「もっと貯金をしたい」「お金を増やすいい方法はないか」といった思いは、多くの人が日ごろから感じていることだろう。お金を増やしていくためには、お金についての知識とお金を増やすための考え方や行動、「金融リテラシー」を身に付ける必要がある。

そこで今回は、お金とうまく付き合うために必要な金融リテラシーと、自身のリテラシーをチェックする方法を紹介する。

クイズでチェック!金融リテラシーは身に付いている?

金融リテラシー
(画像=PIXTA)

金融庁が公表しているパンフレット「金融リテラシー」は、国民が安全で豊かな生活を送るために必要とされる「お金に関する知識やお金との付き合い方」を示したものだ。金融知識や家計管理、生活設計に関する考え方やローン・クレジット、金融商品の活用法について細かく触れられている。

金融リテラシーの概要を述べる前に金融リテラシーが身に付いているかが診断できる「金融リテラシークイズ」を紹介したい。このクイズで出題されるのは、例えば以下のような問題だ。

問題:10万円の借り入れがあり、借入金利は複利で年率20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高は倍になるでしょうか。

① 2年未満
② 2年以上5年未満
③ 5年以上10年未満
④ 10年以上
⑤ 分からない

このクイズは金融広報中央委員会が作成したもので、金融リテラシーがどのようなものか、その一端が分かる内容になっている。金融リテラシークイズでは、適切な家計の行動や生活設計、金利や借り入れといった金融知識などについて出題されている。この問題の正解は②だが、難なく解けるという人もいれば思いのほか苦戦したという人もいるだろう。

金融リテラシークイズは後述する「2019年金融リテラシー調査」からの抜粋である。金融リテラシー調査に回答した2万5000人の回答からクイズの平均点を算出すると100点満点中52.6点だった。正解率は18~29歳では40.8%だったが、年齢が高いほど高くなり、70代では59.8%となっている。

お金の知識と判断力を示す「金融リテラシー」

金融リテラシーの内容をさらに詳しく見ていこう。金融リテラシーは4つの分野で構成されており、各分野で身に付けておくべき行動が示されている。

1.家計管理

・赤字を解消し黒字を確保するための支出管理を習慣づける

2.生活設計

・結婚や出産、住宅購入、老後などライフプランを明確にし、それぞれのライフイベントに応じて必要となる資金を確保しなければならないことを知る

3.金融知識および金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択

金融取引の基本的な素養
・金融商品を選ぶときは、情報収集・比較検討をする
・金融商品にかかわる法令や制度を理解し契約は慎重にする
・情報の入手先や契約相手が信頼できる人かどうか確認する
・インターネット取引は便利だが、対面取引とは異なる注意点があることを知っておく

金融分野共通
・金利(単利・複利)やインフレ・デフレ、為替といった金融経済の基礎的な知識を身に付け、金融商品は金融経済情勢に応じて選ぶことを理解する
・金融取引をする際、コストを把握する重要性を理解する

保険商品
・死亡・疾病・火災など、自身が保険で備えておくべき事柄は何か把握しておく
・上記のリスクが起きた場合、必要となる金額を理解する

ローン・クレジット
・住宅ローンを組むときは、無理のない借入限度額や返済計画を設定する
・住宅ローンの返済が困難になった場合に備えておく
・無計画なカードローンやクレジットカードの利用をしないよう、常に気をつける

資産形成商品
・自分のライフプランに合わせて資産形成を行い、金融商品にはリスク・リターンが高いものも低いものもあることを理解する
・運用する資産の種類や投資時期を分散させることにより、リスクが軽減できることを理解する
・資産を長期運用することは、時間分散のメリットがあることを理解する

4.外部の知見の適切な活用

・金融商品を利用する際は、相談できる機関を知っておく必要がある。また、利用の際は専門家など外部の知見を適切に活用する

こうした金融リテラシーは社会人だけでなく小学生のうちから学習内容や環境に合わせて身に付けていくのが望ましいため、「内容を十分に理解できているか」について振り返ってみるとよいだろう。

金融資産や年収が高い人ほど金融リテラシーは高い

金融広報中央委員会では2019年、上述の金融リテラシークイズのような形式で18~79歳の2万5000人を対象に「金融リテラシー調査」を行った。その結果、金融資産や年収が高くなるほど正誤問題の正答率が高くなる傾向が見られた。なかでも正誤問題の正答率が80%以上の層には、以下のような行動特性や考え方があることが明らかになっている。

・金融経済情報を見る頻度が高い
・家計管理をしっかりと行っている
・金融商品の内容を理解したうえで商品を選んでいる
・損失回避傾向(得することよりも損を避けることに重点を置く)が低い
・横並び意識が低い
・緊急時の資金的な備えをしている

このような行動や判断の結果、金融トラブルに巻き込まれにくく消費者ローンの利用が少なくなっている。また「経済的ショックへの耐性が高い」「借り入れへの負担感が低い」「リスク性資産への投資が多い」といった人物像も浮かび上がる。こうして見ると金融リテラシーの高さと資産形成の積極性には、ある程度相関性が高いように感じるのではないだろうか。

先に見たように資産形成も家計管理や生活設計と同様、大切な金融リテラシーの要素だ。お金持ちを目指すなら、まずは基本的な金融リテラシーを身に付けて投資にチャレンジしてみてはいかがだろうか。