執筆者:株式会社ZUU
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牛丼は、もはや国民食とも言っていいでしょう。大盛、肉だけ大盛、少盛など量のアレンジだけでなく、青ネギ、半熟卵、カレーなどトッピングの選択肢も豊富で、さまざまなパターンが楽しめるので毎日通っても飽きません。また、牛丼以外にもたくさんのメニューが用意されています。ここでは、牛丼を低価格で提供してくれる、若者にとって強い味方である牛丼チェーン、すき家、吉野屋、松屋の大手3社について、それぞれの売上高、店舗数などの数値から主に店舗当たりの売上高に注目し、それぞれの取り組みについて考えていきます。

各牛丼チェーンの基本的な情報

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(画像=54613/Shutterstock.com)

まず、各チェーンの基本的な状況を確認してみましょう。2020年4月末までの時点で発表された情報を基に計算しています。

・すき家

  • 年間売上高 約2,322億円
    (ゼンショーHD 20年通期連結予想に牛丼事業比35.1%で計算)
  • 店舗数 1,938(2020年4月末時点)
  • 1店舗1日当たりの売上高 約32.8万円

・吉野家

  • 年間売上高 約1,102億円
  • 店舗数 1,228(2020年4月末時点)
  • 1店舗1日当たりの売上高 約24.6万円

・松屋

  • 年間売上高 約1,041億円
  • 店舗数 963(2020年4月末時点)
  • 1店舗1日当たりの売上高 約29.6万円

数字全体を見ると、1店舗1日当たりの売上高では、店舗数の多いすき家が最も高くなっています。吉野屋と松屋は年間の売上高は同水準と言えますが、店舗数の違いから1店舗1日当たりの売上高に約5万円の差が生じています。

牛丼3社の差の理由は?

店舗当たり最も売り上げるすき家ですが、この理由はどこから生まれるのでしょう?各社について考察してみました。

すき家の取り組み〜健康を意識、来店客を飽きさせない豊富なメニュー

店舗当たり売上高を比較して、数字として最も際立っているのは、32.8万円のすき家でしょう。24.6万円の吉野屋に対して8万円ほど高くなっています。

牛丼1杯に換算すると、吉野家が牛丼1杯500円と仮定したとき、すき家は650円ということになります。大きな差であることが分かりますね。売上単価が高いということは、客が牛丼のほかに、何かしら付加価値を感じてお金を払っているのではないかと推察されます。

すき家は、消費者の多様なニーズに応えるため「すき家de健康」をテーマに設定。「シーザーレタス牛丼」「ニンニクの芽牛丼」「お好み牛玉丼」「食べラーメンマ牛丼」「白髪ねぎ牛丼」など、ユニークなメニューを次々と投入しています。

また、牛丼のごはんの代わりに豆腐を使う「牛丼ライト」もファンが多いようです。糖質制限ブームの中で、牛丼は食べたいけれど、糖質やカロリーが気になるという人が周りにもたくさんいることから想像できます。

あさり汁、うなぎ、海鮮など牛丼以外のメニューも充実させることで、来店客を飽きさせない工夫も施していることが分かります。

吉野家の取り組み〜グループ会社とのコラボや宅配サービスにも注力

吉野屋も、同社比では売上高が好調に推移しています。創業120年ということで、従来の牛丼ファンの来店頻度向上を図っています。

一環として、牛丼の新サイズ「超特盛」「小盛」を、コラボレーション商品として「ライザップ牛サラダ」、季節限定の「月見牛とじ御膳」、冬の定番である「牛すき鍋膳」と料理人・陳建一監修の「麻辣牛鍋膳」、また2種類のお肉が味わえる「W定食」を販売しています。

販売施策としては、吉野家ホールディングスのグループ会社である「はなまるうどん」とのコラボ企画が人気です。80円引き定期券(300円 税込)を購入すると、吉野家なら好きなメニューが80円引き、はなまるうどんなら好きな天ぷらが1品100円引きになります。

2019年には12歳以下の子どもを対象に、夏休みお子様割牛丼並盛半額キャンペーン、2020年の2月1日から2月29日にかけては、PayPayを利用したら40%戻ってくるキャンペーンなどを実施しています。

さらに、宅配需要の開拓を目的に宅配サービスにも力を入れているところです。今後の伸びとして、新型コロナによる在宅需要ため、宅配サービスの成功が鍵を握りそうです。

松屋の取り組み〜人気だったメニューを復刻販売し活路を見いだす

松屋はこの1年あまり、「ごろごろ煮込みチキンカレー」「和風タルタルチキン定食」「うまトマハンバーグシリーズ」「鶏のバター醤油炒め定食」「お肉たっぷり牛鍋膳」「豆腐キムチチゲ」の期間限定メニューが復刻販売されました。

また期間限定として「トマトフォンデュソースのビーフハンバーグステーキ定食」「創業ビーフカレー」「うな丼」「牛肉と筍のオイスター炒め定食」など、ジャンルにとらわれることなく、さまざまな新商品を開発しています。

また、松屋復刻メニュー総選挙2018のスピンオフ企画である「Twitter松屋ボツメニュー裏総選挙」で1位になった「焼き牛めし」の販売が、売上に寄与したと同社HPの社長インタビューに掲載されています。

しのぎを削る牛丼3社

3社がそれぞれ特色のある事業運営を仕掛けています。その中でも、店舗売上高の高さですき家が勝利している要因は、健康を中心に消費者のライフスタイルに訴求するメニューを拡充している点にあると考えられます。

今回、1日の店舗売上高という観点で3社を比較しました。実際には、原価率、経費率などさまざまな指標を比較することで、異なる見方も出てきます。3社がしのぎを削って、おいしそうなメニューを開発していることがわかるだけでも、胃袋のみならず、ビジネス戦略の勉強になりますよね。ランチしがてら決算資料を検索してみるのも楽しいかもしれませんよ!(提供:20代、最高の自己投資メディア UpU

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