皆様は自分が行っている投資について、「未来のシナリオ」をお持ちでしょうか?

投資において過去を参考にすることは重要なことですが、保有している銘柄、投資している国などに対し、様々な「未来のシナリオ」を考えることも非常に重要です。

投資をする上であまり意識していなくても、いくつも考えられる「未来のシナリオ」の中から、信じられると思うシナリオを自然と選択し、自分の投資手法に反映しているはずです。

ここでいう「未来」が10年後なのか、20年後なのか…それは人により異なるかもしれませんし、誰も未来を正確に予測することはできないかもしれません。

果たして過去を繰り返すのか?それとも未来は変革するのか?

今回は、いくつかの投資対象について、「未来のシナリオ」を考えていきたいと思います。

スケジュール
(画像=Getty Images)

米国株インデックス投資のシナリオ

S&P500などの米国株インデックスに投資している方は、これからも米国が世界の覇権国であり米国の企業が成長し続けることを信じていると思います。

この信じ方にもある程度の幅はあり、中国やインドなど新興国が台頭する中で成長率は落ちたとしても、ゆるやかに成長自体はし続ける、という考え方や、これらの国を差し置いて今後も米国が力強い成長を続ける、という考え方があるでしょう。

インデックス投資に偏重する場合は、個別株投資による極端なリスクを避けながらインデックスにより市場平均を追いかけ、米国の経済成長の恩恵を受けることを期待しているでしょう。

個別株と併用する場合も、米国の成長を信じるならば確実で安定したリターン源としてポートフォリオに加えていると思います。

これらの根拠として、米国には創造的な企業も多くあること、世界経済の覇権国であるならば世界経済の成長と共に米国自身も成長していくと考えられること、さらには人口増加国で今後も労働力、消費が安定していくとこと、新興国と比べ法律や制度面でも安定していることが挙げられます。

少なくとも、米国株のインデックスに投資をしながら、米国が社会主義の国となり「オープンな市場でなくなる」ことや、世界の中心から脱落し、日本やドイツのような少子高齢化の中で衰退していく国になってしまう可能性は、あまり考えていないでしょう。

全世界株インデックス投資のシナリオ

全世界株インデックスに投資している方は、世界経済は成長し続けることを信じていると思います。

思い描くシナリオはそれだけで十分で、例えば「今後は米国一強かもしれないし、中国やインドなどその他の国も追いつく、あるいは追い抜く可能性も否定できない」と考え「予想できない未来」に幅広く対応するために全世界株を選択する人もいれば、「そもそも予想できないから考えるだけ無駄」と、最も情報収集の必要性がなく、投資の管理に手間がかからない手段として選択している方もいるでしょう。

しかしどちらも世界経済の成長が勝利の条件になっていることは変わりません。

現時点では、全世界株インデックスは比率の半分以上を米国株が占めているため、米国が衰退した場合には痛手を受けることになります。

しかしそれでも「予想できない範囲」に対して「持たざるリスク」を避けるためには最適な投資対象と言えるでしょう。

新興国インデックス投資のシナリオ

新興国インデックスに投資している方は、新興国の成長を信じていると思います。

新興国インデックスのウェイトが大きい場合には全世界株インデックス投資に対するシナリオ以上に「米国の衰退」を懸念したり、「中国、インド、アフリカなどの新興国の勃興」に期待したりしているでしょうし、ウェイトが小さい場合には全世界同様「持たざるリスク」を避けるためや、他アセットとの比率を調整するために選択している方もいるかもしれません。

私は「過去成長率が安定しなかった」「法整備が安定していない」「市場が外国に対しオープンではない」などの理由から新興国投資を避けていますが、おそらくそれらを加味しても尚、新興国が今後高い成長率を以て台頭しうる事、あるいは割高かもしれないと叫ばれる米国株に対して、相対的に低いバリュエーションであり、たとえ経済規模として米国を抜くようなことが無くとも、十分な利ザヤを獲得できると考えていることでしょう。

