モトリーフール米国本社、2020年3月16日投稿記事より

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界の株式市場は急落し、ダウ工業株30種平均(DJINDICES:^DJI)は直近の高値から30%近く下落しています(執筆時点)。株式の比重の高いポートフォリオを組んでいる場合は大きな打撃を受けていることでしょう。

しかし、株式市場が下落する一方で債券市場は極めて好調で、株式と債券でバランスの取れたポートフォリオの場合は持ちこたえています。

暴落
(画像=Getty Images)

利回りは低下、価格は上昇

FRBが緊急利下げを行ったことで、債券利回りは大幅に低下しています(執筆時点)。

利回りが低下すると債券の魅力も薄れると思われがちですが、利回りが低下すると、利率の高い既発債は利率の低い新発債よりも魅力が高まり、価格が上昇します。

これが債券投資の紛らわしいところです。

金利が低下している時、債券は、期間が長いほど価格が上昇する傾向があります。

上場投資信託(ETF)のピムコ25年超ゼロクーポン米国債(NYSEMKT:ZROZ)は年初来で約30%、iシェアーズ米国債20年超ETF(NASDAQ:TLT)は20%、iシェアーズ10-20年米国債ETF(NYSEMKT:TLH)は16%上昇しています(執筆時点)。

債券価格を押し上げている要因

歴史的に、債券は株式の優れた代替投資先とされてきました。

中でも、米国政府という十分な信頼と信用に裏付けられた米国債は、デフォルトのリスクが皆無に等しく、安全な投資先と見なされています。

本来、債券のリターンにおいては利率が大きな比重を占めるはずですが、昨今の低金利環境では、リターンの大半は利回りの低下に伴う価格上昇によってもたらされています。

30年国債でさえ利回りは1%をわずかに上回る程度で、リターンを期待するには金利が一段と低下するしかありません。

債券価格は上昇し続けるのか

投資の専門家は何年も前から債券価格がピークに達したと言い続けていますが、国債利回りが過去最低を更新する中で債券価格は上昇し続けています。

米国以外の一部の国では国債利回りがマイナスに転じています。

しかし、上に挙げたような債券ETFは、国債利回りが上昇すると価格が下落する可能性があります。

2016年後半に国債利回りが1%ポイント上昇した時、ピムコのETFの価格は20%以上下落しました。

株式市場が回復して国債利回りが上昇したら、今度はポートフォリオの株式部分が債券部分の損失をカバーする番です。これこそが分散ポートフォリオの長所です。

過剰投資に注意

バランスの取れたポートフォリオを望むなら、資産配分戦略の一環として債券を若干買い増すのは悪い選択ではありません。

しかし、株式を全て売却して債券に切り替えようと考えているとしたら、既に債券価格は上昇しているためにこれ以上の上昇はあまり見込めず、結果的に最悪のタイミングに切り替えたと後悔することになる恐れもあります。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Dan Caplingerは、記事で言及されいている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されいている株式を保有していません。