金融
(画像=Vitchanan Photography/Shutterstock.com)

地域金融機関の若き現役役員が示す、新時代の行職員のあり方&キャリアデザインのヒント

ここ数年の間に金融機関へ入社された読者の皆さんは、昨今の新卒採用市場の状況を、だれよりもよくご存知だろう。皆さんは現況を把握し、自身の最初のキャリアとして「金融機関で働くことを選んだ」方々である。

念のため説明しておくと、現在の採用市場のトレンドは、いわば「金融機関不人気」。文系・理系とも「就職したい業界」の上位にランクしていた金融業界は近年人気を大きく下げており、復調の兆しがない。これはここ数年、実際に採用を担当している私の肌感覚とも一致している。どうしてそんな状況になってしまったのか。それは学生が業界の未来へ不安を抱き、金融機関で働くことに魅力を感じなくなっているからである。

マイナス金利以降の収益性低下による経営懸念、フィンテック企業による新しい金融サービスの台頭、オーバーバンキングを背景とする組織再編の促進、昭和の価値観が残る硬直的な組織構造・文化ーー。こうしたネガティブな要素が報道やSNSで日々語られているのも一因だろう。しかし、こうした周辺で起きている事象は結局ただの事象でしかない。それらがどんな未来につながっていくかは、各金融機関、そして皆さん自身の動きにかかっている。

金融業界は今、大きな岐路に立たされている。「変わることを求められている」と言い換えたほうがよいかもしれない。社会の中で必要とされる存在であり続けるためには、社会が求める期待に応えなくてはいけない。

期待に応えられたときに初めて、その存在は価値を持つ。金融インフラという重要な役割を担いながらも、刻々と変わる社会の中で、「金融機関が実際に果たしている役割・意識」と「社会から求められている期待」との大きなギャップが生じてきている。このギャップを的確に捉えなければならない。「自分たちが果たすべき役割」に向けた組織変革を起こせない金融機関に、そして金融パーソンに明るい未来はないだろう。

金融機関とその無形資産はポテンシャルを秘めている