老後の資産形成に備えて、国は確定拠出年金の加入対象を広げ、今では国民誰もが加入できる制度となりました。

メディアでは老後に2000万円必要と騒がれ、世帯の家事を支える専業主婦(夫)の人も、慌てて確定拠出年金への加入を検討されたかと思います。

※以後:個人型確定拠出年金に関してはiDeCo、制度全般に対しては確定拠出年金と表現します。

iDeCo
(画像=Getty Images)

しかしその行動は、ちょっと待ったです!

iDeCoは給与所得を控除することによる所得税の減税が適用されないと、手数料負けする可能性が大きいことを御存知でしょうか?

今回の記事では、iDeCo加入によって発生する諸々の手数料についてお話させていただきます。

確定拠出年金は、自分の資産を運用する口座の維持だけでも手数料が発生します。

勤務先の退職金制度で加入する企業型確定拠出年金に於いては、勤務先がその手数料を負担してくれるケースがほとんどです。

しかしiDeCoに於いては、加入者自らが運用中の口座管理手数料(資産の買付&口座維持)を払う必要があります。

iDeCo運用中に於ける手数料は大きく分けて以下の3つ

  • 手数料の位置付け:手数料名(支払先)金額

  • 買付時:事務手数料(国民年金基金連合)105円/月(※買付ける度に発生)

  • 口座維持:資産管理手数料(信託銀行)66円/月(※買付の有無に関係なく発生)
  • 口座維持:運営管理手数料(銀行or証券会社)(※買付の有無に関係なく発生し、金額は申し込み先の金融機関による)

金融間が確定拠出年金に関してPRする『手数料0円』というのは上記リストの③のみであり、加入者には1ヶ月あたり①+②=171円の手数料が発生します。

毎月積立て投資を行うと、この171円の手数料がさらに12ヶ月(12回)分積みあがる為、合計で年間2,052円払うことになります。

この毎月支払う171円の手数料は些細な金額かもしれませんが、毎月の掛け金に占める割合は決して小さな値ではありません。

毎月の拠出金額と手数料の割合を計算してみます

  • 毎月の拠出金額:拠出金額に占める手数料の割合

5,000円:3.42%

10,000円:1.71%

23,000円:0.74%

つみたてNISAという制度では、投資信託の買付手数料1~3%は大きすぎて受益者(投資家)の利益を損なうという観点から、投資信託の買付手数料が無料なっています。

しかしiDeCoに於いては、専業主婦(夫)の人が毎月の拠出可能な上限額である23,000円で積み立てても、手数料が占める割合は0.74%までしか抑えることができません。

人によってはたった0.74%と思われるかもしれませんが、10年間積み立てれば1割にもなってしまいますので、決して無視できるレベルではないのです。

iDecoもつみたてNISAも運用によるリターンは不確実ですが、手数料はマイナスリターンとして確定してしまいます。

個人事業主として所得税を納めている人はiDeCoの掛け金を所得から控除することによって、手数料の負担を所得税の節税によって対処することも可能です。

しかし専業主婦(夫)の場合は所得控除による節税ができず、また、iDeCoは1度加入すると容易に脱退できません。

よって、専業主婦(夫)の人がiDeCoに加入するかどうかは、今後の就労計画等も検討してから、慎重に行った方がいいでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


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