中国から広がった新型コロナウイルスが猛威を振るう中、中国経済の先行きが不安視されています。

そんな中、米国主要3指数はコロナウイルスの猛威を物ともせず、全3指数で市場最高値をつけました。

米国主要3指数が非常に強い中、個別銘柄でひと際目立っていたのが、テスラでした。

1本調子に、ほぼ垂直に上がり、すさまじい強さを見せました。

上昇
(画像=Getty Images)

投機筋が売りポジションを多く持っていたために、その買戻しが一気に入ったとみられています。

テスラは、中国で初めての完全に外資系所有の自動車会社になりました。

これまで、外国企業が完全な外資系所有としての子会社を中国に設立することは許可されていませんでした。

テスラは中国を説得し、実際に設立許可を得て、低コストな資金能力を得ることに成功しました。

また、テスラ側も中国に研究開発施設を設立し、国内の人材を起用して、国内市場向けの車をデザインするという市場を新たに作り、中国の産業に貢献しています。

他にも、2019年、第3四半期の決算で黒字転換したこと、また第4四半期の販売台数が市場予想を上回ったことが背景にあります。

また、新型コロナウイルス拡散防止への支援として、テスラ・チャイナは中国CDCに500万円の寄付をしています。

そして、ドルインデックスも強い上げを見せ、現在高値圏で推移しています。

アメリカ強し、といったところでしょう。

この米国市場の強さの要因は、いくつかあります。

まず、実際に発表された経済指標の結果が強い数字でした。

1月ISM製造業景況指数は市場予想より強い結果が出ました。

そして、その後の1月雇用統計でも、強い数字が出ました。

また、去年秋ごろから米連邦準備理事会(FRB)がトレジャリービル(米国財務省が発行する短期国債)を、月額600億ドルずつ買い入れており、市場に資金供給をしています。

そして、この資金供給を今年6月まで続けると発表しています。

それに加えて、これまでも中央銀行は市場が崩れると金融緩和を行ってきました。

この流れから、株式市場では、もし一旦下げる場面があったとしても、また中央銀行が資金供給をして助けてくれるであろう、という楽観的なムードさえあります。

また中国では、春節明けに、人民銀行が中国市場に18兆円の資金供給をしました。

それに加えて、空売り禁止令も出したことで、株式市場における大きな下落を防いだことが挙げられます。

CNNが出している恐怖と欲望指数でも、50以上を依然保っており市場は楽観的です。(2月9日時点)

他の市場でも、今年年初から上昇トレンドを形成して上げているものがあります。

それは、仮想通貨市場のビットコインです。

最近では、ビットコインをリスクオフ相場での避難通貨として買う投資家も増えてきた様です。

実際に年初にゴールド(金)が買われていた際に、同じく買われていたのはビットコインでした。

そして米国株式、ビットコインとは対照的に、原油は大きく値を下げました。

中国は原油消費量が、世界第2位の国です。

新型コロナウイルスの感染拡大による中国経済の先行き不安、そして、それに伴う世界経済への先行き不安から、原油価格は値を下げました。

中国の製造業の低下は、エレクトロニクス産業全体に影響を及ぼします。

春節休暇の延長のため、工場再開が遅れたことや、中国国内の行き来に制限がかかっていることを考えると、製造が予定よりも大幅に遅れる可能性があります。

実際、新型コロナウイルスの感染拡大が、どこまでになるのか。

また、いつまで続くのか。現時点では不透明です。

今後、中国経済の減速は避けられないと同時に、それに伴うエレクトロニクス産業への影響も心配です。

そして、ゴールド(金)。

年初に起きたイランのソレイマーニー司令官が殺害された事件を受けて、リスク回避から買われていたゴールド(金)は、今月始めに一旦下げたものの、半値まで戻しており、依然高値圏で推移しています。

総合すると、今の市場は、株高、ドル高、原油安、ゴールド高、ビットコイン高です。

株は強気ですが、一方で、原油安で経済は弱いと見られており、リスクオフで買われる金も高い、と言った今までの教科書通りとはまるで違う格好になっていると言えます。

下のチャートは、今の株価の割高、割安水準を示すバフェット指数です。

株式市場の時価総額をGDPで割ったものです。

このチャートから、米国株は既に高すぎるレベルまで到達していることが分かります。

株価が高すぎる水準に達した後は、売られるのが相場の常です。

2000年頃、今と近い水準まで上げ、ピークを付けた後、大きく下げているのが見てわかります。

米国市場の強さはどこに起因している?経済の今を読む
(画像=引用)guru focus)

次にNASDAQ市場を見てみると、2000年ごろピークを付けた後、大きく値を下げているのが分かります。

これがITバブル崩壊でした。

米国市場の強さはどこに起因している?経済の今を読む
(画像=引用)macro trends)

この過去のデータから、著名投資家たちの間でさすがに高すぎるのでは?という見方も出てきています。

今後の市場動向に大きな影響を与えうる、中国経済の行方に引き続き注目していく必要がありそうです。(提供: The Motley Fool Japan


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