モトリーフール米国本社、2020年4月29日投稿記事より

前回の金融危機を振り返ると、ウォーレン・バフェットは無秩序な市場の沈静化に大きな役割を果たしたといえます。

アナリストが株式市場の終わりを予想し、投資家がマーケットに恐れを抱いている間、バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)は貪欲に株式を買い進めました。

バフェットは株式トレーダーではありません。

航空機
(画像=Getty Images)

投資を行うに当たっては、投資対象の厳密な定量分析や厳密な評価を行います。バークシャー・ハサウェイは、このことに非常に長い時間をかけます。

2009年の金融危機を、バークシャー・ハサウェイはアメリカの銀行への大規模な投資を開始する機会として利用しました。

バフェットは「株式市場は、ほぼ1年先に底をつけるだろう」と述べましたが、マーケットは予想以上に早く底を付けました。

バフェットの銀行への投資により、金融市場は落ち着きを取り戻しました。

前回の危機では、彼は投資家として積極的に動き、不安な投資家に同じことをするよう促しました。

バフェットのコロナウイルス戦略

新型コロナウイルスのパンデミックは、バフェットに次のケーススタディを提供しています。

現在のパンデミックは、どちらも圧倒的に恐ろしく一時的なものであるという点で、金融危機に似ています。

どちらもいつ終わるのかはわかりません。しかし、終わりが来ることは確定しています。

バークシャー・ハサウェイは、2009年の市場崩壊の際には積極的に株式を買い進めましたが、今回のパンデミックではそのような動きは見えません。

これまでのところ、バフェットはデルタ航空(NYSE:DAL)とサウスウエスト航空(NYSE:LUV)の株式を売却しています。

2008年の危機と今回の危機を比較したときの反応の違いは、とても興味深いものです。

ウォーレン・バフェットの行動の変化は、財政状態によるものではありません。

バークシャー・ハサウェイには、巨大な投資を行う流動性があります。

同社は長期借入をしておらず、2009年の590億ドルのキャッシュと比較して、現時点では1,240億ドルのキャッシュを保有しています。

現在の行動は、キャッシュの制約によるものではなく、投資対象の選別に時間をかけているのだと思われます。

最近の動きを分析する

バークシャーの財政状態には、全く問題がありません。

バフェットが2つの航空会社の株式を売却したのは、保有株式を10%未満に減らすことが目標であったと考えられます。

SECの規制では、公開企業の10%を超える株式を保有する株主は、同社を関連会社と見なさなければなりません。そうなると、投資家は連邦政府による監視を受けることになります。

これは、バークシャー・ハサウェイが航空業界の株式を大量に購入したいと考えていた場合、かなりの制約となります。

10%の規制を回避することにより、バフェットは柔軟性を得ることができます。

しかし、バークシャーの沈黙は依然として続いていいます。

急な航空会社の取引から数週間が経ち、マーケットは一時期の安値から大幅に回復しました。

バフェットの投資行動が見られないため、過去の危機よりも今回の危機について人々は深刻な見方をしているのかもしれません。

今回の危機は、歴史的な連邦政府の介入によって複雑になっていると思われます。

連邦政府は過去数週間にわたって過去最高レベルの流動性を打ち出し、財政および金融緩和を通じて、企業や個人に数兆ドルの流動性を供給しています。

航空会社は従業員の給与を維持するための現金を受け取っており、連邦準備制度は多くの企業に対して融資プログラムを実行しています。

大きなダメージを受けた産業のほとんどは、米国政府の援助を受けています。

ウォーレン・バフェットは、米国政府による支援を考慮したうえで投資対象を選ばなければなりません。

バフェットが2009年の金融危機の間に投資した有利な条件と比較すると、現在の投資環境は非常に難しいと言えます。

例えば、バークシャーは10年前にバンク・オブ・アメリカの優先株を取得することで年率6%の利息を享受しています。

バフェットは、マーケットが落ち着くのを待って政府の援助を受けていない産業に投資をしたいと考えている可能性があります。

今後注目すべき点

毎朝、私はPCを立ち上げるときに、「バークシャー・ハサウェイが苦しんでいる優良企業を買収」という見出しを見ることを期待しています。

S&Pは2月の高値から劇的に下落しました。

そのため、バークシャーによる大規模な買収の可能性はあると考えています。

バフェットは時間をかけています。いずれにせよ、バフェットの今後の動きが注目されます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Bradly Freemanは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)、デルタ航空株、サウスウエスト航空株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年6月の205ドルのショート・コール)。