この春、新しく社会人になった人の中には、早くも給与を何に使おうか考えを巡らせている人もいるだろう。趣味や資格取得などに使うことも有意義だが、将来に向けての資産づくりにも関心を持ってほしい。

社会人になったら“とりあえず100万円”貯めよう

資産運用
(画像=PIXTA)

社会に出ると、車や住宅の購入、結婚や出産など人生の節目でまとまったお金が必要となるシーンが訪れる。その際に困らないよう資産形成の意識を持っておくことが大切だ。社会人になったこの機会に資産形成の意識を持つための第一歩として100万円の貯蓄を目指してみてはいかがだろうか。

100万円というまとまったお金があれば、急な冠婚葬祭の出費や資格試験のための学校通い、転職した際の当面の生活費などをまかなうことができるだろう。一般的には、病気や失業などの緊急事態に備えて約半年分の生活費を確保しておくのが望ましいといわれている。100万円はそうした事態に備えるにも適切な金額だ。

「まとまったお金を貯める練習」として新社会人にとって100万円はちょうどいい目標と言えるだろう。

100万円貯金のカギは先取り貯蓄

実際に100万円もの大金をどのように貯めればいいだろうか。一般的に貯蓄額の目安は一人暮らしなら手取り月収の1割、実家暮らしなら2~3割程度だ。例えば、手取り月収20万円で一人暮らしの人なら毎月2万円を貯蓄すれば4年2ヵ月で100万円貯めることができる。ボーナスからも貯蓄するようにすれば、かかる年数をさらに縮めることが可能だ。

とはいえ月々の貯蓄を続けるのは簡単ではない。給与が振り込まれたあと、貯蓄用口座に毎月2万円を手動で移動させるのは面倒だろう。最初こそ貯金に対するモチベーションが高かったとしても「資金を移動することを忘れる」「生活費が足りなくなって移動する前に使ってしまう」といったことも十分起こり得る。

そこで活用したいのが給与から決まった額をあらかじめ天引きする「先取り貯蓄」だ。勤務先に財形貯蓄があれば、ぜひ活用してほしい。給与から貯蓄額を差し引いた残りが給与口座に振り込まれるので貯蓄用口座にお金を移す手間がかからず確実に貯蓄ができる。こうした財形貯蓄は貯蓄開始後、1年が経過すると引き出しが可能になる場合が多い。

勤務先にそうした制度がなければ、銀行の「積立式定期預金」や「定額自動送金」を利用すればいい。積立式定期預金は、毎月一定額を普通預金から定期預金に口座振替するものだ。また、定額自動送金は、指定した振込先に一定額を毎月送金するサービス。給与振り込みの銀行口座から異なる銀行の口座に貯蓄ができるため非常に便利だ。

また、貯蓄と同時に進めたいのが出費のチェックだ。ムダな出費を控え、節約を心掛けることも100万円を貯めやすくするコツだ。スマートフォンなどの通信費や保険料、家賃はもちろん、コンビニでのなにげない買い物や外食など「本当に必要なものなのか」「コストを抑えて別のもので代替えできないか」を問い直す習慣をつけておきたい。

貯まった100万円をどうするか

貯蓄に励み貯蓄100万円を達成後、そのお金をどうすればよいだろうか。何もしないで預金口座に預けておいてもわずかな利息が付くだけだ。2020年3月時点でメガバンクの普通預金金利は0.001%、定期預金1年物の金利は0.01%である。もし100万円を普通預金に1年間預けても利息は10円、定期預金1年物でも100円(どちらも税引き前)にしかならない。

そこで、100万円を「使いどき」に合わせて3つに分けてみよう。

・すぐに必要なお金:急な出費に備えるお金、生活に必要なお金
・数年後に使う予定があるお金:車や家、結婚のための資金
・当面使う予定がないお金:老後の備え、余剰分

分類したお金は、例えばそれぞれに貯金する場所を以下のように変えておくことをおすすめする。

すぐに必要なお金
普通預金に入れておいて必要に応じて出せるようにしておく。

数年後に使う予定があるお金
定期預金などリスクが低い商品を選択し元本保証を確保しつつ普通預金よりは金利のよい商品に預けておく。

当面使う予定のないお金
使っても生活に支障がない余剰金であることが前提だが、投資にチャレンジし収益を目指す。

投資商品には投資信託や外貨預金、株式、公共債など多種多様な商品がある。どの商品を選べばよいか分からないという人は、税金の優遇制度が受けられるものがおすすめだ。

例えば、「NISA」といった少額投資非課税制度を利用するのも選択肢の一つだろう。「NISA」の対象となる商品は、金融庁による基準をクリアした投資信託や上場投資信託に限られている。そのほかにも、中長期で資産形成に向いている投資信託には数多くの種類があるので、それらを検討してみてもいいだろう。

まとまったお金を作ることは、社会人の貯蓄の方法や金銭感覚を身に付ける練習になるうえ資産運用のきっかけにもつながる。ぜひ“とりあえず”100万円貯金に挑戦してほしい。