モトリーフール米国本社、2020年2月20日投稿記事より

年明け2カ月足らずの間に株価が既に2倍以上に上昇している(執筆時点)、バイオ医薬品3銘柄を紹介します。

バイオ医薬品
(画像=Getty Images)

1. アナベックス・ライフ・サイエンシズ

アナベックス・ライフ・サイエンシズ(NASDAQ:AVXL)の主要な新薬候補である「2-73」について、期待を高める内容のニュースが好感されたことで、年明けから株価は128%上昇(注:執筆時点)しています。

臨床段階にある「2-73」はアルツハイマー病やその他の神経系疾患向け治療薬で、1月にパーキンソン病から派生する認知症の患者120名の第2相臨床試験の被験者登録を終えたのに続き、2月には米食品医薬品局(FDA)からレット症候群(まれな神経疾患の一つ)向けの新薬承認プロセスのファースト・トラック指定を受けました。

第3相臨床データが揃えば、新薬承認の審査プロセスが加速する可能性があります。

「2-73」に関し神経系疾患に対する有望な結果が得られれば、同社の株価はさらに上昇する可能性がある一方、投資家は安全な距離感を保つ必要もあるようです。

同薬に関し、初期のアルツハイマー症候群患者32名に対する良好な第2相臨床試験結果が示されてから既に4年近くが経過していますが、新薬承認のカギとなる最終臨床については、必要とする登録患者数(450人)の半分ほどしかまだ確保されていません。

世界にはアルツハイマー病患者が約4400万人いることを勘案すると、同社は急いで最終臨床を進めようとはしていないようです。

2. バイオエクセル・セラピューティクス

サントラストのアナリストが バイオエクセル・セラピューティクス(NASDAQ:BTAI)の目標株価を、現在の株価水準を275%上回る150ドルに引き上げたことで、それまで軟調だった株価は急騰し、年初からの上昇率は167%(注:執筆時点)です。

バイオエクセルは、術後の鎮静薬であるデクスメデトミジンの新たなデリバリー・メカニズムを開発しています。

主要な新薬候補である「BXCL501」はデクスメデトミジンを舌下投与のフィルム製剤にしたもので、統合失調症、認知症、オピオイド離脱により引き起こされる興奮状態に対する急性治療薬として臨床段階にあります。

同社が株式上場を果たしてからまだ2年経過していませんが、興奮症状のある統合失調症患者を対象とする「BXCL501」の最終臨床試験が既に開始されています。

同薬は認知症により引き起こされる興奮症状についても臨床が進められており、さらにオピオイド離脱症状に関する臨床試験の実施についても、最近FDAから承認を得ました。

統合失調症に関する最終臨床結果は今年半ばには公表される見込みで、有望なデータが示されれば株価はさらに上昇する可能性があります。

「BXCL501」の有効成分について理解が進んでいる点を考慮すると、十分に期待は持てるでしょう。

3. アダプティミューン・セラピューティクス

改変T細胞によるがん治療は、血液系のがんには効果が認められている一方で、固形がんには同様の成果は得られていません。

2015年に株式新規公開を果たし、免疫療法製品の開発を進めるアダプティミューン(NASDAQ:ADAP)が挑むのはこの分野です。

株価は年明け以来、235%上昇(注:執筆時点)しています。

固形がんの露出表面積は十分でないものの、同社は自社が研究する改変T細胞で4人の患者に部分奏効が認められたと1月半ばに発表し、これを受け株価は急騰しました。

しかし、これで投資家が胸をなでおろすには早過ぎると言えます。

報告された4つの奏効は、異なる研究内容に関する別々の臨床から得られたもので、うち2つは非公式のものです。

また、奏効の観察期間を明示していないのは、リスクに見合う説得力のある効果だと結論付けるには十分とは言えない期間である可能性があります。

しばらくは状況の進展を見守るのが安全といえます。

これら3銘柄のうち、より有望な一つを挙げるとするなら、新薬候補の主要成分への研究や理解が進んでおり、意図した効能を得られている点から、バイオエクセルが最良の選択と言えるでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Cory Renauerは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。