現役証券アナリストが現地調査!新興国株投資で勝つ方法【1】スロー投資で狙う大きなリターン

2020年に入り、米国株式は史上最高値を更新、日経平均株価も28年ぶりの高値圏での推移が続いています。ただ、好調とはいえ、成熟した日米の株式市場の株価指数がここから数年で数倍になることはないでしょう。一方、ベトナムやインドといった新興国には夢があります。そこで、スローな投資で大きなリターンを狙える新興国投資に目を向けてはいかがでしょうか。アイザワ証券の今井正之さんが、新興国投資の魅力を4回に渡ってレポートします。

この記事をご覧の皆様は、おそらく海外や投資に関心の高い方々でしょう。では、「新興国投資」という言葉にどのような印象をお持ちでしょうか?何かワクワクするモノを感じて興味を持たれる方も多いと思います。反面、リスクが高いとの印象もあるのではないでしょうか?結論から言ってしまえば、どちらのイメージも正解です。新興国投資には、ワクワクするロマンがあり、そして「ハイリスク・ハイリターン」がつきものです。図にすると下のようなイメージでしょうか。ここでは、まず新興国投資がハイリスクとなる要因から説明します。

現役証券アナリストが現地調査!新興国株投資で勝つ方法【1】スロー投資で狙う大きなリターン

海外投資がハイリスクとなる一因として、為替リスクが挙げられます。仕事やプライベートで海外と関わりのある方は、為替レートが変動して得をした、あるいは損をしたという経験があるはずです。これが為替リスクで、海外に投資する際には為替リスクは避けられません。なぜなら、同じ海外でも米国や欧州など先進国の場合は国際的に信用されている通貨の裏付けがあるのに対し、新興国の通貨は信用が劣ります。そのため新興国通貨建ての投資は、為替リスクがより大きいのです。投資対象が株式の場合はこれに株価の変動リスクが加わりますから、余計にハイリスク・ハイリターンとなるわけです。

新興国投資は分散がキホン

現役証券アナリストが現地調査!新興国株投資で勝つ方法【1】スロー投資で狙う大きなリターン

上記の投資のリスクをできるだけ解消するためには、投資対象を分散し、長期間運用を心掛けることが重要です。分散の具体的な手法として、①債券・株式・不動産など性質の異なる資産を組み合わせる(ポートフォリオを組む)、②株式であれば性質の異なる複数の銘柄に分散する(銘柄分散)、③同じ銘柄の購入タイミングを分ける(時間分散)などが挙げられます。新興国に投資する際には、常にこの分散の基本を念頭に置いておきたいものです。次に、わざわざハイリスクをとってまで海外資産に投資をする意義について検証してみましょう。まずは下のグラフをご覧ください。

現役証券アナリストが現地調査!新興国株投資で勝つ方法【1】スロー投資で狙う大きなリターン

まずグラフの縦軸の数値から、①経済規模(GDP)と株価(時価総額)が、概ね同規模にあるという点が読み取れると思います。そして、②21世紀に入った頃から新興国の経済・時価総額の割合が急激に高まっている、という2つの事実が読み取れます。①は、経済規模と時価総額は、時系列で大体同じ様なペースで成長しており、逆説的に言えば、経済全体が成長しなければ株式市場全体も停滞することを示唆しています。何より1990年以降の日本の数値がそれを物語っています。②は、2000年頃を境に少子高齢化などの要因により先進国の成長鈍化が顕在化し、逆に中国やインドなど新興国の経済が急成長していることを表しています。これら2つの事実から、効率的な資産運用にはハイリターンの海外資産や新興国投資を上手く組み入れることの重要さが理解できるはずです。

投資の秘訣は、歴史を学び、自分の目で確かめること

随分前のことになりますが、冒険家で投資家のジム・ロジャーズ氏と新興国ファンドの父と呼ばれるマーク・モビアス氏に投資の秘訣について質問する機会がありました。2人の答えで共通している部分は「歴史を学ぶ」「自分の目で確かめる」の2点でした。

為替は明治に1ドル=1円で始まり、戦前は1ドル=15円ぐらいまでの円安、敗戦後は1964年まで海外渡航が制限され、1964年以降は「年1回、外貨持ち出し500ドルまで」という制限付きの自由化でした。海外投資どころか滞在費すら不足がちな金額ですが、これは紛れもなく歴史的事実であり、新興国の中には経済的な理由で外貨持ち出し制限がある国が今もあります。新興国投資を選択できるというは、先進国国民の経済的特権の一つではないかとも思います。

新興国の人口増加と生活向上が同時に起こっている

子供の頃学校で「富める先進国と貧しい発展途上国の経済格差が広がっている」と教わりました。しかし、今では発展途上国よりも「新興国」という言葉を耳にすることの方が多くなりました。21世紀に入り、新興国の経済力はどんどん向上しています。とりわけ中国を始めとしたアジア圏の成長と生活水準の向上は顕著です。経済統計ではなく私自身の渡航体験から「世界は本当に豊かになっている」と実感しています。次回からは具体的な新興国を取り上げて、解説していきます。

今井正之さん アイザワ証券商品本部 市場情報部アナリスト 国際公認投資アナリスト(CIIA)、CFP、1級FP技能士。アジア株式に強いアイザワ証券の市場情報部に所属。新興国、欧米市場のアナリストとして活躍。豊富なアジア新興国の企業訪問実績をもとに、現地の生々しい情報分析を伝えている。ストックボイス「東京マーケットワイド」にも出演中。

(提供:ANA Financial Journal

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