ソニーが新入社員の初任給に大きく差をつけ始めたことが話題を集めている。「初任給は横並び」という日本式の給与体系から脱却することで、優秀な人材の獲得などを狙うという。この制度の導入により、同社では新入社員でも年収が700万円を超える場合もある。

世界と比較した場合、日本の新入社員の給与水準はどの程度なのだろうか?

ソニーの初任給、最大で200万円程度の差

初任給
(画像=PIXTA)

ソニーでは5年ほど前から「ジョブグレード制」(職務等級)が導入されている。優秀な人材には高いグレードが与えられ、その分、年収を高くするという制度だ。

ジョブグレード制は、プログラミングやAI(人工知能)などの専門スキルを持つ人材や、高い業務遂行能力がある社員を優遇するという制度だ。高い給与を支払うことで有能な人材の流出に歯止めをかけると同時に、高年収を目指す優秀な学生に就職先としてソニーを選んでもらうことも狙いとしている。

この制度は入社2年目以降の社員を対象としたものだったが、2019年度から新入社員にも導入された。入社後の3ヵ月間の研修期間を経て新入社員にはそれぞれグレードが与えられ、グレードがつかない人と最高のグレードがついた人では年収にして200万円近くの差がつくようになっている。

また昨年は、優秀な新卒社員に年収1,000万円以上を払うというNECの新制度も話題になった。

日本の初任給は平均262万円、アメリカとの差は2.4倍

このように給与体系の変革にソニーやNECが挑んでいるが、日本の新入社員の平均的な初任給は欧米諸国に比べていまだに低いのが現状だ。

米コンサルティング会社のウイリス・タワーズワトソンによる「2019 Starting Salaries Report」によれば、アメリカの新入社員の平均年収は632万円だが、日本は262万円に留まっている。その差は約2.4倍だ。

新入社員の平均年収が800万円を超えるスイスは別格だが、500万円超えのドイツ、400万円超えのノルウェー、300万円超えのフランスやスウェーデンと比べても日本は低水準となっている。アジア諸国では、韓国やシンガポールよりも低い。

老後の生活資金について不安が募る日本

スキルアップによって徐々に年収を高くする方法はあるが、それだけでは心許ない部分もあるだろう。日本では昨年、老後の「年金2,000万円問題」が波紋を広げた。老後のためにお金をしっかり確保していくことを考え、若いうちから何か対策をすることがこれからの時代は必要になるだろう。

日本の若い世代が取り組める具体的な対応策として、どのような選択肢があるだろうか。

有力な選択肢の一つが「資産形成」

有力な選択肢の一つが、若いうちから「資産形成」に本格的に取り組むということだ。低金利時代のいま、給与の一部を預貯金として眠らせておくだけでは資産はほとんど増えないが、「株式投資」や「投資信託」で運用することで自らの資産を増やしていくことが期待できる。

資産形成にはさまざまな選択肢があるが、例えば投資のプロに運用を任せる「投資信託」であれば、新入社員時代の忙しい時期でも資産形成に取り組むことができるだろう。金額も少額から始められるため、まだ給与が低いときでも投資を始めることが可能だ。

投資による資産形成は早く始めるに越したことはない、ということも覚えておきたい。その理由は「複利効果」にある。投資で得た利益を再び投資に回せば、得られる利益はより大きくなっていく。

複利効果は長期的に投資することで効果が大きくなっていくため、就職して企業に勤め始めたタイミングはまさに「始めどき」と言えるわけだ。

早めの挑戦で利益も大きくし、知識も積み重ねよう

もちろん、投資信託などによる資産形成にも知識は必要だ。投資信託には、「新興国型」や「先進国型」、リスクを分散させる「バランス型」、積極的に利益を目指す「アクティブ型」や主要な株式指数と連動した成果を目指す「インデックス型」などさまざまなタイプがあり、どのようなタイプをどの時期に選ぶかによって成果も変わってくる。

こうした知識は早いうちから身に付けておいたほうがよいだろう。新入社員時代から知識を積み重ねておくことは、将来的に大きな強みにもなる。スキルを磨き、キャリアップすることも重要だが、資産形成についても同じように早いうちから考えておいたほうがよいだろう。