世界一の投資家ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが継続して米航空大手の株を保有しています。

そしてコロナウィルスの影響で株価が下落している最中、デルタ航空(NYSE:DAL)株の買い増しを2月27日に行いました。

今回はデルタ航空を中心に揺れる米航空業界を考察していきます。

デルタ航空
(画像=Getty Images)

バフェット銘柄、デルタ航空とは

デルタ航空はアトランタを拠点に置く米国を代表する大手航空会社です。

メインハブ空港であるアトランタ国際空港を拠点に、1日約4,900便を超えるフライトと6大陸に就航する数少ない航空会社です。

米国ではアメリカン航空(NYSE:AAL)についで世界2位、保有する機材数では世界1位、また航空連合スカイチーム(現在19社)の中心的な会社です。

しかし2005年には、原油高の高騰による燃料費の増加とアメリカ東部を襲ったハリケーン・カトリーナで経営は悪化。

2007年には経営破綻(運行は継続)しますが、その後、ニューヨーク証券取引所に再上場しています。

バフェットは少なくとも2013年までの時点では米航空業界への投資を考えていませんでした。

ではなぜ一転して投資することにしたのかを考えることが大切です。

2012年の世界的金融危機のあと、米航空業界は人件費の削減と燃料価格の低下などによって過去最高益が続いたことも要因でしょう。

21世紀に入り、次々と航空会社が破綻して消えていき、米国の航空産業が大手4社による寡占状態に入り、各社による差が少なくなったことも要因の一つと推測できます。

またマーケティングの側面から見ていくと、多くの業界が大手4社に集約されていきます。

この段階に入ると業界が成熟期に入ります。過当競争が終わり、業界が極めて安定した状態になるのです。

実際、バークシャー・ハサウェイはデルタ航空を中心に米大手4社に分散投資をしています。

ではなぜデルタ航空なのかというと、最も財務状況が優秀だからです。

だからこそバフェットはコロナウィルスで株価が下落する最中でも「買い」の判断をしたのです。

米航空会社とチャプター11

航空業界は大手4社に再編されるまで特に競争が激しく、収益性も低い業界でした。

そのため金融危機が起きると度々経営破綻することも珍しくなかったのです。

その際に「チャプター11(連邦倒産法第11章)申請」という方法で処理され、驚くことに大手4社はすべて破綻を経験しています。

1990年以降100社以上がチャプター11に該当し、頻繁に破綻と再生と合併を繰り返すことでコストカットしながらも、債権放棄することなく復活してきた歴史が米航空業界の辿ってきた歴史なのです。

コロナウィルスの影響とシナリオ

コロナウィルスの影響で人の流れが一時的に遮断され、航空業界は極めて厳しい状況にあります。

突然、就航本数が大幅に減少し、リーマンショック級の窮地に追い込まれています。

そうした最中の3月16日に、トランプ大統領は米航空業界を「100%支援」すると表明しました。

その理由として、今回の状況は航空業界に問題があったわけではなく、あくまでもコロナウィルスによる移動制限が経営悪化の要因だからです。

また航空業界が倒産してしまうと、物流や人の移動などの二次的な問題を誘発するため大きな混乱を引き起こします。

米国経済の早期復活のためにも政府による全面的な支援が続くはずです。

なぜバフェットは航空業界に投資するのか?

WHOが正式にパンデミックを認めたコロナ・ショックは、航空業界へも悪影響を及ぼしています。

実際デルタ航空も今年の業績見通しを取り下げており、しばらく減便が続きます。

ではなぜバフェットがこのような状況で投資をするのかというと「コロナ・ウィルスは深刻であっても人類の進歩を止めることはない」ということを確信しているからです。

つまり人類の進歩とは、過去や現在においても様々な困難を乗り越えてきた積み重ねであり、今後も成長が止まらないことをバフェットが誰よりも熟知しています。

またバフェットは長期投資家として常に「時間」を味方につけてきました。

新型コロナが収束さえすれば、航空業界も再び活気がつき、株価も大きく反発するはずです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は記事内で言及されている銘柄を保有しては一ません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。