「退職金を思い切って投資に回したところ、予想外の損失が出てしまった……」という声を聞くことがあります。老後破産や老後貧乏は、決して他人事ではありません。今回は、退職金で資産運用をする際の注意点や、賢い老後生活を送るポイントを解説します。

退職金を手にした人が陥りがちな罠……無計画な投資は厳禁!

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(画像=emilie zhang/Shutterstock.com)

「退職金は老後の生活費に」と漠然と考えていても、いざ大金を手にしてしまうと、気持ちが大きくなる人は少なくありません。

「これまでがんばってきたし、少しぐらいいいだろう」という気持ちで、旅行や趣味にお金を使っていると、退職金はあっという間になくなってしまいます。また、旅行や趣味にお金を使う以上に危険をはらんでいるのが、投資です。

誤解のないようにいうと、投資そのものが危険というわけではありません。賢い投資で退職金を減らすことなく運用している人は数多くいます。恐ろしいのは、老後の生活について自分なりのプランを立てることなく、無計画に投資を始めてしまうパターンです。

退職金を受け取る時期になると、情報を入手した金融機関や不動産会社から営業を受けることがあります。投資の営業においては、売る側・買う側の情報格差が大きいことがよく問題点として指摘されます。

営業マンは、商品を売るプロです。「話だけでも聞いてみよう」と思って気軽に席についた結果、気が付いたら契約してしまっていたという人も多いようです。

たとえば、営業マンがよく使う「キャンペーンが終わるとキャッシュバックを受けられない」「低金利な銀行にお金を寝かせていてはもったいない」といった常套句があります。これは嘘を言っているわけではありませんが、この言葉に踊らされて意思決定を焦るのは危険です。

1万円のキャッシュバックを受けられなくなろうとも、受け取れる利息が少なくなろうとも、腰を据えてじっくり退職金の運用について検討することが重要です。

賢い資産運用への第一歩は、自分なりのライフプランを作成すること

賢く退職金を運用するうえで大切なのは、運用を始める前に、自分なりのライフプランを作成することです。詳細に作る必要はありません。現状の資産状況を整理し、ねんきん定期便などで受け取れる年金額を確認しましょう。

不動産会社や金融機関がライフプランを作ってくれる場合もありますが、当然彼らはビジネスですので、自分たちの提案が通るようなプランを作ってくる可能性は否定できません。面倒だと感じても、自分で一からライフプランを立てたうえで、金融機関や不動産会社の話を聞くようにしてください。

そうすれば、自分の作ったライフプランと金融機関や不動産会社が作ったライフプランとを比較し、ギャップを感じた際に指摘できます。

資産を「突発費用」「生活費」「余裕資金」に分ける

資産状況を整理したら、続いて資産を「突発費用」「生活費」「余裕資金」に分けていきます。

「突発費用」とは、自宅の修繕費・家電買い替え費用・医療介護費用・子どもへの援助・葬儀費用などです。夫婦2人で最低でも400万円程度は用意しておきましょう。子どもの結婚や住宅購入において援助を考えているなら、その分も上乗せします。

突発費用は基本的にいつでも引き出せる預金が適しています。子どもへの援助費用など、ある程度時期の見通しがつく場合は、預入期間の短い定期預金を選びましょう。

続いて、毎月の支出から年金や生命保険で受け取れる金額を差し引いた不足額を、「生活費」として確保しておく必要があります。仮に夫婦2人で毎月5万円が不足額だとすると、年間60万円が必要です。

生活費は、定期預金か個人向け国債などの手堅い商品で運用しましょう。期間を区切って定期預金に入れたり個人向け国債を購入したりすれば、使い過ぎを防ぐ効果もあります。ただし、既に投資経験があるなら、リスクの低い投資信託を活用してみてもいいかもしれません。

「余裕資金」とは、突発費用や生活費を差し引いたあとの金額です。余裕資金の範囲内で投資を楽しむことをあらかじめ決めておけば、老後破産や老後貧乏といった事態を防ぐことができます。

運用をプロに任せたいなら、投資信託やREITを選びましょう。自分で情報収集しながら投資の醍醐味を味わいたいなら、株式投資やワンルーム不動産投資などを選ぶのも1つです。

退職金を投資に回すことそのものが危険というわけではありません。重要なのは、自分できちんと老後生活の見通しを立て、営業マンに踊らされずに正しい意思決定をすることです。きちんとプランを作成し、自分に合った方法で資産運用を行いましょう。(提供:ANA Financial Journal

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