日本語では「上場取引型金融商品」と呼ばれるETPという商品があります。

ETPはETFなどに比べるとあまり聞きなれない言葉です。

そこでETPの特徴やETFなど他の商品とはどのように異なるのかについてお伝えしていきます。

解説
(画像=Getty Images)

ETPとは何か?ETFとの違い

ETPとは、「Exchange Traded Products」という英語表記の略称のことです。

日本語では、「上場取引型金融商品」という呼称となっています。

ただ、日本国内でも上場取引型金融商品という呼称よりはETPとして紹介されることのほうが多くなっています。

ETPは各国の証券市場で日々取引されている金融商品で、株式やコモディティー、金利、通貨などに連動しています。

また、2019年4月にはスイスでビットコイン、リップル、イーサリアムといった仮想通貨に連動するETPも誕生しており、対象となる指数は拡大してきています。

ETPの特徴ですが、ETPの実態は良く耳にするETF(上場投資信託)に加えて、ETN(上場投資証券)とETC(上場投資コモディティ)を加えた3つの上場している金融商品の総称のことです。

つまり、ETFとの違いでいえば、「ETFはETPの一部」であり、全く別の商品ではなく、あくまでETPはETFを含めた同じ上場金融商品の総称にすぎないということになります。

ETPを構成する3つの商品ですが、まず良く耳にするETFは「Exchange Traded Fund」の略称で、S&P500やNYダウといった株式指数などに代表される様々なインデックスに連動する上場投資信託のことです。

ETNは「Exchange Traded Note」の略称で、ETFと同じように株式やコモディティーなどの指標に連動しますが、債務証券を発行する形で上場している金融商品になります。

また、ETC(上場投資コモディティ)は「Exchange Traded Commodity」の略称で、金や銀、原油など特定のコモディティーやコモディティーのインデックスに連動する金融商品です。

ETPは3つの金融商品から構成されると申し上げましたが、世界中のETPを占める運用残高(資産残高)のほとんどはETFとなっており、ETPイコールETFと言っても過言ではありません。

世界中から資金が集まり、伸び続けるETP(ETF)

以下のチャートを見るとETPとETFの合計残高が右肩上がりで急激に成長しているのがわかります。

世界各国の年金基金や保険会社といった機関投資家だけでなく、世界中の個人投資家からも非常に多くの投資マネーが現在進行形で集まってきています。

ただし、先ほどご紹介したように急激に伸びてきている資産残高のほとんどはETFです。

ETPとは何か?ETPの特徴をわかりやすく解説
(画像=出典:ETFGI)

チャートの出典元である英調査会社ETFGIによれば、ETPとETFの合計資産残高は2019年11月末時点で約6兆1,190億米ドル(約673兆円、1ドル=110円換算)となりました。

この資産残高は過去最高を記録するもので、特に2019年11月の1カ月間の資金流入は753億米ドル(約8.3兆円、1ドル=110円換算)と月次ベースの資金流入高では過去4番目に大きな流入高となっています。

このように好調な資金流入の要因としては、元々の特徴であるETFの透明性が高く、低コストで分散投資できる商品性があります。

また、それ以上に大きな要因なのが、好調な米国経済を背景にトランプ相場ともいえる絶好調な米国株式市場の勢いが維持されてきたためです。

これはNYダウなどの米国の代表的な株式指数が2019年を通じて過去最高を更新し続けたことからも明らかです。

さらにロボアドバイザー投資などの利用が世界中で増加している中で、その投資対象銘柄にETFが頻繁に組み込まれることも資金流入を後押ししてきたと言えるでしょう。

ETN(上場投資証券)の特徴

ETPの運用残高を占めるのがETFですので、ETNとETCの特徴についてはごく簡単にご紹介していきます。

ETNとは?

