まっています。

その中で投資家は、現状打破に一役買いそうな医薬品開発企業を物色しています。

注目すべき銘柄は次の5つです。

医療,研究
(画像=Getty Images)

1. バイオクリスト・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:BCRX)

バイオクリスト・ファーマシューティカルズの株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、先週一時的に急伸しました。

同社が唯一、米食品医薬品局(FDA)から承認を受けている医薬品は抗インフルエンザ薬のラピバブ(ぺラミビル)ですが、現在、新型コロナウイルス向けにガリデシビルと呼ばれる薬の第1相臨床試験を行っています。

2. ギリアド・サイエンシズ(NASDAQ:GILD)

特にC型肝炎とHIVの抗ウイルス剤開発で知られるギリアド・サイエンシズは、世界的なバイオ医薬品大手で、毎年この分野で大きな利益を上げ続けています。

同社は現在、エボラ出血熱およびマールブルグ出血熱の治療薬として知られるレムデシビルを、新型コロナウイルスの抗ウイルス剤として使用できないか、臨床研究に着手することを検討しています。

ロイター通信は先週、ギリアドがこの件で中国および米国の研究者と話し合いを進めていると報じました。

3. イノビオ・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:INO)

イノビオは、感染症治療薬の開発を手掛けるバイオ医薬品メーカーです。

同社にはまだ承認を得た医薬品はありませんが、子宮頸がんを引き起こすとされるヒトパピローマウイルス(HPV)向けのDNAワクチンの臨床プログラムである「VGX-3100」が進行しており、最終段階の臨床結果を2020年後半に発表する予定です。

イノビオは、新型コロナウイルスのワクチン開発に対し、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI、ワクチン開発促進を目的としダボス会議で発足した、官民連携パートナーシップ)から最大900万ドルの助成金を受けたことが明らかになり、先週、株価は急伸しました。

4. モデルナ(NASDAQ:MRNA)

モデルナも、イノビオと同様にCEPIから新型コロナウイルスのワクチン開発向けに助成金を受け、注目を集めています。

同社は現在、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)によりウイルス感染を防止あるいはコントロールするワクチン候補5つの臨床試験に取り組んでいます。

同社は、自身のmRNAによるアプローチについて、「より強力な免疫応答を刺激することができる」ことから、急激なパンデミックの脅威に対し迅速なワクチン開発を可能にすると考えています。

5. ノババックス(NASDAQ:NVAX)

ノババックスは、新型コロナウイルス向けワクチン開発に取り組んでいると発表したことで、先週株価が30%と大幅上昇しました。

同社は一部の開発資源を新型コロナウイルス向けにシフトする一方で、抗インフルエンザワクチンである「ナノフル」の第3相臨床試験の結果を今年第1四半期中に発表する予定です。

パニックに振り回され将来性を見誤るのは厳禁

新型肺炎の脅威が今後さらに高まった場合には、これらのバイオ医薬品銘柄はさらに上昇する可能性がありますが、一時的なパニックと企業の将来性を混同するのは誤りです。

ワクチンや治療薬を開発し実用化するまでには、多くの手順と時間を要します。成功が保証されているわけでもありません。

エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)、ジカ熱など、過去にウイルス感染が大きな脅威となった例を見ても、一部のバイオ医薬品企業の株価が上昇したものの、一時的なものに過ぎませんでした。

死者が出るようなケースでは特に、初期の段階でパンデミックに対する過剰な恐れにあおられがちです。

バイオ医薬品銘柄であれば、株価の長期的な伸びを左右するのはその企業の主要な開発パイプライン(新薬候補)や(バイオクリストやギリアドの場合は)現在既に承認済みの医薬品ですから、むしろそこに注目するのが賢明と言えます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Speightsは、ギリアド・サイエンシズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ギリアド・サイエンシズ株を保有し、推奨しています。