ハイテク銘柄投資のシナリオ

ここからは毛色が変わってセクター投資or個別株のお話です。

米国株を例に挙げようと思いますが、一口にハイテクと言っても幅広いビジネスがありますので、あまり深掘りせずライト「IT全般」と考えて書きましょう。

これらに投資する人は、ITは今後人類の生活に必要不可欠なものであり、多くの技術革命を伴いながら、成長を続けるビジネスであることを信じていると思います。

目先で言えばクラウド、5G、AIなどトレンドワードが並び、自動運転、手術ロボットなど、様々な分野のビジネスとITが融合し、新たなビジネスの形を作るデジタルトランスフォーメーションがもたらす社会、それにより得られる収益に期待ができます。

個別株においては、新しいテクノロジーやサービスの隆盛の中で大きく地位を持つものも、逆に地位を確立できず衰退していくものもあるでしょうが、投資する以上は投資対象に魅力を感じているはずです。

儲かるビジネスはそれだけ競合が多く、大型ハイテク株は政府規制などの懸念がありながらも、テクノロジーの進化に伴いその銘柄(セクター)が次世代の主役であることを期待していることでしょう。

ヘルスケア銘柄投資のシナリオ

ヘルスケア銘柄も保険、製薬、医療機器などいろいろなものがありますが、全般的に考えますと、医療が進歩し高齢者が増える中で、あるいは新興国の生活水準が向上し、医療が広がる中で、「人々の生命、健康を守る」と言う社会的に必要とされるビジネスにおいて、今後も高い需要があると考えていることでしょう。

その重要性から、安定した収益を稼ぎ続けることや、リセッションなどにより下落相場となった場合にも、ディフェンシブに働くことに期待していると思います。

個別株の場合は銘柄により、新薬認可で大きく値を上げることに期待していたり、安定したキャッシュフローの下で高配当を還元してくれることに期待していたりするかもしれません。

直近の大統領選挙(一部のヘルスケア銘柄に不利な政策)の影響や、副作用などによる訴訟問題、あらゆる病気に著効を示し、既存の医療技術が不要となるような新しい医療技術が登場することを懸念しているかもしれませんが、そのリスクに見合った、あるいはリスク以上のリターンが得られると期待していることでしょう。

タバコ銘柄投資のシナリオ

タバコ株に投資している方は、歴史の中で相対的に高いリターンを実現してきたことや、手を替え品を替え、高い中毒性を利用して様々な規制や増税を潜り抜けて維持されてきた高い収益性と安定したキャッシュフロー、それによってもたらされる高い配当が今後も継続すると考えていることでしょう。

上振れ要因として、大麻など従来禁止されていた娯楽品の合法化により普及、新たな収入源を手にすること、下振れ要因として既存ビジネスへの更なる規制がありますが、タバコ自体が国家にとって大きな税収減になることや、規制を抜ける術を知る歴史ある企業だからこそ、そのリスク以上にリターンに期待を抱いているのだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

いくつかの例を挙げてみましたが、私の想定なので実際に投資をしている他の方は、例とは異なるシナリオをお持ちかもしれません。

また、これらのシナリオは必ずしも100%妄信している…と言うわけではなく、「どちらかと言えばポジティブ」程度も含まれると思います。

ダメだと思うけど投資する、という方は珍しいでしょう。少なからず期待をしているはずです。

今回は投資対象を中心に書きましたが、投資手法でも「シナリオ」があるはずです。

例えば今後も力強い成長を続けるなら一括投資、波がある、あるいは暴落を懸念している場合は時間分散投資…などですね。

いずれにせよ「ただ何となく」で投資するのではなく、自分なりのビジョン、シナリオを(それが必ずしも正しいかどうかは別として)持って投資に臨みたいものですね。(提供: The Motley Fool Japan


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