確定拠出年金は自分の掛け金を所得から控除することで、所得税を減らす=節税する事が可能です。

メディア媒体やファイナンシャルプランナーの中には、確定拠出年金で節税できる事を『お得なので使った方がいいですよ!』とアピールしていたりします。

しかしよく考えてみてください。

国は赤字の財政を健全化させる為に、1円でも多く税収を増やそうと努力しています。

そんな状況下で、何でもかんでも大盤振る舞いはできません。

iDeCo
(画像=Getty Images)

今回の記事では、iDeCoで『節税できる』は嘘ではないが、正しくはない理由を説明させていただきます。

まず確定拠出年金で非課税・減税となる項目は2つあります

  1. 運用利益が非課税となる
  2. 投資元本を、所得から控除できる

①に関しては、金融庁が主導しているNISA制度と同じです。

しかも確定拠出年金の場合、NISA制度みたいに期限付き(5年、20年)ではなく無期限となっています。

そして②の節税効果はNISA制度にはありません。

ここまでは確定拠出年金という制度がNISAより優れているところですが、問題はこの後です。

確定拠出年金では資産を受け取るとき、自分で拠出した投資元本も全て課税対象となります。

資産の積み上げ時と取り崩し時で、どの資産が非課税で何が課税対象となるのかをイラストにします(下図参照)

iDeCoで『節税できる』は、嘘ではないが正しくない
(画像=The Motley Fool)

つまり確定拠出年金の『節税』というのは、正しくは『課税の繰り延べ』であって、節税と呼ぶのは正しくありません。

なんせ投資先の商品が全額定期預金であっても、受け取る際は課税対象となってしまうのですから。

現在の税制度においては、確定拠出年金の加入期間が20年を超えると退職所得控除の適用額が大きくなりますが、現在この退職所得控除も改訂しようと議論されています。

退職所得控除の改訂に関する議論の観点は、一つの企業での勤務期間による控除額の是正です。

しかし国の財政事情を考えると、控除額の減額はあっても拡大は期待できないでしょう。

現在の公的年金控除も、いつかは減額される可能性があります。

そして勤務先が企業DBを併用した退職金制度の場合、退職所得控除をどのように適用させるのかも注意が必要となります。

確定拠出年金という制度は『節税できますよ』という甘い言葉だけで飛びつくと、後で想定外のことが起こるでしょう。

お金にまつわる話で『美味しいだけ』の話は存在しませんので、自分事としてよく考えて判断したいですね。(提供: The Motley Fool Japan


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