全世界で大きな影響を与えている新型コロナウイルスですが、5月に入り、世界的にウイルスの拡大にも一服感がみられてきました。日本を含めた世界各国で、停滞していた経済活動の再開に向けた動きが進んでいます。

株価をみると、日経平均は3月19日に付けた16,552円83銭から上昇基調をたどり、4月30日には2万円台を回復。1月の高値24,083円51銭から下落幅の半分を戻す「半値戻し」を達成して、コロナ相場は一服したようにも見えます。

とはいえ、市場には楽観論と悲観論が入り交じり、この先どうなるかはプロでもはっきりと予想ができないでしょう。未知のウイルスの感染拡大は、私たちの健康はおろか、経済にも今なお深刻なダメージを与え続けているからです。

先が見通せない中、個人投資家が着実に資産形成を進めるためには、まずは過去からヒントを得ることが大切でしょう。

そこで今回は、過去の経済危機時における株式と投資用不動産の安定性を比較しながら「コロナ禍」の資産形成について考えていきます。

コロナ,影響
(画像=PIXTA)

リーマンショック・東日本大震災時の株価動向

新型コロナウイルス拡大による経済危機にある今の状況から、過去の事例として私たちが真っ先に思いつく出来事が、2008年に発生したリーマンショックと、2011年の東日本大震災ではないでしょうか。

そこで、当時の日経平均株価がどのように変化したか、みてみることにしましょう。

2008年に発生したリーマンショックでは、リーマンブラザーズの破綻直前の9月の株価は約12,200円でしたが、10月になると約7,100円まで急落。わずか1カ月半の間に約5,000円、率にして約40%下落しました。

その後、2011年までの3年間、1万円前後でもみ合う展開が続きました。この低迷期は東日本大震災を経て2012年に安倍政権が誕生し、「アベノミクス」が打ち出されたことでようやく抜け出すことができたのです。

2011年3月の東日本大震災発生時には、1万円を超えていた株価は、土日を挟んで大きく下落し、発生から5日後には約8,600円まで下がりました。

下落率は約10.5%で、1987年のブラックマンデー(暗黒の月曜日)、2008年のリーマンショック後に次ぐ過去3番目となりました。この間、株式の売買が繰り返され、東証1部上場銘柄の97%が値下がりしました。

そして、この10年で2万円台半ばまで上昇してきましたが、今回の新型コロナウイルスの影響で再び、乱高下を経験することとなったのです。

リーマンショック・東日本大震災時の家賃相場動向

その一方で、投資用不動産から得られる収益である家賃の相場は、その間も大きな変化はありませんでした。

不動産専門のデータ会社『東京カンテイ』によると、首都圏ワンルームの平米あたりの家賃はリーマンショックの2008年は2,578円。一般的なワンルームの広さである20平米に換算すると、51,560円となります。

その後若干の下落はありましたが、2011年では、平米単価2,588円、2019年は2,886円とリーマンショック時と比べ約10%上昇。過去10年間の平均家賃単価は2,638円と安定しています。なお、これらは首都圏のデータになりますので、より賃貸需要の集まる東京に絞ればもう少し高い相場で推移します。

そもそも、不動産投資は運用商品ではありますが、人が生活するうえでは欠かせない『衣食住』のひとつを担うものですから、需要が完全になくなることはありません。今回のコロナ禍で、家賃の支払いが困難になった方を支援する公的制度(住宅確保給付金)の拡充が真っ先に行われたのも、不可欠なライフラインだからこそと言えます。

今のところ、コロナ禍によって都心の家賃相場に大きな動きはありませんし、家賃が払えなくて退去する人が続々と出ているようなこともありません。

経済危機のなかでも安定的に収益を上げたいなら不動産を選択肢に

過去の経済危機を振り返るまでもなく、今回のコロナ相場で大きな損失を被った方も周囲に多いのではないでしょうか。もちろん利益が出ている方もいるでしょうが、短期間で大きく変動する株式相場のなかで、安定的に売買益を上げるのは至難の業です。

一方、投資用不動産は、経済危機の有無にかかわらず、家賃という形で安定した収益をもたらしてくれます。その反面、短期的に大きな利益を上げるものではありません。

これからの世界がどのように変化するか、現時点では誰にもわかりませんが、しばらくは株式相場も経済動向も不安定な状態が続くでしょう。個人の範囲で取り組めるのは、本業の仕事以外に収入の柱を作るための資産形成を進めて、不確実な未来に対応できる安定的な経済基盤を作ることです。

今こそ、安定収益を得るひとつの選択肢として、不動産投資に目を向けてみてはいかがでしょうか。