モトリーフール米国本社、2020年2月20日投稿記事より

米国以外の市場の成長を追求している投資家なら、中国の検索サービス最大手バイドゥ(NASDAQ:BIDU)と、中南米最大の電子商取引企業メルカドリブレ(NASDAQ:MELI)のことはよくご存知かもしれません。

過去5年間の株価を見ると、バイドゥがより厳しい競争、広告の規制強化、中国の景気減速に苦しむ中で40%近く下落したのに対し、堅調な売上成長で投資家を魅了してきたメルカドリブレは約450%高と急上昇しました。

とはいえ、過去のパフォーマンスは将来の利益を保証しません。

中南米の電子商取引大手は中国の巨大IT企業をアウトパフォームし続けるのでしょうか。

以下、詳しく見ていきます。

ネットショッピング
(画像=Getty Images)

バイドゥとメルカドリブレの収益構造

バイドゥは前四半期にオンライン広告から利益の73%を稼ぎ、残りは主に2年近く前にスピンオフしたストリーミング動画企業アイチーイー(NASDAQ:IQ)から稼ぎ出しました。

バイドゥの売上高の大半が中国市場からです。

一方のメルカドリブレは2019年、同社が運営する電子商取引マーケットプレイスにおける手数料と送料から売上高の52%を稼ぎ出し、残りの48%を広告販売、クラシファイド広告料、決済手数料などのマーケットプレイス以外の事業から得ました。

メルカドリブレは12カ国以上で事業を展開していますが、中でもブラジル、アルゼンチン、メキシコが同社にとっての3大市場であり、前四半期の総取扱額に占める割合はそれぞれ63%、19%、13%となっています。

バイドゥの利益成長が鈍化した背景には、中国の経済成長の減速によって広告支出が抑制され、さらにバイトダンス社傘下のTikTok(ティックトック)やbilibili(ビリビリ)といったジェネレーションZ世代をターゲットとする競合他社が台頭したことがあります。

また、検索サービスにおけるSogou(ソゴウ)やアリババのShenma(シェンマ)との競争に加え、テンセントのウィーチャット(微信)やバイトダンスのToutiao(トウティァオ)などアプリ組み込型検索エンジンとの競争にも直面しました。

さらに米中貿易戦争、景気減速、新型コロナウイルスの流行といったマクロ環境の逆風が収益性の悪化に拍車をかけました。

ところが、バイドゥは2月初め、市場予想とは裏腹に第4四半期のガイダンスを引き上げました。このことは同社が最悪の状況から脱却する可能性があることを示唆しています。

アナリストは現在、バイドゥの2020年の増収率を11%と予想しています。

一方、メルカドリブレの総取扱額は、展開するすべての市場で成長を続けています。

プラットフォーム全体で販売されたすべての商品の価値である流通総額(GMV)は前四半期に前年比40%増となりました。

メルカドリブレはバイドゥほどの競争に直面していません。

アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)はブラジルへの進出を試みていますが、メルカドリブレの確固とした地位を脅かすまでには至っていません。

ウォール街はメルカドリブレの2020年の増益率を37%と予想しています。

より収益性が高いのはどちらか?

バイドゥの広告収入は過去2四半期にわたり前年同期比で減少しています。

アイチーイーの増収がそれを相殺した一方で、アイチーイーの損益は依然として赤字であり、営業利益率の足かせとなりました。

さらに、人工知能(AI)プラットフォーム、音声アシスタント、スマートスピーカー、自動運転プロジェクトへの投資の増加も営業利益率を引き下げる要因となりました。

以上のような逆風にもかかわらず、バイドゥは非GAAPベースで黒字を維持しており、同社は増収率が回復するにつれて収益性は改善すると予想しています。

2021年のコンセンサス予想増益率は26%で、予想PERが18倍の企業としては高い増益率と言えます。

一方、メルカドリブレは、主に送料無料に対する補助金と税金支出が増加したため、安定的に利益を上げることができていません。

純損失は2018年の3,660万ドルから2019年に1億7,200万ドルに拡大しましたが、アナリストは2020年に損失が徐々に縮小すると予想しています。

メルカドリブレのバリュエーションは赤字のせいでバイドゥよりも低いとはいえ、2020年予想株価売上高倍率(PSR)は11倍とアマゾンとアリババ(PSRはそれぞれ3倍と8倍)よりも高く評価されています。

より良い投資先はバイドゥ

バイドゥは新型コロナウイルス危機の厳しい逆風に直面する中で第4四半期の予想利益を上方修正しており、このことは同社が課題の一部を克服しつつあることを示しています。

しかも株価は歴史的に割安な水準にあります。

一方のメルカドリブレは依然として有望なグロース銘柄ですが、株価は割高であり、送料無料に対する積極的な補助金の拠出は目先の利益成長を抑制するでしょう。

メルカドリブレは投機の対象としてはいいかもしれませんが、総合的に見ればバイドゥがより良い選択肢と言えます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Leo Sunは、アマゾン株、バイドゥ株、テンセント・ホールディングス株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株、ビリビリ株、バイドゥ株、テンセント・ホールディングス株、メルカドリブレ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、アリババ株を保有しています。