モトリーフール米国本社、2020年4月6日投稿記事より

新型コロナウイルス危機を受けて経済活動が落ち込む中でも、ハイテク関連は健全に見えます。

結局のところ、景気後退局面でもお金の動きは止まることはないものの、混乱によりビジネスのあり方が変わる可能性があると言えそうです。

今回の危機ではデジタル経済への移行がすでに急速に進んでいるようです。

そうした流れを捉えることができるハイテク株として、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)事業者のファストリー(NYSE:FSLY)、半導体企業のエヌビディア (NASDAQ:NVDA)、手術ロボットメーカーのインテュイティブ・サージカル(NASDAQ:ISRG)を取り上げます。

ハイテク
(画像=Getty Images)

ファストリー:インターネットトラフィックの増大が追い風となる注目銘柄

CDNとはウェブコンテンツをインターネットで高速かつ安定的に配信するために最適化されたサーバーネットワークであり、CDN関連銘柄のここ数週間のパフォーマンスは良好です。

背景には、自宅に閉じこもっている消費者や在宅勤務の従業員によるインターネット利用の増加により、トラフィックが急増していることがあります。

ファストリーは2019年の夏に株式公開された新興企業で、現在の株価は公開価格を下回っていますが、年初来のリターンはマイナス11%とS&P 500のマイナス24%をアウトパフォームしています(執筆時点)。

しかし、近い将来に同社を取り巻く環境が変わる可能性があります。

足元でもトラフィックは急増していますが、長期的なトレンドもトラフィックは増加する方向となっています。

インターネット通信設備大手のシスコシステムズ(NASDAQ:CSCO)は、インターネットユーザー数の増加、数十億台ものネット接続デバイス、ウェブベースのビデオコンテンツの増大が相まって、トラフィックが当面は2桁台のペースで成長するとしています。

こうした流れはファストリーのグローバルなCDNの輝かしい未来を約束しています。

同社の営業利益は依然として赤字ですが、2019年の売上高は前年比39%増の2億ドルでした。売上高の成長の大部分は既存顧客の利用量の増加によるものです。

上位顧客の多くがオンライン小売業者であり、その経済活動が打撃を受けると同社には目先的にはリスクが生じます。

しかし同社はストリーミングビデオやメディアを含む他の業界にも対応するCDNプラットフォームの構築を進めており、ウェブ開発者に無料の試用サービスを提供しています。

インターネットの重要性が高まる中でファストリーの成長余地は大きく、株式は買い場を迎えていると思われます。

エヌビディア:現在の収益の柱はゲーム向けグラフィックス、将来の柱はAI

画像処理ユニット(GPU)のパイオニアであるエヌビディアは、新型コロナウイルス危機が収束した後の世界に向けて好位置につけています。

GPUは今後長期にわたり、自然言語処理AI、ロボット、産業機械、自動運動車、5Gモバイルネットワークなど、新しい様々な用途で使用される見込みです。

こうした動きは同社に大きな成長機会をもたらすでしょう。

とはいえ、エヌビディアは足元でも見どころがある銘柄です。

新型コロナウイルス危機に対応した景気刺激策が計画される一方、家に閉じ込められた消費者が時間を持て余しています。

ハイエンドのグラフィックボード向けのGPU開発最大手であるエヌビディアは、消費者がゲーム用PCをアップグレードする中で多くの新規ビジネスを獲得するはずです。

既に、処理能力の要求が最も厳しいゲームをプレイ可能な同社の次世代GPUを搭載したラップトップPCの新製品が100機種以上発表されています。

エヌビディアは売上高の半分以上をゲームとプロフェッショナルビジュアライゼーション用途から得ており、ラップトップPCへの同社のGPUの採用は重要です。

現在、古いPCをアップグレードする動きが加速していることも同社にとって追い風です。

同社の利益率とバランスシートも競争上の優位性をとなっています。

2019年の調整後営業利益率は34%と高水準で、長期借入金を差し引いた後の現金および現金同等物は89億ドルでした。

株価は年初から7%上昇していますが、最高値からは20%下落しています。

執筆時点の株価は2019年のフリーキャッシュフローの36.3倍ですが、同社の将来性を考えると割高とはいえません。

インテュイティブ・サージカル:目先の業績落ち込みを乗り越えれば再び成長する可能性は高い

投資家が安全な投資先を探す中、ヘルスケア銘柄が注目を集めており、中でもハイテク系ヘルスケア銘柄の株価は堅調です。

ライフサイエンス向けのクラウドコンピューティングサービスを提供するヴィーバ・システムズ(NYSE:VEEV)と遠隔医療大手のテラドック・ヘルス(NYSE:TDOC)はいずれも年初来で市場を大きくアウトパフォームしており、それぞれのリターンは10%、89%となっています(執筆時点)。

一方、ハイテク系ヘルスケア銘柄の中で出遅れている銘柄の一つがインテュイティブ・サージカルで、株価は年初来で22%下落しています。

しかし、このロボット手術界のリーダーは投資家が注意を払うに値する企業です。

病院や手術センター内のスペースを確保し、医療用消耗品を節約するため、多くの待機的手術(緊急でない手術)が中止されたり、延期されたりしています。

インテュイティブの売上高の大部分は、同社のロボット手術システムである「ダ・ヴィンチ」を使用した手術で必要となる消耗品によるものであり、今後1~2四半期は売上高が減少すると予想されます。

しかし、この状況は短期間で終わるはずです。

パンデミックによる危機が沈静化すれば、待機的手術の需要回復により売上高は増加し、それまでの減少分を埋め合わせるでしょう。

しかもバランスシートは健全です。2019年の調整後営業利益率は56%と高く、負債はゼロで、現金および現金同等物は58億5,000万ドルに達しています。

つまり将来の事業拡大に向けた準備が整っています。

同社は最近、オルフェウス・メディカルの買収を完了し、事業領域を病院のデータ管理とITサービスへと広げました。

医療システムの一部としての同社の技術の長期的な潜在力に注目している投資家にとって、最近の株価の下落は贈り物のように思えます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Nicholas Rossolilloと彼の顧客は、インテュイティブ・サージカル株、NVIDIA株、テラドック・ヘルス株、ヴィーバ・システムズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ファストリー株、インテュイティブ・サージカル株、NVIDIA株、テラドック・ヘルス株、ヴィーバ・システムズ株を保有し、推奨しています。