「共働き」世帯のほうが「片働き」よりも世帯資産が少ない――。そんな驚きの調査結果が出ている。その理由としては、共働き世帯が陥りやすい「2つの罠」が影響していると考えられている。もしあなたの家庭が共働きであれば、すでにその罠にハマっている可能性があるので注意したい。

片働き世帯より世帯資産が89万5,000円低い

共働き
(画像=PIXTA)

フィデリティ退職・投資教育研究所は、2019年に実施した「サラリーマン1万人アンケート」(回答者5974人)の中で、共働き世帯と片働き世帯の平均世帯資産を比べている。その結果、共働き世帯の世帯資産は平均1,232万7,000円で、片働き世帯の1,322万2,000円よりも89万5,000円低い結果となった。

このアンケート調査では、世帯年収の平均も算出している。共働き世帯の年収平均は808万2,000円で、片働きの700万2,000円よりも108万円多い。共働き世帯のほうが世帯平均年収は多いのに、なぜ平均世帯資産では逆の結果になっているのだろうか。

世帯年収
(出典:フィデリティ退職・投資教育研究所「サラリーマン1万人アンケート」2019年)

世帯年収や資産を夫婦で共有できていない?

こうした結果についてフィデリティ退職・投資教育研究所は、2つの仮説を立てている。

1つ目は、共働き世帯では夫婦で働いているために世帯年収は高いものの、それぞれの収入について情報がしっかりと共有できていないのではないか、という点。2つ目は、資産形成に夫婦一丸となって取り組めていないのではないか、という点だ。

仮に共働き世帯の夫が年収500万円、妻が年収300万円だったとする。それぞれの年収を知らなければ、世帯収入を知ることはできない。預貯金額も共有しなければ、世帯資産も当然分からないだろう。

こうした状況になってしまうと、夫婦でどれだけ節約し、どれだけ貯金していこうか、という計画について話し合うことができない。そうした状態であれば、老後の生活資金に関する相談も夫婦間でできておらず、資産運用の計画を作るためのスタートラインにすら立てない。

共働き夫婦にこうした傾向があることは、はっきりと数字にも表れている。「サラリーマン1万人アンケート」では、共働き世帯と片働き世帯における「投資をしている人の比率」も比べている。

その結果、共働き世帯の人は投資をしている人の比率が38.9%、片働き世帯の人は45.2%となっており、共働き世帯のほうが資産形成のために投資をしている人が少ないことが分かっている。

世帯年収
(出典:フィデリティ退職・投資教育研究所「サラリーマン1万人アンケート」2019年)

共働き世帯がこうした状況に陥らないために

では共働き世帯がこうした状況に陥らないために、どのような対策に取り組むことが重要だろうか。一例として考えられるのが、「情報共有」「ライフプランの作成」「計画的な貯蓄と資産運用」という3ステップだ。

1.情報の共有

第一歩は、お互いの年収や貯蓄についての情報を共有することだ。

共働きの場合、家賃や生活費を一定割合ずつ出し合い、残ったお金は各自自由に……というケースが多い。しかし、そのままだと資産形成に向けての計画を練ることすらできない。きちんと共有認識として持ち、お互いの情報を開示する必要がある。

2.ライフプランの作成

お互いに年収や貯蓄の情報を伝え合ったら、その時点での世帯年収と世帯資産がやっと見えてくる。そうすれば「ライフプラン」の作成に取り掛かることができる。

お互い何歳まで働くつもりであるのか、老後の暮らしで保ちたい生活水準などについて夫婦で話し合っていけば、今後のために必要な資産が見えてくる。このように話を進めていけば、資産運用などに対する関心が夫婦の間で自然と高まっていく。

ちなみにライフプランの作成においては、お金のプロにアドバイスをもらうことも視野に入れておこう。例えば保険を活用した資産運用などについては、理解が難しい場合もある。

3.計画的な貯蓄と資産運用

情報共有をし、ライフプランも作成したら、その後は夫婦で計画的な貯蓄と資産運用に取り組んでいくことになる。

個々人により求められる老後のための準備

「人生100年時代」という言葉がすでに当たり前に使われる時代になった。2019年は「老後2,000万円問題」もテレビや新聞で大きな話題となった。高齢化が進む一方で働き手世代が今後ますます減る日本では、個々人が老後の生活のために、よりしっかりと準備をしておくことが必要となる。

それぞれの年収や資産を口にしにくい夫婦もいるかもしれない。しかし、老後の生活などのことを考えるならば、第一歩となる情報の共有は必要不可欠だ。この機会にじっくりとライフプランの作成も含め、夫婦で話し合う時間を作ってみてはいかがだろうか。