ETN(Exchange Traded Note、上場投資証券・指標連動証券)とは、ETFと同じようにS&P500種株価指数や日経平均株価などの特定の指数に連動する商品です。

名称にNote(債券)があるように債券の発行体である金融機関の信用力により、値動きが特定の指標に連動することを保証する債券というところが、実際の裏付けとなる株などの現物資産に投資するETFと大きく異なる点となっています。

ETNは株式やETFと同じように取引所で時間中はいつでも売買することができます。

ETNは欧州において「Listed Certificates」とも呼ばれています。

欧米の市場ではETFに次いで活発に取引されている上場商品です。

ETNのメリットや特長

ETNのメリットや特長ですが、ETFと異なり現物資産を保有しないために農産物など現物で保有しにくい対象指標や外国人規制がかけられている株式にも投資を可能にするというメリットがあります。

また、ETNの値動きはETFと異なり、対象となる指標との間で乖離(トラッキング・エラー)が生じません。

これは対象となる指標に対して償還価格が完全に連動するように発行体が保証しているためです。

ただし、実際の購入時においては売買の需給のバランスから対象となる指標の価格で購入できない場合もありますので注意が必要です。

ETNのリスク

ETNにも株式やETF同様にリスクがあります。

まず、ETFのように現物資産を持たずに発行体の金融機関の信用力をベースに発行される証券であるため、ひとたびその発行体の財務基盤が悪化したり、倒産などが起こるといった信用リスクがあります。

そのような場合にはETNの価格は急落したり、価値がなくなるという価格変動リスクや元本毀損リスクもあります。

また一定条件の下では早期償還のリスクもあります。

さらに取引量が少ない場合には見込まれる価格での売却処分が困難になるケースもあり、流動性リスクについては考慮しておく必要があります。

ETC(上場投資コモディティ)の特徴

次にETCについても簡単にその特徴やメリット・リスクについてお伝えしていきます。

ETCの特徴

ETC(上場投資コモディティー、Exchange Traded Commodity)は、原油(石油など)、貴金属(金・銀・プラチナなど)、穀物(大豆・とうもろこしなど)、非鉄金属(アルミ・銅など)など特定のコモディティーやその商品指数に連動して値が動く上場投資信託です。

ETCもETFやETNと全く同様にリアルタイムで取引時間中は売買可能です。

ETCが連動する先物は以下のような取引所で日々取引されているものになります。

  • CME GLOBEX(シカゴ・マーカンタイル取引所 / 電子取引)
  • ECBOT(シカゴ商品取引所 / 電子取引)
  • NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)
  • ICE-US(インターコンチネンタル取引所 – アメリカ)
  • LME(ロンドン金属取引所)

ETCのメリットや特長

ETCのメリットや特長としてまず挙げられるのが、その値動きの特徴から「リスク分散投資になる」ことです。

これはいわゆる伝統資産とも呼ばれる株や債券と異なる値動きをすることから、投資のポートフォリオの一部にETCを組み込むことで、高いリスク分散効果が得ることができます。

例えば、株価が不安定な場合には安全資産として金などに投資家の資金が逃げ込んできます。

そこで金の指数に連動するETCを組み込んでおくと、株価が下落した場合に反対の値動きをする金の相場が上がるので、リスク分散になるというわけです。

また、実質資産であるコモディティーはインフレ時に物価が上昇するとつられて上昇するという値動きの特徴があります。

例えば、商品市場全体の値動きを反映しているCBR指数(国際商品先物指数)は世界の物価指標、とりわけインフレ動向を示す先行指標として機能しているほどです。

ETCのデメリットやリスク

ETCのデメリットとしては配当などのインカムゲインが得られないことです。

これは原油や金、穀物などの実物資産を保有しているため、株式の配当金や債券の利息が発生しないことが理由となります。

つまり、ETCへの投資から得られるのは、キャピタルゲインのみになってしまうということです。

また、株や債券よりも市場が小さいために取引ボリュームもおのずと小さくなり、価格変動リスクやボラティリティが必然的に高くなります。

例えば、コモディティー-市場で最大となるWTI原油指数でもS&P500先物のおよそ3分の1程度の取引高です。

この価格変動リスクについては、自然災害や気象の変化などの影響が値動きに大きく影響してきます。

同様に原油や天然ガスは地政学リスクの大きい中東が世界の中心となる産地ですので、テロや紛争などが起こるとすぐに急落するなど相場に悪影響を及ぼします。

サウジアラビアなど主要産油国で構成される石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量や原油在庫量などの経済指標も値動きに大きな影響を与えています。

まとめ

今回はETPの特徴やETPを構成する各金融商品についてお伝えしてきました。

ETPとは結局、ETFとETN、ETCの総称であることがわかりました。

その中でもETFは世界中で取引が拡大しており、最近では仮想通貨のETPやETFが誕生しています。

今後もますますその投資対象を広げ、重要な金融商品として発展していくことになるでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


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