長期のファンド運用においてポートフォリオ構築の基本ともいえるアセット・アロケーションについてお伝えするシリーズの続きとなります。

第2回目ではアセット・アロケーションの決定で大切なポイントや自分で決定するのが難しい場合の対処法についてお伝えしていきます。

尚、アセット・アロケーションの基本や役割・メリット、主要なアセットクラス、さらにアセット・アロケーションで使われている2種類の手法については第1回目でお伝えしておりますので、そちらをご覧ください。

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(画像=Getty Images)

アセット・アロケーションの決定で大切なポイント

アセット・アロケーションはポートフォリオに与える影響が非常に大きいため、大変重要な投資の意思決定プロセスになります。

アセット・アロケーションを決める際に次のようなポイントに注意しておくことが大切です。

資産ごとの相関関係を考慮すること

アセット・アロケーションは資産ごとに異なるリスクやリターンを生む商品をバランスよく配分することですので、資産ごとに互いの相関関係を考慮することが重要です。

伝統的なアセットクラスに対して、リスクやリターンの特徴が異なるオルタナティブを選ぶのもそのためです。

また、同じアセットクラスでも互いに非相関あるいは相関関係の低いものを選ぶことでリスク分散効果を高めることにつながります。

リスク許容度を考慮すること

資産運用ではターゲットとなる目標や投資目的を重視することも大切ですが、それとともにリスク許容度も考慮してアセット・アロケーションを決めなければなりません。

マーケットでは10年以上の中・長期で投資しているとほぼ必ずといっていいほど金融危機などが発生して暴落することがあります。

そのような局面においてもそのリスクを受け入れることができるかの指標となるリスク許容度は人によって異なるものです。

極端な例を挙げれば、暴落して資産が半分になってもさらに下で買い増すことができる投資家と、いつ戻るかという不安な気持ちに耐えられずすぐさま損切りする投資家がいます。

自分のリスク許容度にあったアセット・アロケーションによって開始することが特に中・長期の資産運用では大切になってきます。

尚、経済学者として有名なアメリカのシーゲル教授によれば、リスク回避傾向が強い投資家が10年の投資期間で資産運用をおこなう場合、理想的なポートフォリオとして資産全体の60%を株式で保有することを推奨しています。

実際の配分はリスク許容度が人によって異なるために一概には言えませんが、このような専門家の意見も一つの参考になる場合があります。

時間軸を考慮すること

資産運用においてはファンドがどれだけのパフォーマンスを上げたかに注目しがちですが、アセット・アロケーションを決める際には時間軸で捉えることも重要です。

例えば、投資目標を立てても投資期間がどれくらいあるかによって、選ぶべきアセットクラスも異なってきます。

資産を2倍にすることを目標として資産運用を始めた場合、投資期間が5年あるのと10年とでは自ずと選ぶべき資産のリターンとリスク特性も違うものを選ぶ必要が出てくるでしょう。

当然のことながら5年という投資期間のほうが10年の場合に比べて、より大きなリターンが必要になります。

従って取るべきリスクもその分だけ大きくならざるを得ません。

また、投資期間に関連して資産運用を始めた年齢もアセット・アロケーションの決定の際には考慮しなければなりません。

20代の若い時分に始めた場合と50代でリタイヤの年齢に近づいてから始める資産運用では取ることができるリスクも違ってきます。

若い世代であれば多少リスクを多めにとってより大きなリターンを狙ってロスが出ても、途中でやり直す時間があります。

しかし、50代で同じようなリスクを取った場合には資産を大きく目減りさせた場合にそれを取り返す時間は限られてきます。

アセット・アロケーションを決める際の年齢については、年齢が高くなるにつれてリスク性の低い資産内容にシフトしていくという考え方が基本になってくるでしょう。

自分でアセット・アロケーションを決めるのが難しい場合はどうすべきか?

ここまでお伝えした内容からアセット・アロケーションの重要性はわかるが、自分では決定するのは難しいという方や忙しくてポートフォリオ管理にそこまで時間が割けないという方も珍しくありません。

そのようなケースでは、投資一任契約によって金融機関で販売されているラップ口座やファンドラップと呼ばれる商品で資産運用をおこなえば、そのような手間や悩みは解消されます。

また、IFAと呼ばれる独立系ファイナンシャル・アドバイザーに相談すれば、投資家ごとに投資目的やリスク許容度などに応じたアセット・アロケーションの提案をしてくれます。

このような商品やサービスを利用すればアセット・アロケーションだけでなく、運用期間の途中でのマーケット環境やアセットごとのパフォーマンスに応じたリバランスも行なってくれますので、手間がかかりません。

ただし、これらの商品やサービスの欠点は高い手数料や報酬といった投資コストが発生することです。

そしてそこまで投資コストをかけてもそれを上回るパフォーマンスが得られるかは未知数と言えます。

もし、高い手数料をかけずに類似する商品やサービスを利用した資産運用をおこなう場合には、ロボアドバイザー投資も検討の余地があるかもしれません。

日本国内のロボアドバイザー投資ではウェルスナビやテオ(THEO)などが有名です。

アカウントを開設したら自分の資産や投資経験などに関する簡単な質問に答えるだけで自動的にアセット・アロケーションを作成してくれます。

それと同時に運用開始後のリバランスなどもラップ口座やファンド・ラップと同様に自動でおこなってくれます。

このような高度なサービスでありながら低コストであるところがメリットです。

例えば、ウェルスナビの年間手数料では預かり資産に対して1%と非常に低い手数料で利用できます。

ラップ口座やファンドラップを利用する場合、年間手数料は2~3%程度は珍しくありませんので、非常に低コストで運用できます。

このような低い手数料を可能にしているのは、ロボアドバイザー投資がAI(人工知能)を利用しており、人間のファンドマネージャーを介さないからです。

最新の金融工学や統計学に基づいたプログラミングによってAIを最大限に駆使して過去の膨大な市場データを分析しながらおこなわれる運用は人間のファンドマネージャーよりも相場環境に関わらず冷静に判断してくれます。

本来であれば自分で投資経験を積みながら、失敗から学んで資産運用をおこない、それなりのパフォーマンスが得られるということが投資の醍醐味であり、理想ともいえます。

しかし、投資経験の浅い人や投資のためにそれほどの時間が割けないという人の場合、低コストでの資産運用を可能にするロボアドバイザー投資も検討の余地があるかもしれません。

まとめ

今回はアセット・アロケーションのメリットやアセット・アロケーションの決定時の大切なポイントなどを中心にお伝えしてきました。

適切なアセット・アロケーション決定のためには、アセットクラス間の相関性やリスク許容度、時間軸などをよく考慮することがポイントです。

また、一度決められたアセット・アロケーションも資産ごとのパフォーマンスの違いや相場環境の変化に応じて定期的に見直すことも大切になってきます。(提供: The Motley Fool Japan


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