2020年は新型コロナの蔓延により、世界中の経済が大きな影響を受けています。

アメリカ市場はサーキットブレーカーが複数回発動し、日経平均は記事執筆時点だと1ヵ月で6,000円も下落しました。

今回の事態は世界中で同時に影響を受けていますが、日本だけが大きな経済損失を受けてしまい、不景気に突入する危険性は常にあります。

また、日本がインフレ傾向にあるということは、円建て資産のみのポートフォリオだと、資産価値が下がってしまう場合もあります。

そこで今回は、円建て資産のみのポートフォリオのリスクを解説します。

本記事では取引通貨が円である金融資産を円建て資産とします。

円で銀行に預金することや、売買の通貨が円である株式や債券、ETF、貴金属などを全て円建て資産とします。

株価
(画像=Getty Images)

円建て資産のポートフォリオはリスクがある

投資において重要なのは資産を増やすことよりも、資産を減らさないことにあります。

そのためには、分散投資や長期保有などをして、リスクコントロールをするのが大事だと言われています。

では、資産を減らさない銀行預金がもっとも優れた資産運用方法になるかというと、ある条件においては間違っています。

なぜなら、円で銀行預金をしていても、現金の価値は変動するからです。

たとえば、牛乳が1本200円だとすると、10,000円で50本購入できます。

この10,000円を銀行に預けたとします。数年後に引き出したときに牛乳が1本400円に値上げしていたら、25本しか購入できません。

10,000円という額面は変わらないのに、10,000円の価値が半減しています。

つまり、日本銀行が発行した10,000円という紙幣は、10,000円という額面を補償しているのであって、10,000円という資産価値を常に保証している訳ではありません。

日本円を円建て資産のまま保有していると、インフレが起きたときに資産価値が減ってしまいます。

アベノミクスは人為的なインフレを起こす政策

インフレとは物の値段が時間を追うごとに上がることを指します。

数年前の牛乳の値段が200円だったのが、いまでは400円になったという物価の上昇がインフレです

安倍首相の掲げたアベノミクスは3本の矢(異次元の金融緩和・大規模な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)と呼ばれる3つの経済政策を使って人為的にインフレを誘導する政策でした。

銀行を通じて市場に大量のお金を流し、貸出が活発になれば企業もお金を出して投資をするようになります。

国が公共事業を打ち出すことで企業は利益を上げやすくなり、ベンチャー支援などの中長期政策によって賃金を上昇し、雇用増加に繋がるという目論見でした。

その成否はともかくとして、日本のインフレ率は低いです。

前年比2%を目標とした日本ですが、アベノミクスがスタートした2013年~2019年の間で前年比が目標を越えたのは2014年のみになります。

それも2014年は消費税が5%~8%に上がったため、増税前の駆け込み需要による影響が多いと分析できます。

実質GDPも増税直前の2014年1~3月期は1.5%も上昇しています。

目標となるインフレ率2%に届いていないとはいえ、日本はインフレ傾向にあります。

そのため、円建て資産のみでポートフォリオを組んでいると、円の価値が下がってしまうケースに対応できません。

理想的な分散投資

一般的に分散投資は複数の企業の株式を購入したり、資産を債券や不動産、金、プラチナなどに分散することを指します。

確かに、複数の金融資産を所有しているのは分散投資として正しいですが、その資産を売却したときの通貨も考慮しましょう。

たとえば、株式や債券を分散投資で複数購入していても、全てが国内=円建て資産だと、円安が進んだときに影響を受ける可能性があります。

そのため、外貨建て資産もある程度保有しておくのが理想的な分散投資だと言われています。

ポートフォリオのバランスにもよりますが、売却したときの通貨が米ドルやポンドの外国株・外国債券などを所有しておくと、日本円の価値が下がってもカバーできます。

ポートフォリオは定期的にリバランスするべき

一方で、円建て資産にもメリットはあります。

それは日本がデフレ状態になると、円の価値が上がり、物価が下がります。

1本200円の牛乳が100円に値下げすると、10,000円の価値は2倍になります。

このような状況下だと、外貨建て資産が価値を減らしてしまい、結果としてトータルの資産価値が減ってしまうになります。

重要なのは、購入した金融資産のポートフォリオを放置するのではなく、定期的にリバランスすることです。

リバランスを定期的に行っていれば、資産価値が値下がっても利益を残すことも、資産価値が上がったときに利益を大きくできる可能性があります。

リバランスするタイミングは、投資家によって違います。投資への知識のほかに、投資に関わる時間や頻度が関わってくるため、毎月行うべきとは断言できません。

ただ、定期的にリバランスをしておけば、今回の新型コロナのような相場が大きく変動する事件に対処できます。

まとめ

以上が、円建て資産のみでポートフォリオを組むリスクの解説になります。

ポートフォリオの組み方は投資を始めたばかりの方には難しい内容です。

自分のポートフォリオに不安があるなら、投資信託のポートフォリオを参考にするのも一つの手です。(提供: The Motley Fool Japan


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