日本証券業協会の調査によると、株を買わない理由として「ギャンブルのようなもの」が23.3%に上っている。日本でも投資に積極的な人も増えているが、こうした理由で投資を避ける人もいる。「投資」と「ギャンブル」の違いを改めて考えてみよう。

株式と投資信託は「ギャンブルのようなもの」?

投資
(画像=PIXTA)

日本証券業協会が2018年12月に発表した「証券投資に関する全国調査」では、全国の20歳以上の男女を対象に、金融商品の保有実態や投資に対する意識などを聞いている。中でも、株式や投資信託を購入しない理由に関する回答結果は興味深い。

「株式」と「投資信託」を購入しない理由のトップ3はそれぞれ以下のとおりだ。いずれも「ギャンブルのようなもの」が3位にランクインする結果となっている。

「株式」を非購入の理由(複数回答)
1位:十分な知識をまだ持っていない(26.0%)
2位:値下がりの危険がある(23.5%)
3位:ギャンブルのようなもの(23.3%)

「投資信託」を非購入の理由(複数回答
1位:十分な知識をまだ持っていない(20.0%)
2位:値下がりの危険がある(16.7%)
3位:ギャンブルのようなもの(15.9%)

特に預貯金のみを保有している層は、証券投資に対してギャンブルというマイナスイメージを強く持っていることも分かっている。

本当に投資は「ギャンブルのようなもの」なのか?

では、「投資」と「ギャンブル」にはどのような違いがあるのかを改めて考えてみよう。

投資は「プラス・サム」、ギャンブルは「マイナス・サム」

リターンの期待値がプラスになることを「プラス・サム」、逆にリターンの期待値がマイナスになることを「マイナス・サム」と呼ぶ。この考え方にあてはめれば、投資は「プラス・サム」、ギャンブルは「マイナス・サム」となるのが一般的だ。

多くの国の経済は中長期的にみれば右肩上がりに成長している。経済が右肩上がりに成長すれば、企業の株式価値も高まりやすい。例えば「株式投資」の場合、リターンの源泉はこうした継続的な成長にあることから、「プラス・サム」的な側面が強いと言える。

そもそも株式投資は、「その企業の成長を応援する」という要素もあり、企業が成長することを前提とした行為だ。もちろん銘柄によっては株価の値下がりが続くこともあるが、こうした点もギャンブルとの大きな違いだと言える。

一方、ギャンブルについて見てみよう。日本で認められたギャンブルは、公営ギャンブルである「競馬」や「競輪」、「競艇」、「オートレース」などがあるが、これらはすべて「マイナス・サム」に該当する。

これらのギャンブルにはすべて「胴元」としての運営母体・運営企業があり、運営側に利益が残るように設計されている。個人単位で見れば勝つ人も出てくるが、平均すれば必ず胴元側がもうかる仕組みになっていると考えられる。

老後に向けて資産形成するなら「投資」一択

このように「投資」と「ギャンブル」には、「プラス・サム」か「マイナス・サム」か、胴元がいるのかいないのか、といった違いがある。こうした違いを無視して、「投資とはギャンブルのようなもの」と考えてしまうのは、資産形成の機会を逃しているとも考えられる。

一方で、余裕資金を使って身の丈の範囲でギャンブルを楽しむことがあってもいいだろう。しかし、老後に向けて資産形成を考えるのであれば堅実な「投資」にも目を向けることが重要だ。

ただ「投資」と一口に言ってもさまざまな種類があるため、最後に代表的な投資の手法について解説して記事を締めくくろう。

株式投資

前述の「証券投資に関する全国調査」において保有率が13.0%と最も高かったのが「株式」だ。前回調査よりも保有率が伸びており、株式投資をする人が増えていることがうかがえる。

株式投資は株式会社が発行する株式を保有し、配当や売却益で利益を得る手法だ。株式投資を新たに始めるためには、証券会社に口座を開設する必要がある。

投資信託

「証券投資に関する全国調査」において「投資信託(投信)」の保有率は9.0%であり、株式に次いで2番目に多い結果となっている。

投資信託は資産運用を専門家に任せる金融商品で、投資信託ごとに運用方針が決められている。投資信託は銀行や証券会社など「販売会社」となっている金融機関で購入できる。

そのほかの投資手法

株式投資や投資信託のほかにも、「外国為替取引」や「不動産投資」などさまざまな投資手法がある。それぞれ特徴やリスクに対する考え方が異なるので、よく調べてから自分に合った手法を選びたいところだ。

将来のための資産形成に「投資」を始めてみては?

お金を増やすことを狙っているという意味では、「投資」も「ギャンブル」も似た側面があるかもしれない。ただ「プラス・サム」か「マイナス・サム」か、胴元がいるのかいないのか、といった違いがあることを知れば、明確に異なるものであるということが理解できる。

「人生100年時代」「老後2,000万円問題」といったキーワードがよく聞かれるようになる中、この機に将来のための資産形成として「投資」を検討してみてはいかがだろうか。