株式投資やETFなどを利用した資産運用では、自分だけの判断で銘柄選定やポートフォリオを組むのが難しいと感じる方もたくさんいます。

資産運用についての相談を客観的な立場からアドバイスしてほしいという時に役立つのがIFAのサービスです。

そこで今回から前編と後編に分け、IFAについてあまり馴染みが無いという方も含め、IFAとは何か?受けられるサービスの内容やFPなど他のサービスとの違い、さらにIFAの選び方などについて様々な角度からお伝えしていきます。

尚、今回ご紹介するIFAはあくまで日本国内のIFAが中心となります。

海外のIFAについてはまた、別の機会にご紹介していきます。

商談成立
(画像=Getty Images)

IFAとは何か?

IFAとは「Independent Financial Advisor」のことで、日本では「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」などという名称でも呼ばれることがあります。

欧米ではIFAは個人の資産運用の良きアドバイザーとしてメジャーな存在ですが、日本国内ではまだ本格的に浸透しているとは言えません。

IFAは、特定の金融機関に所属せず、独立した立場で中立的に個人投資家に対して資産運用の助言をおこなうファイナンシャル・アドバイザーのことです。

顧客に対して投資経験やリスク許容度、資産運用の目的などをヒアリングした上で、その方にとって本当に必要な金融商品を推奨したり、ポートフォリオの組成やリバランスなどのアドバイスをおこないます。

日本国内でIFAとしての投資助言業務をおこなうには、金融庁にて「金融商品仲介業者」として登録する必要があり、2019年12月末の時点での登録者数は合計887の個人や法人となっています。

また、金融庁の登録とともに顧客に金融商品のあっせんなどをおこなうには日本証券業協会の「証券外務員」の資格取得と登録が必須です。

このような金融庁の登録や外務員資格のないアドバイザーによる商品の助言業務は基本的に違法ですので注意しましょう。

IFAの役割やIFAから受けられるサービス

それではIFAの役割やIFAが提供するサービスの内容についてお伝えしていきます。

具体的な資産運用のための商品選びやポートフォリオ構築などのサポート

IFAはまず顧客の資産運用の目的やリスク許容度を含めた投資経験などをヒアリングして顧客のニーズを判断します。

その結果を元に顧客の希望なども聞いた上で資産運用の対象となる金融商品を選定したり、ポートフォリオを構築して提案してくれます。

この場合、リスク分散効果が最大になるように商品の種類や投資額などからリスクウェイトを考慮しながら、顧客に運用商品の選び方をサポートしていきます。

提案内容に従って、顧客自らが商品の購入をする場合とIFAに完全に委任して購入サポートをしてもらう場合とに分かれます。

また、既に自分自身で投資を始めている顧客が運用の途中でサービス契約を締結する場合もあります。

このような場合にはその顧客の資産運用の目的や希望、ポートフォリオの各商品のリスクや分散効果の有無などをベースに既存のポートフォリオについて診断します。

その結果から売却処分すべきなのか、あるいはホールドすべきかのアドバイスをしてくれます。

資産運用開始後の運用状況やマーケット状況の報告

資産運用が始まってからは定期的に運用状況についての報告やマーケット環境などについての説明が受けられます。

報告については直接アポイントを取って面談による場合や遠方の場合などは電話やインターネットで済ませるというところもあります。

また、サービス内容によっては商品選びだけで。その後のフォローアップのためのサポートは別料金だったり、不要であれば選択しないということもあります。

運用状況の報告の際にはマーケット環境に応じた運用商品の今後の見通しについて伝えられます。

また、顧客からマーケットや商品に関する質問や資金計画の変更(一部解約して教育資金に回すなど)があれば相談に応じてくれます。

運用内容の見直しやリバランスなどのポートフォリオの管理

運用開始からしばらくすると相場環境の変化によって、パフォーマンスが伸びる商品とそうでない商品が出てきます。

この場合、リスク分散の観点から伸びた商品を売却したり、その資金で既存の商品の買い増しや別の商品の購入といったリバランス(組み換え)の相談に応じてくれます。

リバランスについては先ほどの定期的な報告の際に提案される場合やマーケット環境が大きく変わりそうな節目の段階で顧客宛てに打診されたりします。

発注や解約などの手続きサポート

IFAによっては顧客に提案された商品の発注や解約、解約後の送金などの手続きを運用先の金融機関に指示してくれるような代行サービスをおこなうところもあります。

資産運用やお金に関する知識の啓蒙

IFAの相談内容には具体的な商品の選び方など資産運用だけでなく、お金全般に関する知識を伝えたり、アドバイスしてくれます。

例えば、「老後に必要な資金」「リスクとリターンの関係や考え方」「積立投資のリスク分散効果やドルコスト平均法の考え方」「毎月分配型商品の欠点や複利効果・税金との関係」などです。

長期運用について個人投資家が知っておくべき知識を知らしめてくれるのがIFAの存在となります。

このようなサービスはサービス内容に含まれていたり、FPのように時間制でサービス料金が別に発生するものがあります。

証券会社や銀行のIFAや営業担当者との違いは?

