「20代のうちは、健康のことなんてそれほど気にしなくて大丈夫。ましてや人間ドックは必要ない」と考える人も多いでしょう。

最低限の知識を持っていないと、今知らず知らずのうちに積み重ねた生活習慣が歳をとってからの体調に悪影響を及ぼすということも起こり得ます。

今回は、20代から意識しておきたい生活習慣や知っておきたい病気の基礎知識を解説します。この機会に、自身の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

20代は定期健康診断で十分?

人間ドック
(画像=PIXTA)

「20代は定期健康診断で十分」「人間ドックは40代からで大丈夫」と考えている人も多いでしょう。しかし、若いうちから人間ドックを受診するなどといった、「健康への投資」には様々なメリットがあるのです。

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現代の20代の生活の問題点と人間ドックの受診をオススメする理由

現代の20代の生活は、これまでの世代とは異なってきています。

1995年に全国で約2万店強だったコンビニエンスストアの数は、2019年までに55,000店を超えており、現代の20代の人たちの食生活にも大きな影響を与えています。コンビニで売られている食品には、便利で美味しく、「多くの人の口に合う」という目的を満たすために、添加物や塩分や脂肪などの摂取量が増えやすいという傾向があります。

また、スマホ時代になったことで、眼のピントを合わせる力である「調節力」が若いうちから50代並みに衰えてる、「スマホ老眼」のようなケースも散見されるようになってきています。

さらに、女性の罹患率が非常に高い子宮頸がんは、20代後半から増加し始め、40代でピークを迎えます。子宮頸がんは性交による感染によって引き起こされ、初期の自覚症状はほとんどありません。早期発見できれば切除によって日常生活に戻れますが、発見が遅れると、死亡に至ることもあります。

20代の場合、職場の飲み会などで、お酒を飲み過ぎてしまうことも多いでしょう。

過度な飲酒は肝障害・膵炎・脂質異常症・糖質異常症・高尿酸血症・高血圧症・食道がんなどさまざまな病気を引き起こします。

加えて、大量の飲酒は脳の萎縮を促進させることもわかっており、意欲や理性、感情など人間にとって大事な機能を司る前頭葉の働きに障害を引き起こします。長期に渡って多量の飲酒を続けると、アルコール性認知症になるリスクもあります。

「厚生労働省国民健康栄養調査(2018年)」によると、20代の喫煙率は、女性10.8%に対して男性25.7%と、男性の方が高いこともわかっています。

たばこによって引き起こされることが科学的に推定されているがんには、鼻腔・副鼻腔がん・口腔・咽頭がん・喉頭がん・食道がん・肺がん・肝臓がん・胃がん・膵臓癌・膀胱がん・子宮がんなどがあります。

また、がんの他にも、脳卒中や歯周病、呼吸機能低下、結核、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤、末梢性の動脈硬化など、さまざまな病気を引き起こすことが、科学的に推定されています。

20代は意外とたくさん当てはまる?生活習慣にひそむ病気のリスク

これまで説明してきたように、20代の生活にも様々な健康上のリスクが潜んでいます。生活にひそむ病気のリスクに敏感になり、早いうちから健康意識を高く持つことが大切です。

まず、生活習慣病や癌になりやすい生活習慣・生活環境を紹介するので、チェックリストとして活用し、何個当てはまっているか確かめてみてください。

・たばこを吸う。 ・たばこを吸わないが、家庭、職場、飲食店、遊技場などで他人のたばこの煙に毎日さらされている。 ・お酒を毎日2合以上飲む。あるいは週に14合上飲む。 ・立っているか座っていることが多く、ほとんど身体を動かさない。 ・太り気味、もしくはやせ気味である。 ・塩辛い食事が好きで、塩分の摂取量が多い。 ・野菜や果物をほとんど食べない。 ・牛、豚などの赤肉を週500g以上食べる。ハムやソーセージなどの加工肉を毎日のように食べる。 ・熱い飲食物を好んでとる。

(独立行政法人国立がん研究センターの「がんを遠ざける生活習慣(2012年)」より)

また、生活習慣病は、自覚症状がないまま進行する疾患が多いので、意識していない普段の行動が将来の健康を蝕んでいることにも留意が必要です。具体的には、以下のような行動があてはまる場合は、一度自分の健康状態をチェックしてみてもよいかもしれません。

・水分補給に甘い飲料を選ぶ
・飲み会の後ラーメンを食べる
・「自分へのご褒美」と言って高頻度で嗜好品を摂る
・ストレス発散に暴飲暴食をする
・めんどうだからとファーストフード中心の食生活を送る

20代からの行動が運命を分ける

これまで解説してきように、飲酒、喫煙、食生活といった生活習慣は、長く積み重なることで後々に大きな影響を及ぼします。正常な状態から不健康な状態への傾きが大きくなれば、元に戻すのも難しくなります。

20代のうちから積極的に健康状態をチェックしたり、生活習慣を見直すことは将来に向けた必要な「投資」ともいえるでしょう。現在、世界中に大きな影響を与えている新型コロナウイルスも「20代は重症化しにくい」とされていますが、喫煙や肥満など重症化しやすい因子を持っている場合は重症化するケースもあるため、注意が必要になります。

つまり、20代から生活習慣が、「健康の曲がり角」とも言える30代以降も若さを保っていられるか否かの運命を分けるのです。そのため、まずは1年に1回受診する健康診断を受けっぱなしにすることなく、結果を通じて自身の体の状態を把握し、より詳細な情報が必要であれば人間ドックの受診を検討すると良いでしょう。

健康診断は自己投資の1つ

前述の通り、20代のうちは、症状が顕在化しにくいことから、無茶な生活をしてしまいがちです。しかし、その結果は身体の中の見えないところで蓄積し、30代・40代になって体調不良として表れてきます。

実践している人はそれほど多くありませんが、20代の頃から自分の健康に留意することは、100年の人生を送る上でとても価値のあることです。

20代のころに生活習慣が自身の健康に及ぼす影響について意識しておかなかった負債は、その後の人生に大きく影響します。また、若いうちに予想外の病気にかかると、自身が臨むキャリアを描くことができない可能性も出てきます。

早くから健康に「投資」することで、その後の人生の満足度を高めることもできるでしょう。つまり、20代から健康を意識することは、自分の思い描く人生を実現するための、パフォーマンスに優れた投資でもあるのです。