モトリーフール米国本社、2020年1月26日投稿記事より

バイオ医薬品大手のうち高配当の上位2銘柄はアムジェン(NASDAQ:AMGN)とギリアド・サイエンシズ(NASDAQ:GILD)で、配当利回りは前者が2.7%、後者は4%ちょうどです。

いずれの企業もこれまでの配当支払いに何ら問題はありませんでしたが、将来的に必ずしもこの状況が続くわけではありません。

今後、安全性のより高い配当を行うのはどちらの企業でしょうか。

バイオ
(画像=Getty Images)

指標の数値を比べる

配当性向は、企業が当期利益のうち配当の支払いに充てる割合を示し、配当の健全性を評価する最も重要な指標の一つです。

アムジェンは43.6%で、利益の範囲内で問題なく配当を支払うことができるということを示しています。

一方、ギリアドは116%で、配当の支払いが利益を上回っています。

ただし、この数値の背景には、同社がバイオテク企業ガラパゴス(NASDAQ:GLPG)との提携拡大に関し、契約の一環として多額の資金を前払いしたため、第3四半期(Q3)に純損失を計上したことがあります。

それ以前のギリアドの配当性向は52%でした。

これはアムジェンよりもやや高い数値ですが、極めて健全な水準といえます。

今後の見通し

さらにより重要な数値としてキャッシュフローが挙げられます。

たとえ利益水準が低くても、十分なキャッシュフローがあれば、配当プログラムの原資とすることが可能です。

過去12か月間のアムジェンの営業キャッシュフローは98億ドル、フリーキャッシュフローは64億ドルでした。

同期間、ギリアドはそれぞれ89億ドル、33億ドルでした。

アムジェンは毎四半期、ギリアドよりもやや多くの配当を行っていますが(Q3はアムジェンが26億ドルに対して、ギリアドは24億ドル)、十分なキャッシュフローがあれば、配当資金の手当てがより柔軟に行えます。

ただし、長期的に見れば、医薬品を取り巻く環境の変化によりキャッシュフローは変動します。

アムジェンの売れ筋の医薬品のうちいくつかは、熾烈な競争を背景に売り上げの減少が続いています。

一方、ギリアドは抗HIV薬や関節リウマチ等治療薬が今後より強いキャッシュフローを創出する段階に入っています。

ウォールストリートのアナリスト達の業績予想によれば、アムジェンは今後5年間、平均で年率8%近くの増益になる見通しです。

同社の新薬である偏頭痛薬エイモビグや乾癬治療薬オテズラ(ブリストル・マイヤーズスクイブ(NYSE:BMY)が買収したセルジーン社から同薬の全世界における権利を獲得)などが収益を押し上げる見込みです。

ギリアドに関しては、今後5年間で増益基調に戻るものの年率2%以下、とアナリストは予想しています。

より安全性の高い配当を行うのは

私の見解ではアムジェン、ギリアドともに手堅い配当株で、いずれも配当支払いに問題が生じるとは思いません。

しかし、配当の安全性という観点のみでどちらかを選ぶとすれば、低い配当性向と高水準のキャッシュフローを理由にアムジェンを選びます。

ギリアドは今後、関節リウマチ治療薬やC型肝炎治療薬に規制当局の承認がおり、売り上げがより安定すれば、アナリスト予想を超える可能性がありますし、同社は今後もアムジェンより高い配当利回りを提供し続けるでしょう。

しかし、高い配当利回りが安全性の高い配当というわけではなく、安全性の観点ではやはりアムジェンに軍配があるとみています。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Speightsは、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ株、ギリアド・サイエンシズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ株、ギリアド・サイエンシズ株を保有し、推奨しています。