アート投資が他の投資とは異なる大きな特徴として、投資が「文化貢献」へと繋がることが挙げられます。

また購入した作品は「所有」する喜びと同時に、長い年月をかけて作品と共に過ごすことで様々な刺激や発見を得ることができます。

それは他の投資では得られにくい「アート」ならではの知覚体験的な面白さではないでしょうか。

また作品を購入することは、アーティストを直接応援することでもあります。

アート,美術
(画像=Getty Images)

例えばギャラリーでの個展に足を運び、アーティストが在廊日であれば直接お話をする貴重な経験を得ることも可能です。

「作り手」の姿勢や生き様を直接見ることが出来るのです。

そしてアート投資はアーティストの活躍によって作品が値上がりします。

もしも無名時代のアーティストの作品を持っていて、世界的なアーティストへと成長した場合、作品価値が数百倍に高騰するケースも珍しくないのです。

その成功を一緒に味わえるのもアート投資の面白さの一つではないでしょうか。

投資と文化貢献 ~資本主義のパラドックス~

そもそもアートマーケットがどのように成長したのかを知るためには、「使用価値」と「交換価値」の関係を理解すれば良いです。

両者が乖離すればするほど稀少性が高まります。

例えば17世紀にオランダで起こったチューリップ・バブルは、使用価値が観賞用でしかないチューリップに対して、バブル絶頂時には球根1個に対して馬車24台分の小麦、豚8頭、牛4頭、数トンのチーズやバターなどの全てが購入できるほどの価値がつきました。

これは多くの人々がチューリップ単体としての価値ではなく、チューリップに交換価値を求めたからこそ価格が上昇したのです。

つまり有用性が低く使用価値が低いものほど価値の転換が起こり上昇し、資本主義のパラドックスが起こるのです。

こうした特性がアート投資にも存在します。

それと同時に文化貢献としての側面も見逃せません。

アートは常にこれから成長する地域に向けられます。

その中心地も20世紀初頭のフランス、第二次世界大戦後のアメリカ、80年代後半にバブルが起きた日本、21世紀に入ると中東や中国も台頭してきており、経済大国になればなるほど他国から尊敬される為の「文化」が必要とされます。

そうした経済も文化も成長していく場所にアートは移動していくのです。

魅力的なアート投資の利回り

アートがまだまだ天井知らずのマーケットであることを感じる事例として、アジア最大級のアートフェアである「アートバーゼル・香港」の勢いは凄まじいものがあります。

毎年アメリカのマイアミで行われる「アートバーゼル・マイアミ」は世界有数のアートフェアですが、2019年、ついに香港がマイアミの売上を上回ったのです。

作品が動くことがわかると、世界有数のメガギャラリーが競うように集まってきます。

資本主義社会では、資本は常に新しいパイオニアの元へと移動するので、アートの中心地がパリからニューヨークへ移ったように、香港や中東も確実にアートの磁場が強くなっています。

特に香港はアジアにおける現代アート中心地として今後も長く君臨するはずです。

資本主義が拡大するようにアート市場も拡大していくのです。

実際2018年度の世界の美術品市場は6%上昇しており、市場規模は7兆5000億ドルに到達しています。

2004年に300億ドルに到達してからずっとその市場規模は拡大しているのです。

マーケットの拡大と同時にもう一つの理由を挙げるならば、美しさには限界がなく、絶えず新しい発見があることではないでしょうか。

それによって常にアートは美を拡張し続けているのです。

また投資という側面からもアートは面白い存在です。

例えば過去10年間において、S&P500以上の利回りを達成したアート作品も数多く存在するからです。

消費社会とアートの関係

2019年5月15日は現代アートにおける記念すべき日となりました。

オークション会社のクリティーズでアーティストのジェフ・クーンズの作品「ラビット」が、生存画家としては最高記録となる107万5000ドル(約100億円)で落札され、これは2018年にデイヴィッド・ホックニーが記録した9031万2500ドル(約99億円)を更新したのです。

このラビットという作品はステンレス製のうさぎの彫刻作品ですが、軽やかに見えて実はずっしりと重たい無垢であることも特徴です。

これは消費社会における現実の重さと軽さの両方を表しているのです。

作品を前にして見るという行為がいかにいい加減かを提示しています。

上手にアート作品を購入するために

現代アートというジャンルは第二次世界大戦後の1950年代から現在までのアートのことを指しています。

そして投資という側面から見た場合、この「現代アート」が歴史が浅い分、まだまだ評価が定まったとは言えず、投資の期待値が1番高いのです。

アートは興味があるけど難しいと思う方は、現代アートの歴史や流れを知ることで、ずっと身近なものと感じるはずです。

なんとなく「好き」であるから「具体的な好き」へと変わってくるはずです。

実際に購入する方法としては、現代アートを扱うギャラリー、アートフェア、オークション(セカンダリーマーケット)、ECサイトなどがあります。

まずはどんなアート作品があるのか巡って楽しんでみましょう。

まずは10万円から始めてみよう

アート作品を気軽に購入する目安として「10万円」をオススメします。

この金額であれば国内の若手新人作家から中堅作家の作品を購入できる可能性がとても高く、実際に購入しようと探すことでアート市場におけるアーティストの相場のようなものが見えてくるはずです。

実際、アート作品を購入して楽しみながら資産運用している優秀なコレクターは、例外なく膨大なアート作品に触れています。

真剣にアートと向き合う経験によって、優れたアート作品を見つけられる確率が高くなるのです。

終わりに アートの価値はどのように決まるのか?

アートの価格は需要と供給のバランスで決まります。

また希少性だけで価格が上昇する世界でもありません。

アーティストの年齢や人気、制作した時代や点数、存命か物故か、様々な条件によって価格が決まるのです。

アートの価値は目に見えないものですが、高値を作り出すメカニズムは抽象的な価値の生産と関連しており、それがアートを作り出す「物語」と繋がっているのです。

アートの価格は目に見えない価値の長さが集積されているのです。(提供: The Motley Fool Japan


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