モトリーフール米国本社、2020年1月22日投稿記事より

マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)は2017年、「複合現実」ヘッドセットと呼ぶ製品を発売し、仮想現実(VR)業界に参入しました。

しかし、マイクロソフトの製品は故障しがちで、フェイスブック(NASDAQ:FB)の「オキュラス」やHTCの「バイブ」の方が優れていました。

それ以来、マイクロソフトはVRのアップグレードやサポートをほとんどせず、VR事業は市場で苦戦しています。

同社のゲーム機「Xbox」の責任者であるフィル・スペンサー氏は、Xbox向けVRの導入を否定し、「誰もVRを求めていない」と発言しました。

一方、マイクロソフトはVRの関連技術である拡張現実(AR)に投資しています。それこそ顧客が求めているものです。

機会,詳細
(画像=Getty Images)

ARに賭けるマイクロソフト

VR・AR業界は急成長しています。

市場調査会社のIDCによれば、2020年の成長率は79%に上り、市場規模は188億ドルになる見込みです。

成長の主な要因は、消費者向け製品ではなく法人向けのアプリケーションです。

そのため、マイクロソフトは、法人向けソリューションにARのビジネスチャンスがあるとみています。

マイクロソフトのARヘッドセット「ホロレンズ2」の価格は3,500ドルで、消費者向けではありません。

その代わり、研修、メンテナンスや商品設計などの業務用に使われることを想定しています。

こうした分野では、ヘッドセットやそのソフトウェアに数百万ドルの価値があるとみなされる場合があります。

従って、400ドルの「オキュラス クエスト」より高くても構わないのです。

しかし、価格が高い製品はあまり売れません。

オキュラスが2019年に100万台以上売れたとみられる一方、マイクロソフトは2018年半ばに、ホロレンズの販売台数がわずか約5万台だったと発表しました。

とはいえ、ホロレンズはオキュラス クエストの約10倍の価格なので、利益率もオキュラスより高くなるでしょう。

現在、マイクロソフトはARヘッドセット市場を支配しています。

しかし、フェイスブックとアップル(NASDAQ:AAPL)もARヘッドセットを開発中であると言われています。

そのため、今後数年でAR業界のプレーヤーは増える可能性があります。

現在の市場環境を踏まえると、新規参入企業は消費者向け製品を投入するのが合理的でしょう。

従って、マイクロソフトは当面、法人向けARを独占できるかもしれません。

ARハードウェアはマイクロソフト製ソフトの拡張端末

ホロレンズのARの用途(建築デザイン、メンテナンス、医療など)は、顧客がウィンドウズのコンピューターで実施していることの延長線上にあります。

ホロレンズは、コンピューター上で起きていることを視覚化するツールにすぎないのです。

従って、マイクロソフトは、法人ユーザーや外部のソフトウェア開発者に価値を提供する上で絶好の立場にあります。

マイクロソフトによるARの見方は、アップルやフェイスブックとは根本的に違うものとなるでしょう。

こうした企業の市場は、ホロレンズがターゲットとする市場とは異なっています。

消費者向け市場と比べれば、法人向け市場の方が高価格の製品を販売できるのは明らかです。

マイクロソフトはARの分野で好調なスタートを切った

大手ハイテク企業はいずれもVRとARに注目していますが、利益を上げている企業や、大きな市場シェアを獲得している企業は少数です。

マイクロソフトが3,500ドルで販売するホロレンズ2は、比較的小さい市場を狙っています。

しかし、こうした市場こそARが価値を持つ場所です。

マイクロソフトは、小規模ながらも収益性が高い事業を築くことができるかもしれません。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。Randi Zuckerbergは、フェイスブックのマーケティング開発部の元ディレクターおよび元スポークスウーマンであり、マーク・ザッカーバーグCEOの姉です。Randiはモトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Travis Hoiumは、アップル株、小型VRスタートアップ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アップル株、フェイスブック株、マイクロソフト株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株に関するオプションを保有しています(2021年1月の85ドルのロング・コール、2021年1月の115ドルのショート・コール)。