老後の資産形成に向けて、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を検討する人が増えています。しかし、仕組みがイマイチよく分からなかったり、手続きが必要だったり、商品選びに頭を悩ませてしまったりと、加入への道のりを遠く感じてしまう人も少なくありません。

「すでにリサーチを進めている人も、ゼロから勉強をスタートさせようとしている人も、対面での相談を検討してみては」とアドバイスしてくれるのが、確定拠出年金をはじめお金やライフプランの相談ができる「FP相談ねっと」を主宰する、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんです。iDeCoの検討にあたって、りそな銀行へ足を運ぶことが望ましい理由について、詳しく教えていただきました。

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(画像=確定拠出年金スタートクラブ編集部)

山中伸枝(やまなかのぶえ)
心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナー(CFP®) 米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。「楽しい・分かりやすい・やる気になる」講演、ライフプラン相談、執筆など多数。

金融機関の職員ごとにiDeCoへの理解度に差がある

――「FP相談ねっと」では、2019年9月から1カ月にわたり、25金融機関55窓口でiDeCoに関して適切な説明が行われているかどうか調査をされたそうですね。なぜこうした調査を実施しようと思われたのでしょうか?

山中伸枝さん(以下、山中):きっかけとしては、2019年7月1日に「金融機関等の営業職員における運営管理機関業務の兼務規制の緩和」によって、金融機関の窓口でiDeCoの説明を対面で受けることができるようになったことです。銀行など暮らしに身近な金融機関に出向いた際にiDeCoに関する適切な情報提供があれば、それをきっかけに多くの人が老後の不安の解消に向けて、大きな一歩を踏み出せることになります。そこで、FPである事は伏せ、加入検討をしている人を装い、所属しているFPがカバーできる範囲の窓口を訪れて調査をすることにしました。

――インターネット証券などでは、iDeCoのコールセンターを開設していますが、窓口での相談とは違いますか?

山中さん:コールセンターは、質問に答えることが目的なので、「漠然とした老後の不安の解決策」や「とりあえずiDeCoに加入はしたものの、運用方法がよく分からず不安」といった相談には乗ってくれません。しかし、iDeCoは長期にわたる運用が前提となりますので、ライフプランニングと切り離せない制度です。そのため、将来の不安や現在の家計など個別の状況に照らし合わせたうえで加入することが望ましいといえます。実際のところ、専門家に直接相談したいというご要望が非常に多いです。そうなると、コールセンターの対応だけでは不十分だと感じる人は少なくないと感じています。

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(画像=確定拠出年金スタートクラブ編集部)

――調査結果は「FP相談ねっと」のサイトでも公開されており、客観的な評価に基づいて点数がつけられています。

山中さん:今回の調査で、金融機関ごとに対応する職員の知識にバラつきがあることが分かりました。とりわけiDeCoの加入メリットである税制優遇について、正確に説明できる金融機関が少なかったことには驚きましたね。また、パンフレットをなぞって読むだけで、丁寧な対応ではあっても理解が深まらず、わざわざ相談する意味がないケースもありました。

ちなみに、あまり一般には知られていないことかもしれませんが、銀行にはそれぞれのカラーやスタンスがあり、iDeCoやつみたてNISAのように若年層の資産形成を応援する金融機関もあれば、富裕層の相続に力を入れている金融機関もあります。そのため、iDeCoに本腰を入れていない金融機関があっても仕方がないのは理解できます。しかしながら、個人的には、金融機関に勤めているにも関わらず、iDeCoという国の制度を理解していないのは有り得ないことだと思っています。

――かなり辛口な評価も多い中で、りそな銀行には高い得点をつけていただいておりますが、その理由を伺えますでしょうか。

やはり確定拠出年金(iDeCo)にいち早くしっかり取り組んでこられているので、知識の蓄積はもとより、分かりやすい解説ツールが充実していたことが高ポイントでした。また、会話からニーズを掴むことに、とても長けている印象を持ちました。たとえば、「今日はどうしてお越しになられたのですか?」という会話にはじまり、どのような目的なのか、iDeCoの理解度はどれくらいなのかなど、お客様との会話を通して、より適切な説明をする姿勢が見受けられたことは、評価に値すると感じました。

