執筆者:株式会社ZUU
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目覚ましい経済発展を遂げる中国において、いま急速に成長しているのが「ラッキンコーヒー(luckin coffee)」です。世界中に店舗を持ち、日本でも1,500店以上を展開する人気コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーが、「ラッキンコーヒー」によって中国市場では苦戦を強いられています。そこで今回は、中国最速のユニコーン企業「ラッキンコーヒー」の人気の秘密を探ってみました。

コーヒー界の巨人にスタートアップが果敢に挑戦

スターバックス,中国
(画像=sebra/Shutterstock.com)

近年、中国のコーヒー市場は急成長を遂げてきました。国際コーヒー機関(ICO)の統計では、2010年から2017年で中国のコーヒー輸入量は3.3倍に増加。また、1人当たりのコーヒー消費量は2014年から2019年で18%の伸びとなっているという調査もあります。

中商産業研究院によると、2007年におよそ1万6,000店だった中国国内のカフェは2016年には8万6,000店。2018年にはその数およそ14万店と10年ほどで激増しました。そんなコーヒーブームを中国にもたらしたのは、アメリカ・シアトル発祥のコーヒーチェーン、スターバックスコーヒーです。

スターバックスコーヒーが中国に進出したのは1998年。現在では4,000店以上に店舗数を増やしています。さらに2017年には、焙煎所を併設した新しいコンセプトの旗艦店であるスターバックス・リザーブ・ロースタリーを、シアトルに続く世界2店目として上海にオープンしています。

しかし、そんなスターバックスが切り開いた中国のコーヒー市場に、中国発のスタートアップが登場しました。瞬く間に急成長を遂げ、2年足らずでスターバックスコーヒーを凌ぐコーヒーチェーンとして存在感を示します。それが「ラッキンコーヒー」です。

注文はアプリからのみという徹底ぶり

2017年に創業したラッキンコーヒーは、2018年1月に第1号店をオープンすると、それを皮切りに店舗数を一気に拡大。わずか半年で評価額10億ドルを超える未上場企業、いわゆるユニコーン企業となりました。これは中国では史上最速とのこと。

1年で店舗数は2,000店舗に達し、2019年5月にはアメリカ・ナスダックに上場を果たします。そして2019年12月末、ついに店舗数でスターバックスを上回りました。

ラッキンコーヒーの特徴は、その注文の方法です。スターバックスをはじめとしたこれまでのカフェの多くは、カウンターでドリンクをオーダーし、支払い後にでき上がりを待って商品を受け取るスタイルでした。

これに対しラッキンコーヒーにはレジがありません。その代わりに注文するためにはまず専用のアプリをスマホにダウンロードする必要があります。そしてオンライン上で商品を選択後、スマホで決済するのです。

商品ができ上がると、通知がスマホに入ります。送られてきたQRコードをあらかじめ選んだ店舗の店頭でかざせば、待つことなく商品を受け取ることができます。あるいは、店舗受け取りではなく配達を選ぶこともできます。

さまざまな分野でEコマース市場が大きく拡大しているように、コーヒー市場でもこうした圧倒的な利便性が受け、ラッキンコーヒーは王者スターバックスコーヒーのシェアを切り崩していったのです。

ラッキンコーヒーの店舗はあくまで“受け渡しの場”

スターバックスコーヒーとラッキンコーヒーの違いは、デジタル化によるオペレーションの簡略化とユーザビリティです。これは、そもそも両者がコーヒーという同じものを売りながら、目指すところが違うということに起因しているといえるでしょう。

スターバックスコーヒーが「サードプレイス戦略」を採ってきたことは広く知られています。サードプレイスとは、自宅であるファーストプレイス、会社や学校といったセカンドプレイスではない第3の居場所のこと。

家でも職場でもない居心地の良い場所であることが、スターバックスコーヒーの大前提でした。つまり、くつろぎや、スターバックスでコーヒーを飲むという体験そのものを提供しているのです。

一方、ラッキンコーヒーの店舗はあくまで商品受け渡しの場でしかありません。デリバリーの割合も高く、店舗を介さない取引も多くなっています。店舗スタッフは接客や会計をする必要がなくなり、ブランドと客を結ぶインターフェースではなくなりました。

スタッフ教育にかけるコストも減るうえ、内装など店舗にコストをかける必要もなくなります。これらは商品の価格にも反映され、またスピーディな出店を可能にもします。それにより店舗が増え、さらにユーザビリティが上がる……という好循環が生まれているのです。

これに対し、スターバックスコーヒーも中国のEコマースプラットフォームであるアリババと提携し、オンラインを介したデリバリーサービスを始めました。さらに、スターバックスコーヒーのメニューの配達をオーダーできるアリババのスマートスピーカーもリリースされています。

こうしたデジタル化の動きの中で、スターバックスコーヒーがどこまで巻き返すことができるのか注目が集まっています。

急激な拡大の落とし穴も……?

ラッキンコーヒーは2020年4月2日、2019年度に不正会計があったことを公表。株価が急落する事態となりました。もともと同社は、シェア拡大を優先するあまり赤字も多かったことが指摘されています。

急成長の影の部分といえるかもしれませんが、中国のコーヒー市場に大きな変革をもたらしたのも事実。今後も目が離せない企業であることは間違いなさそうです。(提供:20代、最高の自己投資メディア UpU

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