モトリーフール米国本社、2020年2月3日投稿記事より

ゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)の2019年度第4四半期の決算発表日に、同社の株価は10%を上回る伸びを示しましたが、何が起きているのでしょうか?

この状況は2020年も続くのでしょうか?

株価
(画像=Getty Images)

キャッシュフローがカギ

同銘柄が強気か弱気か、という議論をするうえで、同社のインダストリアル部門のフリーキャッシュフロー(FCF)が重要なポイントとなります。

弱気派の根拠としては、同社のFCFが低迷していること、そしてその理由をGEのような複合企業は景気変動による各事業の利益やキャッシュフローへの影響が大きいこととしています。

また、同社の株価FCF倍率を、ユナイテッド・テクノロジーズ(NYSE:UTX)、シーメンス(FWB:SIE)、ハネウェル(NYSE:HON)といった同業他社と比較すると、GE株は非常に割高という点も挙げられます。

一方で、強気派は、GEは回復傾向にあり、FCFは将来的に著しく改善することを根拠としています。

いずれにせよ、短期および長期のFCFは株を評価するうえで非常に重要です。

GEに関する良いニュース

ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)が就任した際に、FCFの予想値をわざと低く見積もったのではないか、という疑惑の真偽は不明ですが、同社が当初の業績予想を簡単に上振れしたのは確かです。

同社の2019年通年のFCF見通しと最近発表された2020年の同見通しを見てみましょう。

まずは調整を加えていない公表値を見てみましょう。

2019年通年の公表FCF23億ドルは、2019年3月公表の当初見通しマイナス20億~0ドルや同年10月公表の修正見通し0~20億ドルを大幅に上回りました。

さらに、現時点での2020年通年のFCF見通し20億~40億ドルは2019年の公表実績値23億ドルから明らかに改善しています。

実質的なFCFはさらによい

次に公表値に調整を加え、実質的な数値を見てみましょう。

まず、2019年の公表実績値23億ドルから始めると、GEは仏企業との合弁会社で航空機エンジン「LEAP」を製造していますが、2019年中に起きたボーイング社の新型機737MAXの運航停止とそれに続く生産の一時停止によりLEAPが減産となり、GEのFCFに14億ドルのマイナスの影響を及ぼしました。

これは、2019年3月の当初見通し発表時には経営陣も予想できなかったことです。

つまり、非定常的な要因を控除した基準に基づけば、2019年のFCFは37億ドルとみなしてよいでしょう。

これは当初見通しの中央値マイナス10億ドルを大きく上回っています。

また、2020年の見通しは、2019年のFCFの公表値から比較するよりも、さらに大きく伸びていることを示しています。

なぜならば、GEは2020年初めにバイオ医薬事業を売却、さらに同年中に油田サービス会社ベーカーヒューズの持ち株を段階的に売却する予定だからです。

2019年の公表実績値にはバイオ医薬事業からのFCF13億ドルとベーカーヒューズ株の配当3億 5千万ドルが含まれています。

これらの数値を整理すると、2019年の公表実績値23億ドルから2020年のFCFには含まれなくなるバイオ医薬事業FCFとベーカーヒューズ株の配当を控除し、737MAXによるマイナスの影響14億ドルを足し戻します。

その結果、2019年の実質的なFCFは20億5千万ドルになります。

また、GEの2020年通年のFCF見通し20~40億ドルは、737MAXが2020年半ばまで運航再開されないことを想定しています。

もし全面的に737MAXの生産が行われた場合は、2020年通年のFCFは、現在の見通しや2019年の実質的なFCF20億5千万ドルを大幅に上回るもようです。

GEを評価する

現時点では737MAXの運航や生産の見通しは不透明ですが、本件による2019年のマイナス影響は14億ドルだったという事実に基づくと、737MAXが全面的に生産を続行した場合、GEの2020年の実質的なFCFは現在の見通しの20~40億ドルを10~20億ドル上回る水準となる可能性があります。

また2021年には、電力部門のさらなる改善やLEAPエンジン増産からFCFの一層の伸びが見込まれます。

総括すると、2021年にGEが少なくとも50億ドルのFCFを創出することが想定され、現在の時価総額を基にすれば、株価FCF倍率はおおよそ22倍になる見込みです。

これは現在のハネウェルやUTXと同程度の数値です。

GEのFCFが今後数年間で大幅に拡大することは明白で、これが最近の同銘柄の株価高騰の理由です。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Lee Samathaは、ハネウェルインターナショナル株を保有しています。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。