また、ちょっと複雑な説明について、ホワイトボードでさっと図を描いてくださるところからも、相当の情報量とスキルの高さを見てとれました。総じて言えることですが、お客様のライフプランを見通す意識で説明されていたと思います。こうしたポイントをまとめますと、「対面でのコミュニケーション能力が優れていたところ」が評価の高さにつながったと言えます。

――iDeCoの情報収集においても対面の優位性がありそうですね。

山中さん:そうですね。たとえば、会社員がiDeCoに加入するには、会社から書類をもらわないといけません。この手続きが意外と面倒なのですが、りそな銀行では申請方法や書類の書き方をいちから教えてくれます。iDeCoの加入にあたって「資料は貰ったけど挫折してしまった」「手続きがややこしくて放置している」という人も多いので、申請完了まで対面でサポートしてくれるのは心強いと思います。

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(画像=確定拠出年金スタートクラブ編集部)

また、申請後には運用商品を決めなくてはいけませんが、商品数が多く、また掛け金をいくらにするかを考える必要があります。これについても、これまで資産運用をしたことがない人にとっては、すごく迷うポイントだと思います。

インターネットの証券会社などは、ある程度資産運用のリテラシーのある人にとっては使い勝手がいいかもしれませんが、「iDeCoについて知識がほぼありません」「資産運用ははじめてです」という人には、ハードルが高いことが考えられます。

――つまり「興味はあるけどそもそもiDeCoって何?」という疑問を抱えている人こそ、窓口で相談した方がいいということでしょうか。

山中さん:はい。ただ、ある程度知識がある方も、一度相談してみるのも良いと思います。インターネットや書籍で知識を習得しても、自分の人生に落とし込んだときに、どのような選択をするべきか誰しもが悩むものです。リテラシーに不足はないと考えている方でも、詳しい人の意見をちょっと聞いてみたいと思うことはあるはずです。その際には、お金のプロからの対面アドバイスは非常に価値があると思いますのでおすすめします。

あと、りそな銀行さんのiDeCoの解説パンフレットがとても工夫されており分かりやすいので、それをもとにした説明を受けるだけでも足を運ぶ価値はあると思います。お客様ごとの理解度に合わせて、十分に理解できるように分かりやすさにこだわって作りこまれています。そのため、理解していたと思っていても不十分だった部分なども、説明を受けながら埋めていくことができます。

iDeCoはマネーリテラシーを高めるきっかけとして最適

――近年、iDeCoの加入者は増加しています。数ある資産形成の手段の中で、iDeCoを選ぶべき理由についてどのようにお考えですか?

山中さん:まず理由の一つは、iDeCoへの加入は国民の権利であり、国がさまざまなメリットを付与しているからです。公的年金は信頼できるものではありますが、最低保証であり貧しさから救うための制度です。そのため、自分自身の生活を豊かにしたい場合は、積極的に資産形成を考える必要があります。

その観点から言うと、iDeCoは掛金が全額所得控除になること、運用益が非課税になるなどメリットも大きいです。このような優遇措置が設けられている資産形成の方法は、ほぼないと言っていいでしょう。もちろん注意点もありますが、いずれにしてもまずはきちんと理解することが必要です。

――まずは、メリットデメリット含めて、制度を理解することが大事だということですね。

山中さん:そうですね。あと、iDeCoはお金の勉強の教材にもぴったりです。iDeCoをきっかけに家計を見直したり、年金制度を理解したりとマネーリテラシーが向上します。一人で勉強するよりも、金融機関の窓口に通って説明を聞くと理解が深まるはずです。また、1回だけではなく3回程度訪れて、「制度の説明」「申請書類の書き方」「商品選択のコツと掛金の配分」など、順を追って学んでいくといいと思います。ぜひiDeCoという制度を丁寧に、しっかり説明してくれる金融機関での相談を検討してくださいね。

※当記事は2020年1月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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