「必ずラストワンマイルはタクシーが担っていくと思っている」——。タクシー事業を展開する日本交通の川鍋一朗会長は、IT大手DeNAとの事業統合に関する記者発表の場で、タクシー事業に関する思いをこう力強く述べた。ラストワンマイルとは、公共交通機関から自宅や目的地までの最後の一区間のことを表す言葉だ。

大正元年に有楽町でスタートしたとされる日本のタクシー産業。海外ではライドシェアがラストワンマイルの移動サービスとして台頭しつつあるが、日本では日本交通をはじめとしたタクシー事業者が利用者の維持と新規獲得に向け、新たな改革と挑戦に積極的に臨んでいる。

川鍋会長の冒頭の言葉からもそんな意気込みが感じられる。そしてこの記者発表会では、子会社のJapanTaxiが展開するタクシー配車アプリ事業とDeNAの配車アプリ事業を統合し、事業拡大や競争力強化、そして利便性のアップに向けた取り組みを強化していくことが明らかにされた。

連載「経営トップ、発言の真意——WORDS by EXECUTIVE」の第20回では、日本交通の川鍋一朗会長の発言を取り上げ、日本交通が描くタクシーの未来に関する青写真やDeNAとの取り組みなどについて解説していく。

なぜJapanTaxiとDeNAは手を組んだのか

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(画像=Bloomberg/Getty Images, ZUU online)

JapanTaxiはタクシー配車アプリで日本最大手だ。全国47都道府県をサービス提供エリアとしてカバーし、JapanTaxiのアプリに対応しているタクシー台数は約7万台に上っている。2011年にローンチされてからのダウンロード数も累計で900万回に達した。