親の資産状況を把握していない人は多いのではないでしょうか。年収が上がり家族も増えて順風満帆と思っていた矢先、両親の借金が判明して人生設計が狂ったり、多額の相続税の納付で対応に追われたりといったケースが実は少なくありません。
両親の世代と現役世代では金融リテラシーに差がある

「何となく聞きづらい」「多分両親はちゃんと考えているはず」といった考えで、親の資産状況を確認したことがないという人はたくさんいます。
しかし、両親の世代と現役世代ではお金に関する考え方が違います。「老後2,000万円問題」がメディアで話題になったことからもわかる通り、今の現役世代は将来の生活に対して危機感を抱いています。そのため、資産形成や税金対策に関心の高い人が多いでしょう。
一方両親の世代は、まだ終身雇用制度の名残があり、退職金や年金も十分に受け取れる親世代を見て育っています。かつては、自分で資産形成をしなくても、真面目に勤めあげれば老後の生活には苦労しないという時代でした。
そのため、資産状況やそのリスクをきちんと把握していないケースが多々あります。
親の資産状況を知らないと危険?よくあるトラブル事例とは
よくあるトラブル事例の一つは、多額の借金が判明するケースです。事業にまつわる借金や友人の連帯保証人になって背負わされた借金など、内容はさまざまですが、子どもには言いづらくて隠していることも少なくありません。
借金の返済に追われることになれば、人生設計に大きな狂いが生じます。タイミングを見計らって、きちんと両親の資産状況を把握し、トラブルは未然に防ぎたいものです。
また、両親が亡くなったあと多額の相続税の納税を求められるというケースがあります。相続財産のほとんどが現預金であれば、相続財産の中から相続税を支払えるため、大きな問題にはなりません。
しかし、相続財産のうち不動産の割合が高いと、相続した現預金をはるかに超える相続税の納付を求められることがあります。中には、借金をして相続税を支払うというケースすらあります。
資産状況を可視化し将来に備えることが大切
トラブルを避けるためにも、資産状況や相続、老後の生活費について、一度きちんと話し合いの場を設けることが大切です。資産に不動産などが含まれている場合は、資産を整理し、一覧表にまとめましょう。また、負債も忘れず確認します。
最初は言いにくいと感じるかもしれませんが、自分たちから言い出しにくくて、子どもに言われて「助かった」と感じる親も少なくありません。家族みんなで腹を割って話し合い、お互いの将来に備えましょう。(提供:ANA Financial Journal)
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