証券会社や銀行、生保会社などにもIFAと名乗る営業担当者がいます。

しかし、基本的に資産運用で選定され、推奨される商品は所属している金融機関で販売されている商品のみとなります。

たとえ海外のブラックロックやフィデリティ―、日本のニッセイなどその金融機関以外の商品であっても、その商品に販売手数料を乗せているために割高な商品が勧められることになります。

このような既存の金融機関では、これまで個々の投資家の立場から金融商品を勧めるのではなく、その金融機関が販売した商品を勧めるというスタンスで顧客に接してきました。

そのため必ずしも顧客のニーズやリスク許容度などに必ずしもマッチしていない商品が売られることも頻繁に起きてきています。

また、金融機関の窓口などで販売された商品を最終的にどのタイミングで売却するのかといった「投資の出口」のアドバイスが受けられないというデメリットがあります。

さらにひどい営業担当者や窓口になると、別の商品を売りつけたいがためにその顧客の保有している商品の売却を売却に適切なタイミングでもないのに勧めるケースも見られました。

この点においてIFAは特定の金融機関への縛りがないため、顧客にとってベストな商品で組成したポートフォリオを組成して勧めたり、出口戦略を含めたリバランスや売却に対する助言をおこなうことができます。

IFAとFPやプライベートバンクとの違いは?

IFAに類似するサービスを提供しているのが、通称FPと呼ばれているファイナンシャル・プランナーとプライベートバンクです。

FPやプライベートバンクがIFAとどのように違うのかについて解説していきます。

IFAとFPとの違い

ファイナンシャル・プランナーは頻繁にファイナンシャル・アドバイザーと混同されますが、そのサービスの範囲は重なる部分と大きく異なる点があります。

FPには金融機関に所属する企業内FPと独立して個人事業主や法人という形態で営業しているFPに分かれます。

ここでは比較の意味で、独立した形態で営業しているFPを対象に比較し、いくつかポイントを絞ってお話していきます。

まず、サービス内容が重なっているのは、共に個人の資産運用やお金の悩みについての相談に応じてくれる点です。

現役時代から自分年金を準備したり、子供の将来の教育資金などに備えるかなど顧客のライフプランに応じてどのように資産運用をおこなっていけばいいのかについて詳しくアドバイスしてくれます。

反対に異なる点としては、FPのほうは家計の相談から住宅ローン、保険商品、年金、相続と幅広い範囲について総合的にアドバイスをしてくれる点です。

お金に関するアドバイスといっても、ライフステージに応じてその内容は不動産や保険商品の購入から相続・贈与など様変わりしていきます。

FPはそのような各ステージで必要なアドバイスをしてくれる存在です。

ただし、個別具体的な税金の助言は税理士法違反になりますので、対象外となります。

そのような場合には提携している税理士などを紹介してくれることがほとんどです。

反対にIFAには可能なものの、FPにできないサービス内容が「金融商品の選定」や「運用商品の売買タイミング」など資産運用の具体的なアドバイスになります。

例えば、FPは資産運用の大切さについてはアドバイスできても、顧客の収入や資産内容、投資経験などを踏まえて「何にどのように投資すればいいのか?」といった具体的な相談業務には対応できません。

その理由としては大きく2つ挙げられます。

一つ目の理由としてはFPの多くが、生命保険会社や不動産会社などのバックグラウンドの人が多く、運用型の金融商品の知識や関連する顧客サービスに精通していないからです。

このようなアドバイスをするにはマーケット分析やデリバティブなどそれなりの専門性の高い金融知識と経験が必要になってきます。

運用担当者としての経験や知識までは必要ありませんが、商品の仕組みや投資全般に関して助言できるほどの経験と知識が必要になり、多くのFPがその対象外となっています。

また2つ目の理由としては先ほどお伝えした金融庁における金融商品仲介業者の登録や証券外務員の資格・登録をしていないことが多く、助言業自体ができないからです。

尚、FPの中にはIFAを兼業しており、そのような人の場合には問題なく対応可能です。

また、欧米のIFAの場合は後述する資産運用の具体的なアドバイスに加え、日本のFPのように総合的なアドバイスをしてくれるところもあります。

IFAとプライベートバンクとの違い

IFAはプライベートバンクに所属するプライベートバンカーとも業務内容が類似する点があります。

欧米におけるプライベートバンクの歴史は古く、現在もUBSやCitiバンク、HSBC銀行など大手のプライベートバンクは数多く存在しています。

プライベートバンクの業務はIFAと同様に具体的な資産運用に関するアドバイスに加え、FPのように不動産購入や相続対策などの知識を有し、様々な相談にも応じてくれます。

ただし、IFAと決定的に異なるのが、サービスを提供してくれる顧客の属性や資産規模です。

プライベートバンクが対象としている顧客はいわゆる富裕層と呼ばれる人達となり、顧客の資産規模に関わらず広く対応してくれるIFAと異なります。

プライベートバンクで対象としている顧客については、日本国内のプライベートバンクの場合で流動資産1億円以上、海外では日本円換算でおよそ3億円以上とされています。

この流動資産とは、不動産などの固定資産を除き、すぐに資金化できる現預金や株・債券のことです。

また、資産運用の対象となる商品も富裕層に合わせているため、IFAとは大きく異なります。

日本国内のIFAが主に株式やETF、投資信託を対象にポートフォリオを組むようなアドバイスを行なっているのに対し、プライベートバンクの場合はPEファンド、ヘッジファンド、コモディテイ、デリバティブ商品(多くは仕組債など)といったオルタナティブ投資商品のウェイトが高くなります。

毎月1万円の積立商品も対象としているIFAのほうがより身近な存在ということが言えるでしょう。

まとめ

今回は前編ということで、IFAから受けられるサービスの内容や他の金融機関のIFAやFP、プライベートバンクとの違いについてお伝えしてきました。

後編では良いIFAを選ぶためのポイントについてお伝えしていきます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。