公募投資信託への資金流入が増加している。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で消費ムードが冷え込む中、なぜ投資信託への資金流入が高水準となっているのだろうか。「今がまさに投資のチャンス」と捉えている投資家が少なくない理由に迫る。

今年1〜3月期の資金流入額は?

投資信託,資金流入
(画像=PIXTA)

投資信託協会の「投資信託概況」によると、公募投資信託における2020年1〜3月期の資金流入額(ETFは除外)は、実に17ヵ月ぶりの高い水準となっている。

投資信託には、「日本株式型」「新興国株式型」「世界株式型」などさまざまなタイプがあるが、報道などによれば、特に資金流入が顕著であるのが世界株式型だ。

将来の先行きが不透明になり景況感が悪化すれば、多くの人は財布のひもを締めると考えられる。すでに日本の景況感DIは厳しい状況になっているため、シンプルに考えれば手元の資金をあまり減らしたくないと考えるのが自然だろう。

日本銀行が4月7日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」によれば、3月調査の景況感DIはマイナス36.3。この景況感DIは、1年前との比較で「景気が良くなった」と答えた割合から「景気が悪くなった」と答えた割合を差し引いて計算され、人々が景気をどう判断しているかの参考にされている。

「逆張り」や「上昇期待」が理由

こうした状況にもかかわらず、なぜ今、投資信託を購入する人が増えているのだろうか。その背景には、「逆張り」や「上昇期待」があると考えられる。

投資信託は、投資のプロである運用会社に資産運用を委託する金融商品だ。株式や債券などさまざまな資産で投資信託は運用されるが、株式で運用を行う投資信託にとっては、好機と捉えることもできるのだ。

分かりやすく株価が2,000円と1,000円の場合に100万円で購入できる株式数を計算してみよう。

① 100万円 ÷ 2,000円 = 500株(←株価が2,000円のときに購入できる株式数)
② 100万円 ÷ 1,000円 = 1,000株(←株価が1,000円のときに購入できる株式数)

こうして比べてみると、株価が安いときのほうが同じ金額で購入できる株式数が多いことが分かる。つまり、株価が安いときに購入し、その後に株価が以前の水準に回復すれば、保有資産の価値が大きく膨らむことになるわけだ。

② のケースで株価が1,000円から2,000円に上昇すれば、保有株式が1,000株であるため、100万円で購入した株が200万円の価値になる。

世界の著名投資家も「買い」に動いた?

このように、株価の下落時は優良株購入の好機であり、株で資産運用を行う投資信託を購入する絶好のタイミングであるという見方もできる。

もちろん株価がさらに下落を続け、一定水準まで回復するのに長期間を要すれば、短期的・中期的には損失を出すリスクはある。ただ「底値」のタイミングを見誤らなければ、大きな成果につながる可能性もある。これは投資家にとってかなり魅力的なことなのだ。

実際、報道などによれば、このコロナ禍の最中に株式を「買い」に動いている有名投資家もいる。例えば、ヘッジファンド運用会社の米アイカーン・エンタープライジズ(IEP)の創業者であり「もの言う株主」としても著名なカール・アイカーン氏などは、持株会社の株式を追加保有しているという。

同じアメリカの著名投資家であるビル・アックマン氏も株式の買い増しを進めており、「私たちがこの危機を正しくマネージできるなら、一生に一度の大バーゲンセールだ」とTwitterで発言したことが話題になった。

まずは投資信託で少額から挑戦してみては

東証株価指数(TOPIX)の2020年初の終値は1,697.49で、3月16日には1,236.34まで落ち込んだ。ただ5月の取引初日である5月1日は1,431.26まで回復している。ニューヨーク・ダウ平均株価も同じような傾向を示している。

「景気の先行きが不透明だとされている中で投資なんて……」と考える人もいるかもしれないが、今は株式や投資信託を購入するチャンスとも言える。まずは投資信託で少額から挑戦してみてはいかがだろうか。