モトリーフール米国本社、2020年2月27日投稿記事より

著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が、自身が率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(以下、バークシャー)の株主に宛てた「手紙」は、何十年にも渡り長期的な利益を追求する投資家にインスピレーションを与え、また、投資家としてバフェット氏が「どのように」「なぜ」成功しているかを紐解くヒントとなってきました。

バフェット
(画像=The Motley Fool)

2月22日に公表された今年の手紙では、「オマハの賢人」として知られる同氏はバークシャーの2019年の各事業の業績はもちろんのこと、利益の内部留保の重要性(バークシャーは無配当)や、保有するバークシャー株の自身の死後の扱いにも言及しました。

ここでは、手紙の中の「運用」セクションに書かれている、多くの投資家の参考となるような助言に目を向けるとともに、実際のバークシャーの投資行動との一貫性について考えます。

バフェット氏は今年の株主への手紙の中で、将来の金利を予測することは同社のスタイルではないとしながらも、金利が今後数十年、現在のような水準で推移し、法人税率も低く維持されれば、株式が満期の長い固定金利の債券商品を長期的にアウトパフォームすることはほぼ確実だろう、としています。

これは、過去のデータによれば、株式市場は平均で年7%(配当再投資の場合)と、債券を上回るリターンをあげており、債券、コモディティ、住宅、その他あらゆる投資対象資産に対し、クオリティの高い株式が今後も上回るということは、「賭け」などではなく、ほぼ保証された現実だと考えるからだということです。

さらに、内部留保を再投資にまわし、低い金利で借り入れを行うことで、過去10年に渡りグロース株はバリュー株とアウトパフォームしてきたことからも、低金利環境は株式市場に追い風になるとしています。

この考えに基づき、バークシャーの運用チームが引き続き、資金は運用に向ける方針であることは株主への手紙から明らかですが、自身の言葉通りにバフェット氏が投資行動を実践しているかと言えば、それはまた別の問題のようです。

株主への手紙によれば、同社は2019年に50億ドルの自社株買いを実施しました。

しかしより具体的な投資行動については、米証券取引委員会に四半期毎に提出義務のある「フォーム13F」に詳しく書かれています。

直近のフォーム13Fによると、第4四半期中にバークシャーは、株式8銘柄(個別6銘柄と上場投資信託(ETF)2銘柄)に新規または追加投資を行う一方で、株式8銘柄のポジションを削減しました。グロスベースでは16億ドルの買いに対して売りが70億ドルで、近年の同社の傾向に違わず、株式を売り越しています。

さらに、バークシャーの2019年末のキャッシュ残高は1,280億ドルで、これは過去最高だった2019年第3四半期の1,282億ドルに匹敵する高水準でした。

バフェット氏は以前、バークシャーのキャッシュ残高の適正水準を300億ドル程度と言及していますが、同社にとって直近の大型案件である2015年の米金属部品製造会社プレシジョン・キャストパーツの買収以降、キャッシュ水準は上昇傾向にあります。

こうした現状は、株が長期的にはアウトパフォームするという同氏の方針とは相反するものです。

昨年2月の株主への手紙の中でバフェット氏は、「今後1年のうちに過剰流動性を解消し、資金を投資に振り分けたいと考えるが、長期保有に適した堅実な企業の株価は足元で高騰しており、今はいいタイミングではない」と述べていました。

今年の手紙の中で株価バリュエーションについて直接は触れていないものの、バフェット氏は現在の株価水準に懐疑的であり、投資には躊躇していると言えそうです。

しかし希望がない訳ではありません。遅かれ早かれ、バフェット氏が投資に積極的になる局面はいずれ訪れます。過去70年間で見た場合、S&P500指数は10%以上の株価調整が37回ありました。

下降局面は平均で1.89年に1度あった計算になります。変化はそう遠くない未来に起きるかもしれません。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2021年3月の225ドルのショート・コール)。